ティーチングレター

平和の探求 -後編-

レベッカ・J・ブリマー/BFP国際会長

神が私たちに持っておられる計画は恐れではない

聖書の中で、「恐れるな」と繰り返し主は私たちに語っておられます。これらの聖書箇所を黙想してみましょう。

「強くあれ。雄々しくあれ。彼らを恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの神、主ご自身が、あなたとともに進まれるからだ。主はあなたを見放さず、あなたを見捨てない。……主ご自身があなたの先に進まれる。主があなたとともにおられる。主はあなたを見放さず、あなたを見捨てない。恐れてはならない。おののいてはならない。」(申命31:6、8)

その当時、ヨシュアとイスラエルの子どもたちは、まさに今日イスラエルが直面しているのと同様の戦いに直面していました。それはテロとの戦いです(イザヤ41:10)。また、イエスが弟子たちに言われた最後の言葉の一つに、「……見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイ28:20b)というものがあります。私たちはイエスが共におられるという事実に、確信を持ってとどまることができます。それは、私たちが困難に直面しないという意味ではありません。主はこのようにも言われています。「……あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」(ヨハネ16:33b)

神は、私たちが問題に直面しないとは語っておられません。むしろ困難があると明言されています。その中にあって、勝利を収められたイエスご自身が、信じる者と共におられることを約束されているのです。(イザヤ43:1b、2

どのように恐れに打ち勝つのか 

人生で遭遇する恐れに打ち勝つ4つの方法を分かち合いたいと思います。

1.神のことばの中にある真理を知る

みことばの約束を十分理解していないとき、私たちは恐れに対し十分な防御をすることができません。神のことばを学ぶことは、恐れから救出されるための第一歩です。みことばを知らなければ、誤った方向に向かってしまいます(マタイ22:29)。神の約束を聖書の中に探し、黙想してください。それらがあなたに実現するように主に尋ね求めてください。神のことばは、受け入れる人々にとっては命です。まずはぜひ、詩篇の91篇23篇から読んでみてください。

2.神を知り、神に信頼する

聖書は、神は愛であり、哀れみ深く、また慈悲深いと言っています。しかし、私たちがそのことを頭だけではなく心で理解するまでは、恐れや不信仰、主に信頼できない思い、不安の奴隷となり続けるのです。(Ⅰヨハネ4:18)神の愛以上に完全な愛はありません。神の愛の啓示は私たちの人生を一変させます。神はあなたの髪の毛の数までご存知であり、あなたを愛しておられます。そして、神は愛そのものであり、あなたの人生から恐れを取り除きたいと願っておられます。神は愛によって私たちを完全にしたいと願っておられるのです。思い出してください。神は恐れの創始者ではありません。「神が私たちに与えてくださったものは、おくびょうの霊ではなく、力と愛と慎みとの霊です。」(Ⅱテモテ1:7)子どものころ、おびえる私に母はよく箴言3章5節から6節を引用してくれました。「心を尽くして主に拠り頼め。自分の悟りにたよるな。あなたの行く所どこにおいても、主を認めよ。そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。」  神を知り、神を愛し、私たちへの神の愛を理解するとき、神が私たちを守り心配してくださることに信頼を置けるようになります。

3.神に恐れと不安を明け渡す

聖書の中で繰り返し、神は恐れや不安をご自身に明け渡すようにと教えておられます。私たち人間は、判断する能力、問題を解決する能力、豊かに考える能力を持つ者として神の姿に似せて創造されました。それゆえ、私たちは自分たちの人生を自分自身で操縦できると考える罠に掛かってしまいます。しかし神は私たちに、「神の方法で行動するように」と語っておられます。ここ数カ月、私の心と祈りの中で、神にすべてを明け渡すという思いがたびたび湧き起こっています。神の方法は私たちが対処する方法に比べ、はるかに良いものです。詩篇の著者は歌っています。「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。……私が若かったときも、また年老いた今も、正しい者が見捨てられたり、その子孫が食べ物を請うのを見たことがない。……まことに、主は公義を愛し、ご自身の聖徒を見捨てられない。彼らは永遠に保たれるが、悪者どもの子孫は断ち切られる。」(詩37:5、25、28)「正しい者の悩みは多い。しかし、主はそのすべてから彼を救い出される。」(詩34:19)「ですから、あなたがたは、神の力強い御手の下にへりくだりなさい。神が、ちょうど良い時に、あなたがたを高くしてくださるためです。あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからで す。」(Ⅰペテロ5:6、7)

4.思いと考えを制御する

恐れとは、しばしば否定的な思いから生み出され、起こり得るあらゆる不吉なことを想像させます。そして時にはそれが現実となります。箴言のこの箇所について考えてみてください。

「悪者は追う者もないのに逃げる。しかし、正しい人は若獅子のように頼もしい。」( 箴言28:1)私たちは、恐れをもたらす状況や想像に振り回されるのではなく、神を見上げることを選択しなければなりません。

また同時に、自分の思いや考えを制御する必要もあります。「私たちは肉にあって歩んではいても、肉に従って戦ってはいません。 私たちの戦いの武器は、肉の物ではなく、神の御前で、要塞をも破るほどに力のあるものです。私たちは、さまざまの思弁と、神の知識に逆らって立つあらゆる高ぶりを打ち砕き、すべてのはかりごとをとりこにしてキリストに服従させ、」(Ⅱコリント10:3-5)これには継続的な努力が必要です。最初は心に浮かぶ否定的な思いを制御できないかもしれませんが、その思いに気付いたらすぐに切り替えることが必要です。そして、徳となることや信仰的な良いもので心を満たすように、注意を払う必要があります。さらに、聖書に書かれている素晴らしい御業や、神が過去にしてくださったすべての良きことを思い出すことも有益です。賛美とワーシップソングの中で、みことばにどっぷりと浸る時間を持つことも大切です。

日常の些細なことに心を奪われないように気を付ける必要もあります。私たちが何に心を向けるかを慎重に考えることは重要なことです。

今、真剣に恐れに取り組む

最近、私はヨハネの黙示録にある、新しい天と新しい地に関する箇所を読んでいます。打ち勝つ者には素晴らしい約束が用意されていますが、それに含まれない人々のリストを見て私は衝撃を受けました。「彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである。……勝利を得る者は、これらのものを相続する。わたしは彼の神となり、彼はわたしの子となる。しかし、おくびょう者、不信仰の者、憎むべき者、人を殺す者、不品行の者、魔術を行なう者、偶像を拝む者、すべて偽りを言う者どもの受ける分は、火と硫黄との燃える池の中にある。これが第二の死である。」(黙示21:4、7、8)

先月号で私は、恐れが罪であるという大胆な意見を述べました。憶病者と不信仰な人々が、殺人者や偶像礼拝者と同列に書かれていることに注目してください。今、クリスチャンがこのことを真剣にとらえ、私たちに神の平安を与えていただけるように、神に求める時です。「何も思い煩わないで、あらゆるばあいに、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。最後に、兄弟たち。すべての真実なこと、すべての誉れあること、すべての正しいこと、すべての清いこと、すべての愛すべきこと、すべての評判の良いこと、そのほか徳と言われること、称賛に値することがあるならば、そのようなことに心を留めなさい。」(ピリピ4:6-8)

平安―シャローム

「シャローム」というヘブライ語の持つ言葉の意味は、「平和、全体の、完全な、完成した、安全」などです。それは、神が神の民に対して願われていることです。この真の平和が私たちに完全に安全な場所をもたらし、その結果、私たちの心は神を知り、神を愛し、神を信頼するようになります。そして私たちは、神が与えてくださるシャロームの中を歩むことができるのです。

私たちの毎日は問題が山積しています。多くの人が終わりの時代に生きていると信じており、将来は本当に不確実です。このような時代に私たちの人生を全能の神に明け渡し、主なる神に委ねることは、今まで以上に重要なことです。神は、神の民のためにお立てになった良い計画について語っておられます。

「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。―主の御告げ。―それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。」(エレミヤ29:11-13)

祈り、心から神を慕い、呼び求める決断をしましょう。神の子どもたちを愛する全能の神に希望を持つことが、危機に満ちたこの時代に生きる私たちの神への応答ではないでしょうか。

イエスは、「シャローム(平安)」という言葉を用いて、弟子たちに次のように言われ、勇気付けられました。「わたしは、あなたがたに平安を残します。わたしは、あなたがたにわたしの平安を与えます。わたしがあなたがたに与えるのは、世が与えるのとは違います。あなたがたは心を騒がしてはなりません。恐れてはなりません。」(ヨハネ14:27)

聖書全体を通して、神のメッセージは明確に語られています。神は、私たちの心を神に向けるようにと願われています。そうすれば、シャロームという賜物を私たちに与えることができるからです。しかしその選択権は私たちにあります。今回の学びを、ローマの信者たちを励ました使徒パウロの言葉で結びます。

「どうか、望みの神が、あなたがたを信仰によるすべての喜びと平和をもって満たし、聖霊の力によって望みにあふれさせてくださいますように。」(ローマ15:13)

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