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プロジェクトレポート

故郷への長い道のり

文:ピーター・ファスト(BFP CEO)

ガザ地区での戦闘は今も続いています。
一方、国内避難民となっている市民の生活再建も急務です。
イスラエルは膨大な必要を抱えています。

悲しみに暮れるキブツ・ベエリの方々の避難先に家電を寄贈しました Photo by McCoy Brown/bridgesforpeace.com

かつて家々が立ち並び、今は焼け跡と化したテロ現場を、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)のリーダーたちで訪れました。そこで目にしたのは、銃弾によって切り裂かれたドア、がれきの山、爆発で散乱した破片など、生々しい傷痕です。黒焦げになった寝室を目撃し、焼けただれた肉の臭いが鼻をつきました。

ここはクファル・アザです。ガザ地区を実効支配するテロ組織「ハマス」のテロリストたちが10月7日に野蛮な攻撃を開始し、町全体が完全に破壊されてしまいました。あの凶悪事件から時がたっても、殺害された人や拉致された人、命からがら逃げ出した人々の痕跡を目にすることができます。

クファル・アザは、攻撃された多くのコミュニティーの一つに過ぎません。キブツ・ベエリ、ネティヴォット、オファキム、スデロット、ナハル・オズ、ニール・オズ、レイム、その他多くの地域がトラウマと破壊に苦しんでいます。各地域と人々の生活は永遠に変わってしまいました。かつて家族の憩いの場所であった家々は、破壊された当時のまま残され、故郷を慕う被害者たちの心は沈んでいます。

10月7日の事件を受け、約50万人のイスラエル人が、ガザ国境近くのコミュニティーや、レバノン国境沿いの北部の町々から自主避難もしくは軍によって避難を促されました。イスラエルは今、大規模な難民危機を経験しています。何十万人ものイスラエル人が、ミツペ・ラモンやベイト・シェメシュ、エルサレムなどの安全地帯に移動し、仮設住宅やホテルに滞在中です。

BFPは避難先を訪問し、すべてを失った被害者を慰め、絶望的な状況に置かれた200以上の家族に援助を届けました。特に大きな被害を受けたキブツ・ベエリの住民には、「イザヤ・プロジェクト」(クリスチャンがヘブライ的信仰を学ぶためのツールを提供し、人道支援にも取り組む団体)と協力し家電製品をお渡ししました。

彼らの将来を思うと、重苦しい気分になります。道路は破壊され、辺りは焼け野原となり、インフラや公共施設は壊滅的な打撃を受けました。さらに、何千人という人々が仕事を失い、不安を抱えています。これらの地域では、どこに目を向けても大量虐殺の記憶がよみがえります。

戦闘と再定住

イスラエルはハマスとの戦いを継続中です。と同時に、避難を余儀なくされた約18万人の南部住民を再定住させることにも尽力しています。破壊された建物を修復し、同じ事件が二度と起こらないよう各地のセキュリティーを強化します。これは膨大で途方もない任務です。故郷に戻りたいと願いながらも恐怖を覚える住民たちが、精神的に疲弊していくことも予想されます。

クファル・アザの住民であるサリットさん(仮名)は「自宅に戻り、ベッドで寝るのは怖い」と打ち明けてくれました。「そこは死の場所です。父の家に住めるかもしれませんが、修復する必要があります」。サリットさんは涙ぐみながら次のようにも告白しました。「親しい友人や隣人の多くが惨殺されました。当面の間は、この事実を受け入れるためにカウンセリングを受け、心を癒やすことに集中したいと思います」

BFPは何十年もの間、ハマスが攻撃した地域の多くで活動し、困窮者支援、防空シェルターなどのインフラ整備、貧困家庭の子どもたちへの就学支援などを行ってきました。市長、コミュニティー・リーダー、ソーシャルワーカー、教師、子どもたち、保護者とも関係を築いてきました。彼らはコミュニティーを愛し、BFPとのパートナーシップに心を注いできてくれた方々です。

しかし、悪の勢力は、これらの地域で道路を占拠し、朝の散歩や庭の水やりをしていた人々を無差別に殺し、寝室やシェルターに押し入って家族を殺し、拉致しました。被害者の方々は今まで以上に私たちの助けが必要です。

南部では今後、再定住が始まります。この原稿を書いている時点で、六つのコミュニティーの住民たちが戻り始めています。その一方、最大の被害を受けたコミュニティーでは、戻れるようになるまでに1年ないしは2年掛かるのが実情です。仮住まいとしてトレーラーハウスなどの仮設住宅が設置され、ホテルは避難者であふれ返っています。悲しみと痛みは、影のように常にそこにあります。

BFPは、被害者と密接に関わり、愛と具体的な支援を示し続けてきました。切実な必要が寄せられ続け、胸を締め付けられるような証言も聞きます。現状が落ち着かず、今なお日々誰かが命を落とす中、悲しみに暮れる家族も増え続けています。

BFPは彼らと共に最前線に立ち続けてきました。私たちは、家族の死を受け、たましいの一部が死んでしまったと感じる遺族と共に悲しんでいます。葬儀に参列し、お墓の周りで悲嘆に暮れる人々の激しいすすり泣きを聞いています。愛する人が拉致され取り乱しながらも、希望と祈りをもってその帰りを待ち続ける家族に寄り添っています。私たちが示す愛に深い感動を覚えている生存者を抱き締めています。

彼らのことを心配し、支えてくださる世界中のクリスチャンのおかげで、神の愛が一人ひとりの人生に注がれているのです。自分たちが一人ではないこと、自分たちを愛し、見守り、耳を傾け、共に立つ人々がいることを知った時、彼らは救い主の愛に包まれます。

砕け散った生活を再建しようと、長い道のりを歩き始めた人々の人生に神の光をもたらすため、ぜひ皆さんのお力をお貸しください。南部の人々が、その心を、家族を、家庭を再建するために祈ってください。そしてどうか危機基金への支援をご検討ください。今日、イスラエル南部住民たちのために、立ち上がってください!

10/7のテロ襲撃とその後の戦争による寡婦・孤児へのご支援は、「危機基金」へお願いいたします。
ご入金方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。

※銀行またはゆうちょダイレクトからの送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。

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