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ティーチングレター

イスラエルを支援するみことばの土台 -前編-

TEXT: ジム・ソルバーグ [BFPアメリカ合衆国局長]

私たちクリスチャンが、イスラエルを支援し、彼らのために祈るみことばの土台は何でしょう。政治的でも、人道的理由でもなく、ただ神のみことばによる理由とは、どのようなものでしょうか。今月から二回に分けて、イスラエルを支援する聖書的土台を探ってまいりましょう。

聖書の中の「イスラエル」

神とイスラエルの間にある特別な関係を、聖書の中に見てみましょう。「イスラエル」という語は、聖書に2,300回以上登場します。それに対して、「罪」は380回、「愛」は280回出てきます。

聖書の中で、「イスラエル」という語より多く使われているのは、「神」を表すさまざまな名前だけです。この事実は、神のイスラエルに対する関心の高さを表しています。また、神がご自身のものとして選ばれたイスラエルの地と、イスラエルの人々について、私たちに理解してほしいという願いの表れでもあるのではないでしょうか。

それではイスラエルを支援する根拠となるみことばについて学んでいきましょう。どうか聖書を開いたままにしてください。そして、ぜひ皆様の心も開いたままにしてください。

クリスチャンはイエスがメシアであると信じています。と同時に、私たちは神が真実な方で、ユダヤ人への約束(契約)を守り続けられる方であることを信じています。ユダヤ人は歴史的に神に反抗し、偶像礼拝を繰り返してきました。また、イエス・キリストを受け入れることができず、大きな罪も犯しました。しかし、彼らがどのような行いをしたとしても、神の愛は決して彼らから離れず、その契約が取り消されることもありませんでした。このように、神がご自身のことばに対して誠実であるということは大きな励ましです。私たちもイスラエルの民と同様、罪に陥りやすい者だからです。

創世記9章8節から16節を見てみましょう。「神はノアと、彼といっしょにいる息子たちに告げて仰せられた。『さあ、わたしはわたしの契約を立てよう。あなたがたと、そしてあなたがたの後の子孫と。また、あなたがたといっしょにいるすべての生き物と。鳥、家畜、それにあなたがたといっしょにいるすべての野の獣、箱舟から出て来たすべてのもの、地のすべての生き物と。わたしはあなたがたと契約を立てる。すべて肉なるものは、もはや大洪水の水では断ち切られない。もはや大洪水が地を滅ぼすようなことはない。』さらに神は仰せられた。『わたしとあなたがた、およびあなたがたといっしょにいるすべての生き物との間に、わたしが代々永遠にわたって結ぶ契約のしるしは、これである。わたしは雲の中に、わたしの虹を立てる。それはわたしと地との間の契約のしるしとなる。わたしが地の上に雲を起こすとき、虹が雲の中に現れる。わたしは、わたしとあなたがたとの間、およびすべて肉なる生き物との間の、わたしの契約を思い出すから、大水は、すべての肉なるものを滅ぼす大洪水とは決してならない。虹が雲の中にあるとき、わたしはそれを見て、神と、すべての生き物、地上のすべて肉なるものとの間の永遠の契約を思い出そう。』」(強調筆者)。

今日、どの教会でも日曜学校でも、虹は神がノアとの間に立てた契約のしるしであるということを学んでいます。そして空に虹を見るたびに、神が契約を成就される誠実なお方であることを覚え、励まされています。

アブラハムの生まれ故郷と言われる
ウル(現在のイラク)のジッグラト(聖殿)の遺跡

土地の契約

神はイスラエルの国を回復し、ユダヤ人を世界中から集めると約束されました。その約束通り、約二千年の離散の歴史を経て、ユダヤ人が約束の地に連れ戻されています。神の契約に対する誠実さを、今私たちはこの肉眼で見ているのです。

では、神とイスラエルとの約束とはどのようなものだったのでしょうか。

「その後、主はアブラムに仰せられた。『あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。
あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。』」( 創世記12:1-3)。

この箇所から二つの点に注目してください。 第一に、神はアブラハムに、神が示す特定の地へ行くように命じられました。第二に、もし、アブラハムが神の命令に従って特定の地へ行くことを決断するなら、「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。」(創世記12:3)という契約を結ぼうと神はおっしゃっています。

豊かに増え広がったアラブ諸国(緑)、黄色はイスラエル

アブラハムの死後、数千年が経過している今日、この契約は私たちにどのように適用されるのでしょうか。もし、祝福を得たいと望むなら、このみことばを理解することは非常に重要です。アブラハムの子孫であるイスラエルを祝福する時、神は私たちに祝福をもたらすとおっしゃっています。

さらに、神はアブラハムに特定の地を与えると約束をしておられます。特定の地とはどこなのでしょうか。「その日、主はアブラムと契約を結んで仰せられた。『わたしはあなたの子孫に、この地を与える。エジプトの川から、あの大川、ユーフラテス川まで。ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、ヘテ人、ペリジ人、レファイム人、エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人を。』」(創世記15:18-21)

「わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなたとあなたの後のあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」(創世記17:8、強調筆者)。

現代において議論の的となっているイスラエルの地は、この約束以来、主がアブラハムとその子孫に与えることを約束されているという事実が浮かび上がってきます。

二人の息子

創世記17章18-20節でアブラハムは、この契約がイシュマエルにも適用されるかどうかを、神に尋ねています。

「そして、アブラハムは神に申し上げた。『どうかイシュマエルが、あなたの御前で生きながらえますように。』すると神は仰せられた。『いや、あなたの妻サラが、あなたに男の子を産むのだ。あなたはその子をイサクと名づけなさい。わたしは彼とわたしの契約を立て、それを彼の後の子孫のために永遠の契約とする。イシュマエルについては、あなたの言うことを聞き入れた。確かに、わたしは彼を祝福し、彼の子孫をふやし、非常に多く増し加えよう。彼は十二人の族長たちを生む。わたしは彼を大いなる国民としよう。』」(強調筆者)。

アラブ人(左)とユダヤ人(右)

ここには、イシュマエルにも祝福を授けるとあります。このおことば通り、イシュマエルの子孫は今やイスラエルを囲む20カ国を統治しています。世界に知られる石油備蓄国の3分の2がそこに含まれています。実に、豊かに祝福されたと言えるでしょう。しかしそれは、神がアブラハムと交わした契約を通しての祝福ではありません。

後に、創世記26章2-5節において、神はイサクに直接現れ、アブラハムと交わした契約を再確認しています。「主はイサクに現れて仰せられた。『エジプトへは下るな。わたしがあなたに示す地に住みなさい。あなたはこの地に、滞在しなさい。わたしはあなたとともにいて、あなたを祝福しよう。それはわたしが、これらの国々をすべて、あなたとあなたの子孫に与えるからだ。こうしてわたしは、あなたの父アブラハムに誓った誓いを果たすのだ。そしてわたしは、あなたの子孫を空の星のように増し加え、あなたの子孫に、これらの国々をみな与えよう。こうして地のすべての国々は、あなたの子孫によって祝福される。これはアブラハムがわたしの声に聞き従い、わたしの戒めと命令とおきてとおしえを守ったからである。』」

ここで神はアブラハムに対する契約を、イサクに継承することを宣言されました。神は特定の民族と特定の土地を選ばれ、全人類に祝福をもたらそうと計画されました。その計画通り、アブラハムの子孫としてイエス・キリストがお生まれになり、罪の贖いを完成されました。また、この民族が書き残した聖書が、私たちに日々の霊的糧と恵みをもたらしています。

イサクが継承した契約はどうなったのでしょうか。イサクからヤコブに継承されました。しかしイサクには息子が二人いました。エサウとヤコブです。契約はヤコブだけに適用され、エサウには適用されませんでした。なぜエサウには適用されなかったのでしょうか。主は、そうした疑問が私たちの中に沸くことを、あらかじめご存知だったようです。「こうしてヤコブがパダン・アラムから帰って来たとき、神は再び彼に現れ、彼を祝福された。神は彼に仰せられた。『あなたの名はヤコブであるが、あなたの名は、もう、ヤコブと呼んではならない。あなたの名はイスラエルでなければならない。』それで彼は自分の名をイスラエルと呼んだ。神はまた彼に仰せられた。『わたしは全能の神である。生めよ。ふえよ。一つの国民、諸国の民のつどいが、あなたから出て、王たちがあなたの腰から出る。わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、あなたに与え、あなたの後の子孫にもその地を与えよう。』」(創世記35:9-12)

こうして、イスラエルの国と民族がかかわるこの契約は、明確にアブラハムからイサクに、イサクからヤコブに、そしてヤコブの後の子孫であるイスラエルへと継がれていきました。

前半ではアブラハムに対する神の契約が、神のご誠実さ故に、今なお有効であることを学びました。次号では、この契約がどのような性質のものなのか、また、この契約が果たして本当に守られているのかを歴史を通して検証していきたいと思います。

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