ハイメール通信

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ハイメール通信No.830　2023.12.20
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世界の反ユダヤ主義と帰還
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世界のユダヤ人社会が、ホロコースト以来経験したことのないほどの反ユダヤ主義に直面しています。特にアメリカの反ユダヤ主義の状況は深刻で、名誉毀損防止同盟（ADL）の報告によれば、10月7日（ハマスのテロにより戦争が始まった日）から2カ月間で、2031件の反ユダヤ事件が記録されました。調査が開始された1979年以来、未曽有の数です。ユダヤ人社会の中で暮らし、ユダヤ人に囲まれていても家の外に出ることを恐れる人が増えています。

中でも懸念されるのが、大学が反ユダヤ主義の温床となり、若い世代の間でハマスの支持率が高いことです。開戦以来、特にアイビーリーグと呼ばれるアメリカの8つのエリート大学のキャンパスでは、ユダヤ人学生が身の危険を感じるほどの嫌がらせや身体的圧迫、言論が飛び交っています。最近の世論調査では、18〜24歳の51％が、この戦争を終わらせる方法は「イスラエルを無くして、ハマスにイスラエルを支配させること」だと回答。また53％が「キャンパス内でユダヤ人大量虐殺を呼び掛ける自由がある」と回答しました。

アメリカのキャンパス内の反ユダヤ事件の頻発は、以前から懸念されていました。その主な原因はパレスチナ側のSNSなどを通じたプロパガンダやユダヤ陰謀論が流布していたことが挙げられます。しかし大学側は長年それを黙認してきました。そして今、学内で反ユダヤ主義が荒れ狂う中、ユダヤ人学生が改善を求めても大学側は具体的な措置を取っていません。これについて12月初めに米議会で公聴会が開かれ、ハーバード大学など3校の学長が呼ばれました。質疑の中で、「ユダヤ人の大量虐殺を呼び掛けることは、大学の行動規範に反するか？」という問いに対し、学長らは3人とも「それは発言の文脈や状況による」「実際に行動（虐殺行為）に及べば…」などと終始言葉を濁し続けました。是か非かで答えるよう促されても、最後まで明言を避けました。アメリカを代表し、国をリードする人材を輩出すると思われている大学が「大量虐殺の呼び掛け」自体は規律違反ではないと、容認する姿勢を貫いたのです。

長年、アメリカのユダヤ人社会は安全でした。しかし今、こうした反ユダヤ主義の高まりを背景に、イスラエルへの帰還を希望する人々が倍増しています。離散社会の最後の砦とも言われたアメリカからの帰還の増加は、時代が聖書預言の成就にまた一歩近付いたことを示しているとも言えます。

反ユダヤ主義は欧州でも深刻化しています。離散社会が守られるように、またこれ以上激化しないうちに世界中のユダヤ人がイスラエルに帰還できるように、祈りましょう。また、盲目的な反ユダヤ主義から人々が解放されるように。そして私たちも、目を覚まし、御心にかなった祈りを捧げ続けることができますように。

「恐れるな。わたしがあなたとともにいるからだ。わたしは東からあなたの子孫を来させ、西からあなたを集める」（イザ43：5）

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