ツアー体験談

イスラエルの神を賛美します。数年来の願いであった聖地訪問の機会が与えられ、心から感謝します。「イスラエルに行くと、聖書がカラーで読める」とはよく聞いた言葉ですが、果たして本当にその通りでした！このツアーは私にとって、生涯忘れられない経験となりました。

牧師家庭に育った私は、聖書に出てくるイスラエルの人名・地名に、幼いころから親しみを持っていました。ツアー最初に、ガイドのツァイリ享子さんが「お帰り」と言ってくださいましたが、イスラエルに来たのは初めてにもかかわらず、確かになんだか故郷に帰ってきたような不思議な感覚がありました。

分かち合いたいことは多くありますが、代表的なものだけを幾つか挙げたいと思います。ツアーの中で一番印象に残った場所は、やはりエルサレムでした。イエスさまが血の汗を流して祈られたゲッセマネ、連行されて歩かれた階段、一晩過ごされた地下の洞窟、十字架を担いで進まれたヴィア・ドロローサなど、イエスさまが実際に通られた足跡を私もたどっていくことができました。福音書を思い出しながら、「私のような罪人のために、こんな苦しみを受けてくださったのか」と思うと、深い感謝と悔い改めの思いに満たされました。これから福音書を読むたびに思い出すことでしょう。また、罪を犯しそうになる時や慢心してしまいそうになる時、いつもこれらの場所を訪問した時に感じた思いが、私の心に語りかけ、正しい道を示してくれると思います。

ホロコースト記念館・ヤド・バシェムにも、強烈な印象を受けました。歴史において、ユダヤ人たちが体験した迫害は、私の想像をはるかに超えるものでした。なぜナチスには、これほどまでの残虐な行為ができたのだろうと思いましたが、享子さんが言われる通り、自分も同じ人間として、同じような罪の性質を持っていることを自覚させられ、自分も当時そこにいたなら、同じ蛮行をしていた可能性があると思わされました。このようなことが二度と起こらないようにと祈り、平和をつくり出す者になりたいと強く願いました。

ツアーでは、聖書時代のことだけでなく、現在のイスラエル情勢についても学ぶ機会が多々ありました。その中でユダヤ人の歴史やイスラエルが置かれている状況について学び、「エルサレムの平和のために祈れ（詩篇122:7）」というみことばを何度も聞きました。正直、私はこれまでイスラエルのことを特に愛していたわけではありませんでした。しかし、神がイスラエルを特別に選び、愛されたことを知り、「イスラエルを祝福する者を神は祝福する」という真理を教えられ、今や真剣にイスラエルのために祈ろうという思いが与えられています。帰国してからは小さな祈りから実践しています。

現地に住むユダヤ人たちと触れ合う機会が与えられたことも大きな恵みでした。ベンヤフダ通りでストリートライブをした時、クリスチャンを嫌悪していると思っていたユダヤ人たちが大勢集まり、とても喜んでくれました。直接伝道が許されていないにせよ、イスラエルの曲を歌った時、ユダヤ人の方々があんなにも喜んでくれるとは思いませんでした。女子校を訪問した時も生徒たちがやはり喜んでくれました。集まった生徒たちが少なかったのは残念でしたが、そのことによって現在のユダヤ人たちがクリスチャンたちをどう思っているのかということもよく分かりました。続いてフードバンクを訪れた時、BFPの方々が50年もの長期に渡って食料支援、その他の働きを続けてこられたことを知り、衝撃を受けました。ユダヤ人と和解の架け橋を築くため、見返りを求めないで愛の行いを続けてこられたことを聞き、これは大いに学ばなくてはならないと思いました。

私は現在、教会では幼子から青年までを担当する伝道師として奉仕しています。働きを始めてから5年が経ちますが、見えるかたちで実を結んではおらず、喜びよりもストレスを感じて生きてきました。代わり映えのしない日々が続く中で、「何かのブレイクスルーがほしい！」と願っていた時、イスラエルツアーに参加する機会が与えられました。

普段、私は自分のミニストリーの中で、人の反応ばかりを見て失望させられることがよくありました。そんな私も、イエスさまの追体験を通して霊的にリフレッシュされ、ユダヤ人の歴史と上記のみことばを学ぶ中で新たに祈る思いが与えられました。また、BFPの尊い働きを見させていただいて、私もこれまで以上に愛の手を差し伸べる働きを続けていこうという思いがさらに与えられました。

最後になりましたが、貴重な経験を与えてくださった足長おじさん、母の愛をもって導いてくださった享子さん、ツアー前から最後まで背後で支え助けてくださったB.F.P. Japanスタッフ、行く先々で素晴らしいメッセージを語ってくださった大矢先生、一緒に参加し、たくさんの笑顔と良い思い出を共有してくれた愛する仲間たち、そしてイスラエルに招き、人生を変えるような機会を備えてくださった神に、心よりの感謝をしたいと思います。