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この危機的な時代に神は何を語っておられるのか?

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

世界中で猛威を振るった疫病は、この世の事で忙しく動き回る人々に、立ち止まって人生を思い巡らす時を与えました。
私たちも静まって、神が語っておられることに耳を傾けてまいりましょう。

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イスラエルではこの冬、例年をはるかに上回る雨が降り、悲しむべきことに、洪水が起きて亡くなられた方もいました。しかし、春が来て野の花々が地を覆い尽くすのを見て、私たちは神をおそれ、ほめたたえました。花々が咲き乱れるイスラエルの荒野は、何にも勝る驚きと喜びです。こんな光景を見たのは、ここに住み始めて以来、記憶にある限り一度だけです。この花々はどこから来たのでしょう。長い年月、不毛な荒野だけしか目に映らない間も種はそこにあって、ずっと待って、待って、待ち続けていたのです。花々が生き生きとした命を吹き込まれ、驚くほど目に麗しく咲き乱れる様子を繰り広げるのに必要だったのは、すさまじい雨期でした。人間にとっては悲惨とも思えるものが、このような美しい実りを生み出すとは信じ難いことです。

最近BFPチームで祈っていた時、これは霊的な光景だと突然分かりました。多くの点で今の世界は神の道から遠く離れ去っており、霊的干ばつを嘆くことも少なくありません。主は、世俗主義と罪深い行為という乾いた地の下に、聖書的真理の種が眠っていることを思い起こさせてくださったのです。キリスト教国家と言われ、かつて緑に覆われていた多くの地は今やひび割れた荒野のようです。アメリカでは学校での祈りを禁じ、公共の建物から十戒を取り除き、クリスマスからキリストを排除して、公の場から神を締め出そうとしてきました。堕胎を合法化し、結婚の定義も変えています。神は今のこの世界的危機を使って、私たちの心や国の中に埋もれた、乾き切った信仰の種を目覚めさせようとしておられるのでしょうか。この危機的状況の中で神が私たちの注意を引こうとしておられると私は確信しています。

では三つの聖句から考えてみましょう。

歴代誌第二7章14節

この聖句に基づく祈りが世界中で捧げられています。BFP本部のリーダーの一人は、この聖句を前後と合わせて読むことを推奨しています。当時、神殿が奉献された非常に霊的な時代。主の栄光があまりにも強く臨んだため、祭司たちは神殿に入ることができませんでした(Ⅱ歴代7:2)。「イスラエルのすべての人々は、火が下り、主の栄光がこの宮の上に現れたのを見て、膝をかがめて顔を地面の敷石に付け、伏し拝んで、『主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで』と主をほめたたえた」(3節)。民は主に捧げ物をし、7日間にわたって壮大な神殿奉献の祭りを行いました。

その夜、主はソロモンに現れ、彼に言われた。『わたしはあなたの祈りを聞き、この場所をわたしにいけにえを献げる宮として選んだ」(12節)。何と素晴らしいことでしょう。ソロモンは霊的高みにいたのです。しかし次の主のことばを聞き、ショックを受けたことでしょう。「わたしが天を閉ざして雨が降らなくなったり、あるいはわたしがバッタに命じてこの地を食い尽くさせたりして、わたしがわたしの民に対して疫病を送ったときには、わたしの名で呼ばれているわたしの民が、自らへりくだり、祈りをささげ、わたしの顔を慕い求めてその悪の道から立ち返るなら、わたしは親しく天から聞いて、彼らの罪を赦し、彼らの地を癒やす。今、わたしはこの場所でささげられる祈りに目を開き、耳を傾ける。今、わたしはこの宮を選んで聖別した。それはとこしえにわたしの名をそこに置くためである。わたしの目とわたしの心は、いつもそこにある」(13-16節。強調筆者)

世界が疫病を経験している今、神は私たちを召しておられます。神の呼び掛けに耳を傾けますか。従いますか。

へりくだる

まず、傲慢さや高ぶり、独善的な態度を捨てましょう。現代人は、神は不要であるかのように振る舞い、科学と情報がすべての答えであるかのように執拗(しつよう)に言いくるめてきました。しかし、今回の疫病は人間の不十分さを明らかにしたのです。私たちには、体と国に癒やしをもたらす神が必要です。最初のステップはへりくだりです。自分の不十分さを認め、自分は神に完全に依存していることを認めましょう。

祈る

神は祈りを通してご自分と交わりを持つよう私たちを招いておられます。今こそ祈りを捧げる時です。ヘブル暦のニサンの月の最初の日に(ニサンの月15日は過ぎ越しの祭り)、イスラエルの主席ラビはこの疫病からの神の解放を求めて断食と祈りをするようユダヤ社会に呼び掛けました。

神の御顔を求める

今は神が何を語っておられるのかを見分ける時です。ダビデ王は繰り返し主に尋ね、神の導きを受けました。これまで以上に、神が語っておられることを知る必要があります。私たちは、神のことばに耳を傾ける意図をもって、注意深く聴かなければなりません。

悔い改める

ヘブライ語で悔い改めはティシュバーと言い、文字どおりの意味は「向きを変える」です。単に「すみません」と言うのではなく、180度神に向き直り、罪を離れることです。イエスは姦淫の現場で捕らえられた女性に「行きなさい。これからは、決して罪を犯してはなりません」(ヨハ8:11)と言われました。これは「悔い改めなさい。これからは、決して罪を犯してはなりません」という意味だったに違いありません。

詩篇46篇

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神は われらの避け所 また力。苦しむとき そこにある強き助け。それゆえ われらは恐れない。たとえ地が変わり 山々が揺れ 海のただ中に移るとも」(1-2節)。この美しい聖句は困難な時に確信を与えてくれます。続く説明は、今日の世界が経験している苦悩によく似ています。「国々は立ち騒ぎ 諸方の王国は揺らぐ。神が御声を発せられると 地は溶ける」(6節)。この詩篇は「『やめよ。知れ。わたしこそ神。わたしは国々の間であがめられ 地の上であがめられる。』万軍の主はわれらとともにおられる。ヤコブの神はわれらの砦である。セラ」(10-11節)と締めくくられています。

ソーシャルディスタンスで孤独になった人々は「静まろう」としているでしょうか。私たちはへりくだりと悔い改めをもって神の御顔を求めているでしょうか。神は明確に御心を示し、全地の上であがめられることを望んでおられます。国々が神の御声をはっきりと聞くことができるように祈ります。

ハガイ書2章

ハガイは、バビロン捕囚から帰還して新たに建てられた神殿が、栄光に満ちたソロモン神殿と比べて、貧弱な写しに過ぎなかったので、幾分失望したようです。「あなたがたの中で、かつての栄光に輝くこの宮を見たことがある、生き残りの者はだれか。あなたがたは今、これをどう見ているのか。あなたがたの目には、まるで無いに等しいのではないか」(ハガ2:3)。民はこの時、神の栄光が力強く現れた神殿奉献の話(Ⅱ歴代7章)を思い出したことでしょう。

続く4節で、預言者ハガイは「強くあれ」(別の訳では「勇気を出せ」)と三度繰り返し、政治的、宗教的指導者と民を励ましました。ヘブライ語では「チャザク」と言い、「強固になる、勝る、強健になる、強い、強くなる、勇敢になる、堅固な、堅固になる、毅然(きぜん)とする」ことを意味します。

神が民に「強くあれ」(4節)、何より「恐れるな」(5節)と言われたのは、恐ろしく困難な出来事が起ころうとしていたからです。神は、民が恐れで動けなくなることを望まず、「仕事に取りかかれ」と言われました。次に、何と書かれているでしょうか。「まことに、万軍の主はこう言われる。『間もなく、もう一度、わたしは天と地、海と陸を揺り動かす。わたしはすべての国々を揺り動かす。すべての国々の宝物がもたらされ、わたしはこの宮を栄光で満たす。―万軍の主は言われる―銀はわたしのもの。金もわたしのもの。─万軍の主のことば─この宮のこれから後の栄光は、先のものにまさる。―万軍の主は言われる―この場所にわたしは平和を与える。─万軍の主のことば。』」(ハガ2:6-9)。今日のように世界中が揺り動かされる状況はめったに体験できません。

心を探る

ユダヤ人も今、自分の心を探り、神が語っておられることを理解しようとしています。次の記事は、フェイスブックでヘブライ語でシェアされたものです。

「自然を当然だと思っていた。でも今、家を出ることができない。
両親を尊敬していなかった。でも今、直接会うことができない。
教師を軽く扱ってきた。でも今、学校は閉じている。
要らない物にお金を浪費してきた。でも今、ショッピングモールは閉店している。
余分に車を持っている。でも今、道路は空っぽ。
他人と本当のつながりを持つのをやめてきた。でも今、隔離されている。
外面的な美を大切にしてきた。でも今、顔はマスクで覆われている。
明日がないかのように生き続けることはできない。もしそうするなら、明日は来ないだろう。
立ち止まって自分の人生を考えよう。このウイルスがやり直しのチャンスを与えてくれたから」

神は何と語っておられるか

今回取り上げた全聖句が強調するのは神の栄光であり、神を認め、あがめるべきだということです。時間を取って神の前にへりくだり、神を求め、神の臨在の中で静まり、悔い改めて罪から立ち返りましょう。歴代誌第二7章14節には、神が地を癒やすために必要なものが挙げられています。

神は国々に、ご自分が神であることを知ってほしいのです。信仰の種は、乾き切った荒野のような心に埋まっているかもしれません。でも残っています。この困難が荒野に花を咲かせる冬の雨となりますように。神への信仰がわき出ますように。「まことに、水が海をおおうように、地は、主の栄光を知ることで満たされる」(ハバ2:14)と語られているように、神が全地の上で知られるようになりますように。

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