ホーム知る・学ぶティーチングレターバックナンバー > 子どもたちへの神の愛

ティーチングレター

子どもたちへの神の愛

文:ピーター・ファスト(BFPカナダ局長)

創造主なる神と人との関係は、親子関係に例えられています。
子に注がれる父なる神の愛ははかり知れません。
その神の愛について、イスラエルそしてユダヤ人家庭との関係から見てまいりましょう。

Photo by Jenna Solomon/bridgesforpeace.com

子どもの価値とは何でしょうか。一般的には、子どもにははかり知れない価値があると答えるでしょう。子どもを大切にしない文明は破綻(はたん)し、衰退し、滅びます。子どもが持つ将来の可能性は無限大です。それゆえに、ナチスがユダヤ人というだけで150万人もの子どもを組織的に殺害した行為は、想像を絶するほど恐ろしいことです。

弱さを抱えた子どもたちを前にすると、強い愛を持つ人は行動を起こさずにはいられないでしょう。子どもの苦しみを取り除き、命を救い、家庭に希望を取り戻し、子どもの純真さを守りたいと願うからです。BFPにはイスラエルの貧しい子どもたちに食料を届け、その健康を支える「キッズプログラム」があります。子どもたちの人生に影響を与えることは、次世代に種をまくことにつながります。

今回のティーチングレターのテーマは、神が子どもに対して持っておられる愛です。その視点に立ち、神とイスラエル、神とユダヤ人家庭との関係を学んでみましょう。

私は父親として3人の子を育てる喜びにあずかっています。子どもはハイハイをし始めると間もなく歩き出し、走り回るようになり、片言だった赤ちゃんから立て続けに質問をする幼児へと成長します。子どもには、スポンジのような吸収力があります。子どもがこんなにも早く愛情や独立心を示し、状況に順応し、怒りやいら立ちを表し、神への愛を育み始めるとは驚きでした。子宮の中で育った命がこの世に誕生し、何年も掛けて成長していく姿は、奇跡的で神秘的で超自然的です。

神が語っておられることとは?

子どもにはどんな価値があるでしょうか。私は、受精した時から子どもには絶対的な価値があると考えています。人は神の似姿に創造されているからです(創1:27)。では、神はこの問いにどう答えておられるでしょうか。鍵となるみことばを調べてみましょう。男と女を創造された後、神は彼らに「生めよ。増えよ」(創1:28)と仰せられました。人類が健全に増え広がるために神から与えられた答えが、子どもたちです。

Photo by BenWhite/unsplash.com

子どもたちは、健康な木にたわわに実る果実のようです。詩篇127篇3節には「子どもたちは主の賜物」とあります。詩篇139篇13〜14節では、子どもは「母の胎の内」で「組み立てられ」「驚くべきものに造り上げられ(た)」(新共同訳)と説明されています。孫たちは「老人の冠」(箴17:6)とたたえられ、子どもは「何かするとき、その行いが純粋かどうか、真っ直ぐかどうかを識別する」(箴20:11)と聖書は教えます。そのため、子どもを「その行く道にふさわしく教育」(箴22:6)するよう指示されているのです。つまり、子育てを放棄したりせず、しっかりと子どもの世話をし、教育する重要性がここで示されています。

ヨハネは、イエスを信じるクリスチャンたちを「神の子ども」(Ⅰヨハ3:2)と呼びました。信仰を持つ人を、父なる神の御前にいる純真無垢な子どもになぞらえています。「神の子ども」という表現は、養子とされ、親密な家族(ガラ3〜4章)に入れられたことを示します。また、イエスが子どもたちに手を置いて祝福された有名な箇所(マタ19:13〜15)は、大勢の学者が「アロンの祝祷」(民6:24〜26)だったと信じています。

最後に紹介する聖句は、イエスが発した警告です。「わたしを信じるこの小さい者たちの一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首にかけられて、海の深みに沈められるほうがよいのです」(マタ18:6)。つまり、そのような者に神が下される怒りの裁きを受けるよりは、海に沈んだほうがましだという意味です。子どもたちへの神の愛ははかり知れません。

神の子としてのイスラエル

タナハ(旧約聖書)はイスラエル国家を「イスラエルの子ら」などと表現し、子どもに例えています。聖書が示す通り、良い父である神の願いは、わが子を守り、指導し、教え、イスラエルの地を安全に保ち、羊飼いとしてイスラエルの面倒を見ることです。父なる神はご自分のことばを守られます。その一方、子どもたちは訓練を受け、行動によって自らを識別し、責任を持ち、矯正や指導を受け続けなくてはなりません。しかし、イスラエルは神に従わずに反逆し、父なる神ではない被造物の偶像を受け入れました。神はイスラエルを矯正し訓練されましたが、勘当して永久に拒絶することはありませんでした。神は依然としてイスラエルの神であり、ご自分の契約に誠実であられるのです(創17:7、ロマ11:29)。

イスラエルに対する愛のことばと厳しい愛のメッセージは、みことばの中に何度となく繰り返されています。モーセは民に対し、主をおそれ、神のことばに聞き従うよう子どもたちに教えなさいと命じました(申4:10)。イスラエルが健全な国になれるかどうかは、民と神の親密な関係にかかっていることをモーセはよく知っていたのです。

Photo by Jenna Solomon/bridgesforpeace.com

数百年後、イスラエルは主から離れ、裁きが来ようとしていました。裁きが近付いているのは、神の元に民を引き戻すためです。そのことを子どもたちに伝えなさい、と預言者ヨエルは諭しました(1:3)。モーセは、イスラエルに対する感動的なことばの中で(申32章)、神を鷲に、イスラエルを鷲のひなに例えています。母鷲は巣を揺り動かし、ひなの上を舞いかけ、自分の翼に乗せて飛び方を教えます。また、イエスはエルサレムに訪れようとしている破滅に涙しながら、エルサレムの住民を「子どもたち」に例え、「めんどりがひなを翼の下に集めるように」(マタ23:37)彼らを集めたいと願ったことを表現されました。これらのみことばは愛の表れです。神とイスラエルとの関係、そして神の永遠の契約(詩105:8〜11)を、聖書に見られる親子の比喩で補足したのです。

ユダヤ人家庭から学ぶこと

『私たちの父アブラハム』(B.F.P.Japan)の著者マービン・ウィルソンは、次のように語っています。「子どもたちは神の贈り物であり、神の祝福の表れです。社会学者や家族カウンセラーは昔から、ユダヤ人家庭を研究と模範の対象にしてきました。…聖書の時代から今に至るまで、家庭はユダヤ人にとって、強さをもたらす砦となり続けてきました」

家庭は、ユダヤ人共同体、特にディアスポラ(イスラエル国外のユダヤ人)の中で中心的存在でした。ユダヤ人が、民族の命脈を保ち、同化に抗(あらが)い、忘却のふちに埋没しないで守られてきたのは、家庭があったおかげです。ユダヤ民族が生き残ったのは信仰のゆえですが、それは家庭で形づくられました。

ウィルソンは、ユダヤ人にとって「家族」という核がどれほど大切かについて次のように語っています。「聖書的な家族観の基盤となるユダヤ教の教えでは、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)よりも家庭のほうが大切だと教えます」。家族は信仰が始まる場所であり、子どもの人生における親の役割は非常に重要です。それは健全な家族形成に欠かせません。子どもは両親を敬う必要があります(出20:12)。それによって家庭が神を敬う平和な場所となり、人生の問題や聖書的信仰について親から指導を受ける場所となります。

ウィルソンは次のように締めくくっています。「しかし、問題があったとしても、ユダヤ人家庭には存続できる確固たる理由があります。ユダヤ人家庭に安定性と不変性があったのは、聖書の価値観があったからです」。家庭はユダヤ人を団結させ、生き延びる助けとなりました。

しかし、ユダヤ人は単に生き延びたわけではありません。聖書の神に対する信仰は、目的や意味、重要性、価値を、個人にもユダヤ人国家にも与えました。ユダヤ人家庭が子どもを大切にする様子を見る時、誰もがこのような行動的真理を学び、模範とする可能性があります。その一つが「安息日順守の重要性」です。

ウィルソンは安息日についてこう述べています。「父親はシナゴーグでの祈りを終えて帰宅すると、慣習として息子と娘たちの頭の上に手を置いて、以下のような祝福の言葉を唱えます。息子たちには、『神があなたたちをエフライムとマナセのようにしますように』。娘たちには、『神があなたたちをサラ、リベカ、ラケルとレアのようにしますように。』」

これに続くのが「アロンの祝祷」です。安息日ごとに父親は子どもたちの頭の上に手を置いて子どもたちを祝福します。もし父親が毎週子どもたちを祝福したら、国家がどのように変わるか想像してみてください。桁外れに良い変化が起こることでしょう。自分は神のものであり、この人生には価値と目的があることを毎週思い起こさせることによって、どれほど大きな愛が子どもたちに注がれることでしょうか。

ここまで書いてきたことは、子どもに対する神の愛について、ほんの少し触れただけに過ぎません。神の愛はどこまでも深く、無限に広いのです。ユダヤ教とキリスト教の信仰は伝統的に共同体を立て上げ、責任感ある子どもを育て、敬虔(けいけん)な親として神の愛を子どもたちに示し、健全な家庭生活を保とうとしてきました。それは、聖書に対する愛と、神を父として考えるところから来ています。聖書信仰が存続するか否かは、子どもたちに対する神の愛を理解し、その愛を家族に伝えていくかどうかにかかっています。神の御心どおりに、子どもたちに祝福と信仰という財産を注ぎ込んでいきましょう。

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

〒182-0001東京都調布市緑ケ丘2-40-22

Tel 03-5969-9656 / Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.