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ティーチングレター

主にあってリフレッシュする年

文:シェリル・ハウアー(BFP国際副会長)

現代人は多忙です。
そんな時代だからこそ、
私たちは主の臨在の中で憩い、
力を得、リフレッシュする必要があります。

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西暦2024年が始まってしばらくたちました。今年はうるう年で、朝ごとに訪れる新しい神のあわれみを、例年よりも一日多く楽しむことができました。新年を迎える前に、前年を振り返り、新年こそはミスを減らし、集中力を高め、もっと運動し、体重を減らすなどの計画を立てた人もいるでしょう。こうした素晴らしい決意は、3カ月もたてば幻のように消えてしまうのですが……。

しかし、今年の年明けは様子が異なりました。昨年一年間の365日よりも、10月7日以降の86日間が頭にあったからです。この日を境に世界は永遠に変わってしまいました。恐ろしい状況下で人質となり新年を迎えたイスラエル市民や、戦場で想像を絶する悪と戦い命を落とす青年男女、さらに荒廃した地で息子や娘、夫や友を悼む人々のことを思うと、新年の祝いも空虚に感じられました。私たちはかつてのイスラエルを思い、罪のない人々の死と、想像を絶する卑劣な憎しみの台頭に涙しています。

牧師や教会指導者のみならず、日曜日に教会に集う信徒とも話をして分かったことは、イスラエルでの出来事が多くのクリスチャンに深い影響を与えていることです。イスラエルを愛し支援する信徒たちは、イスラエルとの間に説明し難い深いきずなを覚えています。彼らのイスラエルに対する愛は、アブラハム、イサク、ヤコブの神から与えられたもので、常に心にイスラエルがあります。

現代国家が体験したことのない恐怖にイスラエルが直面する時、イスラエルを愛するクリスチャンはディアスポラ(イスラエル国外)のユダヤ人と同じく打ちのめされ、無力感を覚えます。その一方で、「悲しむ人々を慰める者となりたい。ホロコースト以来の闇に直面しているユダヤ人を助け、希望の光になりたい」と切望するのです。

リフレッシュが必要

このような強い願いを持つことは、今日の教会に与えられた最高の召しの一つだと思います。聖書は、神の選びの民が異邦人教会の中に真の友や仲間を見いだすことが神の御心だと明らかにしています。

リフレッシュは大切です
Photo by Oleg Mityukhin/Pixabay

打ちのめされたユダヤ人社会に慰めや励ましをもたらすためには、まずクリスチャン自身がリフレッシュされている必要があります。いろいろな人に話を聞くと、人々がひどい苦しみに遭っている時に自分のリフレッシュを求めることは難しく、間違っているとさえ感じる人々が多くいました。しかし、リフレッシュして元気を回復することは、教会がイスラエルを支える召しを全うするために欠かせません。聖書は多くのページを割いてその重要性を語っています。

リフレッシュに関する聖書箇所は、予想以上に多く散見されます。創世記で神が語られ、出エジプト記でモーセが言及している他、サムエル記第一でも語られています。ダビデも詩篇で強調し、イザヤやエレミヤなどの預言者も言及しました。イエスご自身も福音書で語り、パウロもしばしば書簡で触れています。それほどリフレッシュは大切な概念なのです!

調べてみると、「リフレッシュ」と訳されるヘブライ語とギリシャ語には幾つかの単語があり、意味も異なりました。今回は、父なる神の御心を示す三つの言葉を見ていきます。私たちは重い心で新年を迎えつつも、神が「わたしの瞳」(ゼカ2:8)と呼ばれた民に神の愛を示したいと願っています。そんな私たちに、神が理解してほしいと願っておられる深い意味を持つ言葉です。

行動するのをやめる

神はモーセを通し、こう語られました。「これは永遠に、わたしとイスラエルの子らとの間のしるしである。それは主が六日間で天と地を造り、七日目にやめて、休息した(リフレッシュされた)からである」(出31:17)。ここで「休息した」と訳されたヘブライ語「ナファシュ」は「呼吸する」「息を吹き掛けられる」という意味です。「やめ(た)」という言葉は「シャバット」です。回復し力を蓄えるために、あらゆる行動や労働をやめること、静かにしていることを意味します。神は「休みを取られた」のではなく、行動することをやめたのです。神は静寂を保ち、憩い(リフレッシュし)、息をつかれました。

期限が迫る企画や任務を抱え、気が気ではなかった経験はありますか。完了して初めて、ようやく息がつけますね! その安心感、くつろぎ、人生のプレッシャーからの解放感が、この概念に集約されています。

残念なことに私たちが生きる世界は行動を非常に重視します。多くの人が、忙しさの中に自分の価値を見いだすわなに陥っています。私たちのたましいの敵は、私たちが忙しく動き続けて手を休めず、休息も取らず、リフレッシュもしないことを望んでいるのです。

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一方、神は私たちの「行動に次ぐ行動」をやめさせたいと願っておられます。私たちが神の臨在の中で休み、神の豊かな愛に浸り、神の御声を聞き、息をつくことが、神の願いです。「最近どう?」と聞かれたら、「最高です! 休んでいます! 主の臨在の中でリフレッシュしていますよ」と答えたいものです。

また、「休息した」という言葉には「息を吹き掛ける」という意味があることも覚えましょう。神がアダムを創造された時、神が「いのちの息」を吹き込まれるまでアダムは土の塊(かたまり)に過ぎませんでした。神の息がアダムに命と活気を与え、新たにし、園の管理へと送り出したのです。行動することをやめ、時間を取って神の臨在の中で休む時、神は私たちにも「いのちの息」を吹き掛け、活力を与え、将来のあらゆる状況に対し備えさせてくださいます。

声を上げよ

サムエル記第一16章23節には、サウル王が「わざわいの霊」に悩まされた出来事が記されています。この霊のためにサウルは眠れず、休息できず、いつも気がめいり、物におびえるようになりました。

ここで「元気を回復する」(リフレッシュする)と訳された二つ目のヘブライ語「ラヴァッハ」を見てみましょう。この言葉には、再び冷静になる、落ち着く、熱の影響から回復する、空気を吸い込む、生き返らせるという意味があります。エッサイの息子で羊飼いだったダビデが王のために音楽を奏でた時、わざわいの霊は離れ、サウルは休息を得、再び冷静になり、元気を回復しました。ダビデが歌い奏でたのは、イスラエルの神に対する賛美の歌です。私たちを苦しめ、心配させ、疑わせ、不安にさせる「わざわいの霊」は、主に向かって賛美の声を上げる時に逃げていきます。

一方、神への賛美は礼拝音楽だけに限りません。ラビ(ユダヤ教の教師)の教えでは、主をほめたたえる理由を毎日少なくとも100個見つけ、神の愛と人生における導きに感謝することが求められます。私たちは感謝する者でしょうか、それとも不平を言う者でしょうか。人生のあらゆる良い事柄について主に栄光を帰すために、意識的に語っているでしょうか。それとも不平を言う誘惑に屈し、今の状況に不満を並べ立てているでしょうか。

共同体の一新

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三つ目の言葉です。新約聖書で「リフレッシュする」と訳されているギリシャ語には、他の人といっしょに憩いを得る、共に休息する、互いに交流することによって元気付けられるという意味を持つ言葉があります。次の聖句に含まれています。

彼らは、私の心とあなたがたの心を安らがせて(リフレッシュして)くれました。このような人たちを尊びなさい」(Ⅰコリ16:18

私はあなたの愛によって多くの喜びと慰めを得ました。それは、兄弟よ、あなたによって聖徒たちが安心を得た(リフレッシュされた)からです」(ピレモ1:7

また、神のみこころにより、喜びをもってあなたがたのところに行き、あなたがたとともに、憩いを得る(リフレッシュする)ことができるように、祈ってください」(ロマ15:32

私たちの勝利の年

2024年がどんな年になるのか、私たちには知る術がありません。ハマスとの戦争は長引くという予測もあります。イスラエル北部国境での対立が激化すれば、状況は悪化するでしょう。しかし、確かなことが一つあります。クリスチャンたちがもっと真剣に「リフレッシュ」について考えることが、かつてないほど重要になってきているということです。聖書的に言えば、これは選択ではなく指示です。イスラエルと共に立つクリスチャンが、窮地に立つイスラエルを慰め励ますという使命を全うするには、主によってリフレッシュされ、力を受けることが必須です。

あらゆることを脇に置き、神の臨在の中で休み、聖霊の御声に耳を傾け、神の愛の深さ、広さ、豊かさを理解することです。毎日神の愛を浴びましょう。

礼拝を最優先にして常に生活の一部とし、主に歌い賛美しましょう。意識して言葉を口にすることを忘れず、主への感謝を言い表し、不平を言う者ではなく感謝する者となりましょう。

最も大切なことは、自分以上に他の人のリフレッシュを考えることです。盲目的にハマスに同調する多くの人々に対して、私たちがイスラエルのために声をそろえ堂々と語る時、自分がリフレッシュされることはもちろん、私たちの証しによって数え切れない人々がリフレッシュされることになります。

今年の先行きがどれほど暗いものであったとしても、私たちクリスチャンはみことばと神の誠実さを信じ、勝利の年とするよう神から召されていると信じます。この年、優先順位を正し、無駄なことを行うのをやめ、神との時間を人生での最重要事項としましょう。本当の意味で聖霊に聴くことを学び、喜んで従う年、神の民を愛し、可能な限りあらゆる方法で援助する年としましょう。神の力が悪を圧倒し、捕らわれ人が解放され、人生が回復される年としましょう。将来振り返った時、この年が奇跡の年、ご自分の民に誠実な神の年、そして私たちの仕える神を祝い、ユダヤ人とクリスチャンが共に集まる年となりますように。この年をリフレッシュの年としましょう。

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