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えっ? イスラエルってこんな土地? Part-3

BFP編集部 2002年8月

3回シリーズでお届けしました「えっ?イスラエルってこんな土地?」も、今回がいよいよ最終回となりました。今月はどんなビックリが登場するのでしょうか。先月に引き続き、イスラエルの雨事情から学んでまいります。

45.雨も溜まれば河となる

イスラエルの雨は豪雨となり得ます。外国から訪れる人々は、しばしば激しい風を伴って降る、冬の雨の激しさに驚かされます。エルサレムでは、ほとんどの冬の雨が横なぐりに降るので、傘はあまり役立ちません。

砂漠ではアラビア語で「ワジ」、ヘブライ語で「ナハル」と呼ばれる乾いた河床が、突如として勢いよく流れ下る大量の水であふれることがあります。冬にユダの荒野ヘハイキングに行くのはとても危険です。そこでは雨が降っていなくても、突如として現れる、これら激流の一つにつかまる恐れがあるからです。シェケムとヘブロンの間あたりの尾根で降った雨が、ヨルダン渓谷へ東に流れ下っていく途中で、油断したハイカーを飲み込むことがあります。

この時期、岸に沿って横切る崖から流れ落ちる落差308メートルの巨大な滝を見ると本当に驚きます。あまりの勢いに、道が数分で洗い流され、数時間で水没します。

雨が局地的に降るため、一つのワジが奔流であふれても、数マイル離れたほかのワジは乾いたままということもあります。

46.水も通さないほど乾いた大地

荒野の地面は乾ききっているため雨を吸収しません。それが、大量の水がどっと流れ下る原因になります。砂漠で降る雨のたった3%しか地表に吸収されず、残りは海に流れ下るか、あっという間に蒸発してしまうと推測されています。

47.海に流れる雨

分水嶺に位置するエルサレムに雨が降る時、その半分はユダの荒野を通って東の死海に流れ込み、もう半分は地中海に向かって谷を西へ流れ下ります。

48.雨は神の道具

神は雨を、イスラエルの民の行いに対する祝福や怒りを表す道具として用いられました。

申命記11章で、神は次のように語っています。「もし、私が、きょう、あなたがたに命じる命令に、あなたがたがよく聞き従って、あなたがたの神、主を愛し、心を尽くし、精神を尽くして仕えるなら、わたしは季節にしたがって、あなたがたの地に雨、先の雨と後の雨を与えよう。あなたは、あなたの穀物と新しいぶどう酒と油を集めよう。また、わたしは、あなたの家畜のため野に草を与えよう。あなたは食べて満ち足りよう。気をつけなさい。あなたがたの心が迷い、横道にそれて、ほかの神々に仕え、それを拝むことのないように。主の怒りがあなたがたに向かって燃え上がり、主が天を閉ざされないように。そうなると、雨は降らず、地はその産物を出さず、あなたがたは、主が与えようとしておられるその良い地から、すぐに滅び去ってしまおう。」(申命11:13-17)

これは、イスラエルへの祝福と呪いに関する箇所として有名な、申命記28章でも繰り返されています。「もし、あなたが、あなたの神、主の御声によく聞き従い、私が、きょう、あなたに命じる主のすべての命令を守り行なうなら、……主は、その恵みの倉、天を開き、時にかなって雨をあなたの地に与え、あなたのすべての手のわざを祝福される。」(申命28:1、12)

しかしまた、次のようにも語っておられます。「もし、あなたが、あなたの神、主の御声に聞き従わず、私が、きょう、命じる主のすべての命令とおきてとを守り行なわないなら、次のすべてののろいがあなたに臨み、あなたはのろわれる。…主は、あなたの地の雨をほこりとされる。それで砂ほこりが天から降って来て、ついにはあなたは根絶やしにされる。」(申命28:15、24)

49.スコット-雨乞いの祭り

ユダヤ人は過去、そして現在に至るまで、ちょうど雨季を迎える時期にあるスコット(仮庵)の祭りの間(毎年9〜10月)、雨のための特別な祈りを捧げてきました。この祭りの間に、「初めの雨」が降ると、特別な祝福とされます。また、イスラエルに雨が降らなくなり、干ばつの兆候が見受けられる場合、イスラエルの民は自らの行いを振り返り、罪の許しと雨のために、神に熱心に祈り始めます。

50.美しい花の季節

2月から3月にかけて、イスラエルは、雨季の雨によって美しい花の楽園と化します。数週間の間、国全体が華やかな色と香り、鳥のさえずり、忙しげな虫の羽音であふれます。この、毎年のように起こる「蘇りの奇跡」は、これを見るすべての人々の心を捉えずにはおきません。緑の丘は、ポピーやアネモネの赤で染まり、また群生する野生ルピナスの青で埋まります。岩の間に群れ咲くピンクや白のシクラメン、ひっそりと咲くアイリスの美しさや、アザミの間からぴょこぴょこと顔を出す小さな蘭の花など、一度見たら忘れることのできない美しさです。これほどの短期間に、多種多様に豊かに咲き乱れるので、非常に印象深い光景です。それまで、夏や秋の茶色く乾ききったイスラエルしか見たことのない巡礼者たちにとっては、春の花園と化した景色はまさに驚きです。

51.辛抱強い砂漠の植物

砂漠では、植物は数カ月間の短い季節に発芽し、花を咲かせ、来年に十分な種を持つ実を付けます。そしてもし旱魃になれば、これらの種は何年間、時には何世紀も、再び芽吹くために、雨を待って休眠しています。木や潅木の中には、水を保持するためにすべての葉を落とし、外見が枯れ木のようになるものもあります。しかし、いったん雨が降れば、勢い良く芽を吹き出します。砂漠の植物を活気づかせるためにあまりたくさんの水は要りません。

52.「野のゆりを見なさい」

1980年代、特に雨の多い冬が一度あり、荒野にたくさんの雨が降りましたが、その年は過去に見たことのないほどの花が見られました。ユダの荒野の荒涼としたチョーク質の斜面から、その美しさを誇示するために、十分な雨が降るのを何年間も待っていた巨大なアイリスや他の花々が現れ出たのです。

毎年、冬の雨の後に春が来て、エルサレムの東に広がるユダの荒野に、敷き詰められたように咲く、何百万もの赤いアネモネの絨毯に私はいつも驚かされます。彼らはほんの数日間咲くと、翌年まで姿を消します。神の創造の御業は真に驚嘆に値します。

主イエスは、心配することの愚かしさを語る時、このアネモネの花を例えに用いられました。「なぜ着物のことで心配するのですか。野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえなさい。働きもせず、紡ぎもしません。しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このような花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。信仰の薄い人たち。」(マタイ6:28-30)

53.異なった気候の隣接

世界には、さまざまに異なった地形や気候があります。しかしこれらの変化は、普通は一定の間隔を置いて徐々に現れてくるものです。

しかし、これはイスラエルには当てはまりません。ここでは5つの異なった地理的、気候的ゾーンが存在し、あまりにも劇的に変化するため、文字どおり一つのゾーンから他のゾーンに変わる境界線上に立つことさえできます。

その変化がいかに近いかを説明するために、私がスキー・ツアーで、ヘルモン山に行ったときのことをお話しいたしましょう。冬晴の空の下、白銀のスキー場でリフトに乗って、冷たい高山の風に吹かれつつ、2770メートル下に、バナナが育つヨルダン渓谷と、人々が水上スキーを楽しんでいるガリラヤ湖を見下ろすことができたのです。

なんと祝福された国でしょうか。たとえ小さくても、神はここを真に「全地の栄光」として創られたのです。

54.5つの異なる植物

ランス・ランバートはその著書『イスラエルのユニークさ』で、ここには次の異なる5種類の分布帯からの植物が見られると書いています。

  1. ユーロー=シベリア植生分布帯(ヨーロッパ、ロシア、シベリアで見られる植物相の生域)
  2. 地中海性植生分布帯(地中海沿岸で見られる植物相の生域)
  3. イラン=ウラル=アルタイ植生分布帯(イスラエルからイラン、内モンゴルのゴビ砂漠も含む、中国にまでまたがる広大なアジアのステップ平原で見られる植物相の生域)
  4. サハラ=アラビア植生分布帯(完全な砂漠地帯で、アフリカのサハラ砂漠、アラビア半島とイラン南部の一部で見られる植物相の生域)
  5. スーダン性植生分布帯(熱帯性植物相の生域で、興味深いことに、極めて小さいオアシスや飛び地のような分布域がイスラエルで見られる)

55.リンゴとバナナが育つ国

これら5つの異なる植生分布帯と3つの大陸をつなぐ場所である地理的条件が、イスラエルを、地球上の多種多様の動物たち、シベリア、西ヨーロッパ、アジア内陸、北アフリカ、西アフリカなどで自生する植物の交わるところとしています。

イスラエルの大きさを考えると、これほど豊富な種類と多様性が、このちっぽけな国に詰め込まれていることに、改めて驚嘆するでしょう。

リンゴとオレンジ、あるいはイチゴとバナナがどこで育つか考えてください。これらはそれぞれ、全く異なった地域で育つものです。寒冷地を好むものや、温暖な気候、あるいは熱帯など全く離れた場所で育つものであって、本来は同じ場所はもちろん、同じ地方内でも育たないはずです。

56.比類ない多様性

私たちのほとんどが、非常に狭いにもかかわらず、イスラエルほど豊かな植物相をもつ国は他に存在しないことを知らないまま、聖書で「シャロンのバラ」や「野の百合」について読んでいるのです。

ランス・ランバートは、小国イスラエルに3000もの異なった種の植物が生えていることを取り上げています。これは面積がイスラエルの2・5倍の英国諸島全体で1800種、またイスラエルの10倍の国土に匹敵する、中東最大級で最も肥沃なナイル・デルタを誇るエジプトの1500種と比較しても、驚くべき数です。

57.境界の重なるところ

これらの多くの植物にとって、イスラエルはその分布域の極限に当たります。多くの地中海性植物にはその分布域の東限であり、アジアのステップ平原性植物には西の限界です。アフリカの植物にとっては北限、ヨーロッパ・シベリア植物には最南端に当たるのです。これは、イスラエルのユニークな特色の一つです。

その一例は、エイラットの北外れに生えている東アフリカ特有のダウムヤシです。イスラエルには3種類の木立しか生えていませんが、最も近い種は1000マイル南へ行かなければ見つけることができません。このヤシがイスラエルにどうやって来たのかはだれも知りません。死海を見下ろす、エン・ゲディの絶壁の上には、常時新鮮な水が湧き出す泉があり、そのそばにたおやかに生えているシダ、アジアンタムを見ることができます。たった数ヤード泉から離れれば、荒れ野の熱風で跡形もなく枯れてしまうでしょう。

58.同じ庭に2つの植物相

時には、同じ谷間で、北に面して涼しいため、地中海性の植物で覆われた南壁と、南に面して暑く乾燥し、ステップ性植物しか生えない北壁、そして谷底に両方の種が混合して生えている場所があります。そこでは、東から西へ飛ぶワタリガラスも見られます。

イスラエルでは、家の周りの敷地に果実のなる木を植える中東の習慣が、ユダヤ人にもアラブ人にも見られます。一つの庭に分布域が異なる典型的植物、例えば暖地を好むオレンジやアボカドと一緒に、寒冷地を好むリンゴや桃が植えられ、さらにはテラスの上からブドウ棚が垂れ下がっているという様子に、私はいつも驚かされます。

59.土地の祝福を表す7種の植物

イスラエルには古来、この地の実りに対する神の祝福を表すものとしてユダヤ人たちに捉えられてきた7つの作物があります。それはナツメ、ザクロ、オリーブ、イチジク、ブドウ、そして小麦と大麦です。

今日、これらの作物が、古代貨幣や、遺跡の建物を飾る石柱などの彫刻に掘られていたり、安息日のパンを覆うためのカバーなどに刺繍されたり描かれているのを見ることができます。

イスラエルの地に広がる段々畑。

60.イスラエルの農業

イスラエルは非常に山がちで起伏に富んでいるため、耕作の多くは段々畑で行われます。自然の石灰岩が段状に侵食されるので、段々畑を作るのはとても楽です。坂を4〜5メートル下るごとに、横に石の壁を築き、各段が平らになるまで土を入れれば出来上がりです。

段々畑にはまずオリーブやアーモンドなどの果樹を植え、その根元に小麦や大麦を植えるのが伝統的なやり方です。

61.良い地とは?

マタイの福音書13章1節から23節の、種をまく人の例え話では、まかれた種は、それぞれ道端、岩地、イバラの中、そして良い地の上に落ちます。道端の種は、鳥に食べられ、土の少ない岩地に落ちた種は、芽を出してもすぐに枯れてしまい、茨の間に落ちたものは、イバラにふさがれて育たず、良い地に落ちたものは、まかれた種の100倍、60倍、30倍の実を結びました。

イエスは種を、人の心にまかれる神のみことば、福音に例えました。まかれた福音の種のうち、良い地に落ちたものだけが育って実を結びます。他のものは決して根を下ろさず、例え芽を出してもすぐ枯れるか雑草に負けてしまいます。

イスラエルの段々畑をよく見ると、この例えがいかに人々の日常生活に結びついて、わかりやすいものであったかを理解することができます。

農夫は、段々畑のうち、上の畑を支える壁から1メートルほどのところにある道に沿って歩きます。畑が山の斜面に沿って作られているため、畑は頂上に行くほど土が浅く、床岩がほとんど露出しています。ですから、道と露出した岩の間の、土の浅いゾーンには、自然にイラクサやアザミが茂っています。そして、道の下側には、種が育って作物が豊かに実る土壌が段の縁まで広がっているのです。ちょうど種をまく人の例えにあるとおりで、これは、イスラエルの段々畑ではどこでも見ることができます。興味深いことに、段々畑で最も広い部分に、一番良い土があるのです。このことは、私たちがまいた福音の種のほとんどが立派に育ち、実を結ぶことを保証しているようです。

62.水分を確保するための知恵

種まきの例えに出てくる、「良い地」(マタイ13:8)とは、緑に恵まれた地域の人々から見れば、岩だらけでゴツゴツした畑です。作物が育つように石がわざと置かれているからです。なぜ、わざわざそんなことをするのでしょうか。すでに触れましたが、イスラエルでは乾季になると225〜275ミリの露が降ります。夏の灼熱の太陽が沈んだ後、岩は地面より早く冷えるので、夜間、空気中の水蒸気をたくさん集めて地面に落とします。また翌朝、強烈な日差しで、あっという間に地表の水分が蒸発して失われるのも、岩は防いでくれます。

63.聖書時代から受け継がれてきた耕作地

皆さんは今日のイスラエルで、ダビデ王の時代から耕されてきた段々畑を見ることができます。これらの畑は、そのような大昔から、絶えることなくこの地を耕してきた人々によって、維持されてきました。聖書時代からある村々、例えばエルサレムに近い、洗礼者ヨハネの出身地、エイン・ケレム村の段々畑では、今でも7種の産物-ブドウ、オリーブ、アーモンド、イチジク、ザクロ、小麦、そして大麦が育てられています。

64.砂漠に住む生き物

乾燥地帯に住んだ経験のない人は、砂漠はカラカラで、生命の存在しない地だと考えます。しかし実際はそうではありません。特にイスラエルの場合は全く違います。イスラエルの砂漠、ユダの荒野はアイベックス(山岳地帯の野生のヤギ)やカメ、ヘビ、トカゲ、そして、羊はもちろん、ロバ、ヤギ、ラクダなどなど、動植物で満ち溢れています。

65.空は鳥たちの宝庫

イエスはマタイの福音書6章で、こうおっしゃっています。「空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。」(マタイ6:26)イスラエルの空は、いつも鳥たちで賑わっています。聖書には、スズメ、ワシ、カラス、ハゲタカ、コウノトリ、ツバメが登場します。しかし実際にはもっとずっと多くの種類が生息しています。イスラエルでは450種の鳥が見られますが、これは小さな国土にしては非常に多い数字といえます。英国諸島全体では460種、また広大なヨーロッパ、ロシア地域で800種、イスラエルの461倍の面積をもつアメリカ合衆国での725種と比較しても、この数字がいかに大きなものかおわかりでしょう。

66.渡り鳥の道

なぜ、これほど多くの鳥を、見ることができるのでしょう。

イスラエルは、人間だけでなく、鳥たちにとっても、3つの大陸をつなぐ通り道を提供しているのです。北半球と南半球の間を渡る鳥たちにとって、地中海は一気に渡るには広すぎます。最南端の南アフリカから、グリーンランドやイギリス、ラップランド、北ロシアなど、北の国々に向かう渡りのルートは、すべてイスラエル上を通り抜けていきます。渡りをしない鳥たちにとっては、植物の場合と同様、どの大陸に属するかによって、イスラエルが生息の南限、もしくは北限となるのです。

エルサレムにおいて、1年で最もエキサイティングな、出来事の一つに、コウノトリの大群の横断があります。何千羽ものコウノトリたちが、気流に乗って旋回する様子を、自宅のベランダから何時問も眺めていられるのです。とても大きな鳥たちで、その眺めは圧巻としか言いようがありません。イスラエルにある、アラバーとヨルダン渓谷を含む「大地溝帯」は、鳥たちの格好の目印であり、実際に毎年、何百万もの異なる鳥たちが入れ替わり立ち代わりイスラエルヘ飛来し、しばらくの時を過ごします。この地は真に愛鳥家たちの楽園です。

67.動物の宝庫だったイスラエル

イスラエルが、大陸間をつなぐちょうつがいのような場所であることを考えれば、過去に生息し、また現在でも見られる動物の多様性にもうなずけます。

過去には、アフリカ・ライオン、カバ、イボイノシシ、サイ、オオカモシカ、ワニ、チーター、シリアグマなどが生息していました。

エリシャをからかったことで、呪われた子どもたちの話を思い出してください。「彼は振り向いて、彼らをにらみ、主の名によって彼らをのろった。すると、森の中から2頭の雌熊が出て来て、彼らのうち、42人の子どもをかき裂いた。」(第2列王2:24)

また羊飼いだった少年ダビデが、羊を熊やライオンから守ったことが書かれています。彼はこれを根拠に、サウル王に、自分には巨人ゴリヤテを倒す自信があると言いました。「このしもべは、獅子でも、熊でも打ち殺しました。あの割礼を受けいないペリシテ人も、これらの獣の1匹のようになるでしょう。生ける神の陣をなぶったのですから。」(第1サムエル17:36)

荒野に住む
アイベックス。

イスラエル原産のワニは、ドイツ兵の手で1917年に射殺されたのを最後に絶滅しました。今日、アリゲーター(ワニの一種)が、イスラエルに再移入されています。ゴラン高原南端、ガリラヤ湖に近いハマット・ガデルの温泉では、ワニの繁殖を行っていて、皮や肉を取るためのワニ牧場も栄えています。

68.野生動物からの教訓

今日のイスラエルでも、まだまだたくさんの野生動物を見ることができます。ヒョウ、オオヤマネコ、ヤマネコ、アイベックス、ガゼル(日本でいうカモシカ)、野ヤギ、ハイエナ、ジャッカル、オオカミ、キツネ、イノシシ、アナグマ、ヤマアラシ、ジャコウネコなどが生息しています。イスラエルは、シベリアオオカミの生息域の最南端にも入り、この地の多様さ、ユニークさを示しています。

聖書では、神と私たちの関係を表現するのに、イスラエルで見られる動物の性格描写が用いられています。次がその一例です。「鹿が谷川の流れを慕いあえぐように、神よ。私のたましいはあなたを慕いあえぎます。私のたましいは、神を、生ける神を求めて渇いています。いつ、私は行って、神の御前に出ましょうか。」(詩編42:1-2)

ここイスラエルに住んで、ユダの荒野の、ゴツゴツした岩だらけの崖に住んでいるアイベックスには、いつも驚嘆させられます。最近私は、家族とともに、エン・ゲディの泉のそばの、死海を見下ろす崖で、懸垂下降(レジャー登山の一種)を楽しみました。海抜308メートルの乾いた岩だらけの崖からぶら下がっていたとき、同じ景色を分かち合っている1頭のアイベックスに出合いました。砂漠の焼け付く熱気の中、このアイベックスがエン・ゲディの泉の甘い水を慕い求めているのだとわかりました。このアイベックスにとって、目的地まで道のりは、容易ではありませんが、乾ききったのどを潤すためには、やるだけの価値はあるのです。私たちもまた、霊的潤いを求めて、神の臨在に入っていくことだけを切望する必要があります。

69.珊瑚と熱帯魚が織り成す魅惑の海

シナイ半島東岸、紅海に続くエイラット湾には、世界屈指を誇る豊かな珊瑚礁があります。シュノーケルと水中眼鏡で潜れば、珊瑚に限らず、魚と海草の織り成す美しい世界が、視界に大迫力で広がります。あまりの美しさに、見たことをだれかに語らずにはいられません。巨大な花崗岩の山が、青い海に落ち込んでいるエイラツト周辺は、世界屈指のリゾート地の一つです。

70.海と海と点の接触地

1世紀以上昔、スエズ運河が開かれて以来、紅海の熱帯性海洋生物が、地中海はと驚くべき速さで生息の幅を広げています。事実、200種以上の移入が確認されています。これまでに地中海東域に進出した魚だけでも、30種以上が確認されています。それが、釣り場としてのイスラエルとエジプト沿岸の魅力を高めています。全地をつなぐ橋として、このイスラエルの地を創造された神の摂理は、空と陸だけでなく、今や海にまで及ぼうとしています。

71.イスラエル-全地の栄光-

ランス・ランバートは、主がイスラエルの地を「全地の栄光」(エゼキエル20:6)と仰せられた箇所について、ここで使われている「栄光」に当たるヘブル語が、一般的な意味ではなく、「栄光」のほかに「美」や「名誉」も意味する言葉であることを挙げています。またこの言い表す語でもあります。これはイスラエルの地が真にユニークであり、カモシカのごとく美と栄光をもつ地であることを適切に表現しています。イスラエルは「全地の栄光」、そして私たちがこの国を理解しようと努め、探求すればするほど、聖書のみことばがいかに正確であるかが発見できる場所です。

いかがでしたでしょうか。これからも、この地をとおして神が語っておられるメッセージについて、学び続けてまいりましょう。ではまた来月!

エルサレムよりシャロ-ム

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