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創世記の宝石 -後編-

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

前回に引き続き、創世記のディボーションガイドをお届けします。
今月は後編の4〜6章です。
聖書に隠された宝を共に掘り起こしてまいりましょう。

Photo by Berthold Werner/wikimedia

あなたの心にあるものは?
創世記4章

エデンの園を追放されたアダムとエバ。時がたち、2人に息子たちが生まれます。彼らは息子たちが神を敬うように育てたことでしょう。神に捧げ物をすることを知っていたカインとアベルは自分たちの働きの中から、カインは自分の育てた作物を、アベルは自分の管理する家畜を持ってきました。なぜ神がカインの捧げ物を顧みず、アベルの捧げ物を顧みたのかは分かりません。アベルの捧げ物が動物だったからと言う人もいますが、モーセの律法には捧げ物として穀物も動物も両方出てきます。従って、明らかにそれが問題ではありません。

神は、捧げ物を顧みられなかったことに対しカインが感情的な応答をしたことを、たしなめました。「なぜ、あなたは怒(いか)っているのか。なぜ顔を伏せているのか。もしあなたが良いことをしているのなら、受け入れられる。しかし、もし良いことをしていないのであれば、戸口で罪が待ち伏せている。罪はあなたを恋い慕うが、あなたはそれを治めなければならない」(創4:6-7

神は人の心の深みにある格闘や思いを知っておられます。従って、カインの心をご覧になったことは明らかでしょう。この物語の中心は心の動機です。カインが弟を殺害した時、既にカインの心にあった悪が白日の下に晒されたのです。

カインについてヨハネの手紙第一3章12節は次のように語ります。「カインのようになってはいけません。彼は悪い者から出た者で、自分の兄弟を殺しました。なぜ殺したのでしょうか。自分の行いが悪く、兄弟の行いが正しかったからです

神はいつでも私たちの心をご存知です。預言者サムエルに語られた通りです。「彼の容貌や背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、主は心を見る」(Ⅰサム16:7

Photo by Debby Hudson/unsplash.com

あなたの心の動機は何ですか。心を見られる主イエスはこう言われました。「わたしに向かって『主よ、主よ』と言う者がみな天の御国に入るのではなく、天におられるわたしの父のみこころを行う者が入るのです。その日には多くの者がわたしに言うでしょう。『主よ、主よ。私たちはあなたの名によって預言し、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって多くの奇跡を行ったではありませんか。』しかし、わたしはそのとき、彼らにはっきりと言います。『わたしはおまえたちを全く知らない。不法を行う者たち、わたしから離れて行け。』」(マタ7:21-23

今、私は詩篇の記者と共に祈ります。「神よ 私を探り 私の心を知ってください。私を調べ 私の思い煩いを知ってください。私のうちに傷のついた道があるかないかを見て 私をとこしえの道に導いてください」(詩139:23-24

神の似姿に
創世記5章

…神は、人を創造したとき、神の似姿として人を造り、男と女に彼らを創造された。彼らが創造された日に、神は彼らを祝福して、彼らの名を『人』と呼ばれた」(創5:1-2

人が神の似姿としてつくられたとは何と素晴らしいことでしょう。似姿とは何を意味するのでしょうか。神は霊なので、明らかに外見が似ているわけではありません。私たちに与えられたのは神の本性を映し出す性質です。考え、判断し、創造し、選択し、美しさを享受し、感情を抱いたりする能力です。人類という存在そのものが、初めから神の本性を証ししていたのです。

驚くことに神は男性と女性に、神の似姿を帯びた人間を生み出す能力を与えられました。これは神聖なる信頼によるものです。神のご計画は、子どもたちが家族の中で育まれること、すなわち男女が結婚し、結婚という守られた環境の中で子育てをすることでした。そのため、性に関する律法が、個人、家族、社会を守るために設けられました。この神のご計画が罪によって壊されたため、人々は打ちひしがれ苦悩するようになったのです。

すべての人は神の似姿につくられましたが、罪によって神の姿はたびたびゆがめられてきました。そこで受けた心の傷によって、人々は神から遠く離れてしまいがちです。このように傷ついた罪深い器から神の姿が輝き出ることはありません。

しかし、幸いなことに神には救済方法がありました。神の似姿につくられたということは、選択能力があるということです。ヨシュアは「あなたがたが仕えようと思うものを、今日選ぶがよい」(ヨシ24:15)とイスラエルの子らに告げました。神のことばに感謝します。みことばは、私たちが生きる道とイエスの十字架の御業、そして今も続く聖霊の働きについて教え、信じる者を正しい生き方へと導きます。御許に来る、打ち砕かれた人々を癒やしてくださる神に感謝します。神は彼らをもう一度、神の証人として、神の姿を世界に示す者としてくださるのです。

5章を読み終え、私はこう自問自答します。今日、どうすれば私は神の似姿を世に示せるだろうか、と。

一人の義人
創世記6章

時がたち、人は神から与えられた自由意思で自分勝手な道を選ぶようになっていきました。神の似姿を表す敬虔(けいけん)な道を選ばなかったのです。悪が増大し、神は人間をつくったことを悔やむまでになりました。「しかし、ノアは主の心にかなっていた」(創6:8)とあるように、ノアという一人の義人がいなければ神はすべてを滅ぼされていたことでしょう。

 私はウルパン(語学学校)でヘブライ語を勉強していた時、この聖句について学びました。この聖句は、現代ヘブライ語では「神は彼を好んだ」という意味になるそうです。恵みや好意を意味するヘンというヘブライ語が、聖書で初めて登場するのがこの箇所です。神がノアと同時代の人々を見渡し、恵みによって裁きから救われたのは、ノアの家族だけでした。ノアは身に余る神の好意を受けたのです。

ノアは完全な人ではなかったでしょうが、聖書には「ノアは正しい人で、彼の世代の中にあって全き人であった。ノアは神とともに歩んだ」(創6:9)と書かれています。エデンの園で神がアダムとエバと交わりを楽しみながら、共に歩んでいたことを思い巡らす時、「ノアは神とともに歩んだ」という言葉は特別な意味を持ってきます。

今日、ノアの時代と同様に多くの悪が存在します。当時と同じく神は、神との交わりの中を歩み、神の本性を反映し、神を証しする人生を送っている人を探しておられます。ノアは義を理解し、神に従っていました。神が突然、途方もない仕事を命じられた時もノアは従いました。私が子どものころによく歌っていた聖歌に、「Trust and Obey」(「御言葉なる」新聖歌316)という歌があります。主に信頼する者に主が恵みを与えることを歌ったものです。ノアはその通りに主に聞き従いました。ノアは義と正義を理解していました。それはノアが神と共に時間を過ごしたからです。ノアは神の御声に信頼し従い、神はノアが大好きでした! 私も神に好かれたいと願います。

真理を燃え立たせましょう

私のディボーションガイドを楽しんでいただけましたか。今年、BFPの聖書通読プログラムにぜひご参加ください。


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4月の通読メモ

【歴代誌第一】

今月半ばから通読が始まる歴代誌。ひたすら続くカタカナの名前、名前、名前…に、心が折れそうになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時も、「今日も誰かが同じ箇所を読んでいる」と思うと、少し背中を押す力になりますね。

歴代誌は、バビロン捕囚から帰還した後、伝承によると祭司エズラによって書かれました(歴代誌の次がエズラ記)。たくさんの系図は、70年間の捕囚以前と以後のユダヤ民族の歴史が連続していることを確認する上で、実はとても大切な意味を持っています。

帰還した民は当初、神殿と町を再建する熱い志に燃えていました。しかし、さまざまな妨害や障壁に遭い、徐々にあきらめムードが漂い、生ぬるい生活に逆戻りし始めていました。

かつてのユダ王国の歴史をエズラがこうして掘り起こしているのは、主に熱心に立ち返り続けることの重要性を、人々に思い起こさせるためだったとも言われています。ならば歴代誌は、時にくじけそうになる私たちにとっても励ましの書ですね!

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