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ティーチングレター

終わりまで堅く立つ

文:テリー・メイソン(BFP国際開発部長)

私たちは刻一刻と終わりの日に近付いています。
時代は良くなるどころか、悪くなることが聖書に預言されています。
そんな困難な時代にあって、土台となるのはみことばです。
共にみことばを黙想し、堅く立ち続けましょう。

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ですから、私の愛する兄弟たち。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは、自分たちの労苦が主にあって無駄でないことを知っているのですから」(Ⅰコリ15:58)。使徒パウロのこの思慮深い助言は、現代の私たちにも当てはまります。私たちは危険な時代に生きています。皆さんは、どんなことが起こっても自らの信仰と主との歩みをしっかり維持する覚悟はありますか。堅く立って、動かされることなく、いつも主の業に励んでいますか。

木々

木々を見れば、不動の強さがよく分かります。その一例がイザヤ書61章3節に出てきます。「シオンの嘆き悲しむ者たちに、灰の代わりに頭の飾りを、嘆きの代わりに喜びの油を、憂いの心の代わりに賛美の外套を着けさせるために。彼らは、義の樫の木、栄光を現す、主の植木と呼ばれる

若木の植え替えは簡単ですが、いったん根を下ろしてしまった木を植え替えるのは至難の業です。成木を掘り起こす作業は、私が経験した中でも最も大変な作業の一つでした。地下深く張った根を見つけ切断することは、意志の弱い人には向いていません。断固たる決意が要求されるからです。

オリーブの木
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ほとんどの木は頑丈で、激しい嵐だけでなくあらゆる天候に持ちこたえます。神はイスラエル国家を「オリーブの木」と呼ばれました。オリーブの木は聖書時代のユダヤ人には欠かせないものであったため、民はそのメッセージを即座に理解したでしょう。すなわち、イスラエルは強く豊かになり、どのような敵にも滅ぼされることなく、敵を打ち負かし、常に実を結び、諸国民の光となるということです。

木々は、深く根を張っているおかげで強く、立ち直りが早く、生命力にあふれています。私たちにも深い土台が必要です。私は、マタイの福音書7章24〜27節のイエスの教えを思い出します。この箇所で教えられていることは、イエスの教えという堅固な土台の上に家を建てるということです。イエスの教えに従うなら、人生の嵐が吹き荒れたとしても倒れることはない。しかし従わないなら、砂の上に建てられた家のように嵐が来れば倒れてしまう、とイエスは語られました。永遠の真理である神のことばは生涯私たちを導き、力を与えてくれます。

危険な時代

神のことばは、人類史が終わりに近付く終末の時代になると、人生がますます困難になることを明らかにしています。唯一真の生ける神、アブラハム、イサク、ヤコブの神を信じ、神の指針に従って生きようとする人々は強い逆風にさらされるでしょう。

パウロはテモテへの手紙第二3章1〜5節で弟子たちにこう警告しました。「終わりの日には困難な時代が来ることを、承知していなさい。そのときに人々は、自分だけを愛し、金銭を愛し、大言壮語し、高ぶり、神を冒瀆し、両親に従わず、恩知らずで、汚れた者になります。また、情け知らずで、人と和解せず、中傷し、自制できず、粗野で、善を好まない者になり、人を裏切り、向こう見ずで、思い上がり、神よりも快楽を愛する者になり、見かけは敬虔であっても、敬虔の力を否定する者になります。こういう人たちを避けなさい

残念なことに、このリストは時には教会内においても見掛けます。5節に、「見かけは敬虔であっても、敬虔の力を否定する者」が終わりの日に現れるとあります。ですから警戒を怠らず、信仰を強く堅固に保つことが求められます。

イエスはマタイの福音書24章5〜7節で弟子たちに、世の終わりには偽預言者が現れ、戦争や戦争のうわさを聞き、世界中で飢饉(ききん)や地震が起こると語られました。しかし、これらはすべて終わりの時代が始まったしるしに過ぎないため、惑わされてはならないと警告しています。

つまずき

イエスは続けてマタイの福音書24章で、終末の激しい迫害のために多くの人がつまずき、不法がはびこるので多くの人の愛が冷えると警告しました。そして13節で、最後まで耐え忍ぶ人(堅く立って動かない人)は救われると教えています。

パウロもまた、終末が近付く中で起こるつまずきや背教についてテサロニケ人への手紙第二2章1〜3節に記しました。「どんな手段によっても、だれにもだまされてはいけません。まず背教が起こ(ら)……なければ、主の日は来ないのです」。また、テモテにはこう書き送りました。「しかし、御霊が明らかに言われるように、後の時代になると、ある人たちは惑わす霊と悪霊の教えとに心を奪われ、信仰から離れるようになります。それは、良心が麻痺した、偽りを語る者たちの偽善によるものです」(Ⅰテモ4:1〜2

終末

エルサレム
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多くのクリスチャンは、終末(神の大いなる日)が今までになく近付いていると考えています。終末のしるしがますます頻繁に起こるのを目にし、日々緊張が高まっているのを感じるのではないでしょうか。ユダヤ教の解説者たちは、この時代は最後のあがないの時、つまりメシアが来て神の栄光のために世界の万物を正す時であると語っています。その時すべての国々は、生ける神に仕えるためにエルサレムに上ってくるのです。ユダヤ人社会の多くの人々は、世界で起こる出来事を見て、時が迫っていることを悟っています。

イザヤ書2章1〜4節はその時に言及した箇所です。「アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて見たことば。終わりの日に、主の家の山は山々の頂に堅く立ち、もろもろの丘より高くそびえ立つ。そこにすべての国々が流れて来る。多くの民族が来て言う。『さあ、主の山、ヤコブの神の家に上ろう。主はご自分の道を私たちに教えてくださる。私たちはその道筋を進もう。』それは、シオンからみおしえが、エルサレムから主のことばが出るからだ。主は国々の間をさばき、多くの民族に判決を下す。彼らはその剣を鋤に、その槍を鎌に打ち直す。国は国に向かって剣を上げず、もう戦うことを学ばない

私たちは時が近付いていることを心に留めながら、どのように生きればいいのでしょうか。神がおられない地上を離れ、天に行く時を待ち望むクリスチャンもいます。しかし、それはヘブル的な見方とは大きく異なります。故ドワイト・プライアー師は著書『A Continuing Quest』(終わりのない探求)で次のように説明しました。「ギリシャ的思考は、私たちの『真の故郷』は天にあるという、この世とはかけ離れた面を強調する。……私たちが救われたのは、単にこの世から引き上げられるためではない。この世に神をもたらすためであり、神のあがないを広げ、神の御国を地上で前進させるためである。この目標はいつかシオンで実現するだろう」

最後まで強くあれ

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罪と不法が増大する世界にとどまりながら、どのようにして信仰を強く保ち、最後まで忠実であり続けることができるのでしょうか。今回は、黙想しながら実践するために幾つかの聖句をご紹介します。

ですから、立っていると思う者は、倒れないように気をつけなさい」(Ⅰコリ10:12

ですから、愛する者たち。あなたがたは前もって分かっているのですから、不道徳な者たちの惑わしに誘い込まれて、自分自身の堅実さを失わないよう、よく気をつけなさい」(Ⅱペテ3:17

私は心を尽くしてあなたを求めています。どうか あなたの仰せから 私が迷い出ないようにしてください。私はあなたのみことばを心に蓄えます。あなたの前に罪ある者とならないために」(詩119:10〜11

志の堅固な者を、あなたは全き平安のうちに守られます。その人があなたに信頼しているからです」(イザ26:3

ただし、あなたがたは信仰に土台を据え、堅く立ち、聞いている福音の望みから外れることなく、信仰にとどまらなければなりません。……」(コロ1:23

あなたは務めにふさわしいと認められる人として、すなわち、真理のみことばをまっすぐに説き明かす、恥じることのない働き人として、自分を神に献げるように最善を尽くしなさい」(Ⅱテモ2:15

パウロはテサロニケ人への手紙第二2章2節で、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないようテサロニケの信徒たちを諭しました。ピリピ人への手紙2章12節後半14〜16節では、「恐れおののいて自分の救いを達成するよう努めなさい。……すべてのことを、不平を言わずに、疑わずに行いなさい。それは、あなたがたが、非難されるところのない純真な者となり、また、曲がった邪悪な世代のただ中にあって傷のない神の子どもとなり、……彼らの間で世の光として輝くためです」と勧めています。

また、ヘブル人への手紙3章12〜14節には次のような警告があります。「兄弟たち。あなたがたのうちに、不信仰な悪い心になって、生ける神から離れる者がないように気をつけなさい。『今日』と言われている間、日々互いに励まし合って、だれも罪に惑わされて頑なにならないようにしなさい。私たちはキリストにあずかる者となっているのです。もし最初の確信を終わりまでしっかり保ちさえすれば、です

パウロはテモテへの手紙第一4章13〜16節で、現代にも通じる賢明なアドバイスをしました。「私が行くまで、聖書の朗読と勧めと教えに専念しなさい。……自分自身にも、教えることにも、よく気をつけなさい。働きをあくまでも続けなさい。そうすれば、自分自身と、あなたの教えを聞く人たちとを、救うことになるのです

聖書の朗読と勧めと健全な教えに根を下ろして黙想し、それらに完全に身を捧げるなら、この先に何が待ち受けていようとも、私たちは堅く立って動かされることのない者、主の業にあふれた者となるでしょう。

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