ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 281 イスラエル南部、ガザの危機が完全に収束するように
8月18日、イスラエルで連続テロが発生しました。観光でエイラットへ向かう満員のバスが銃撃され、続いて、エジプトとの国境をパトロールしていたイスラエル軍へ、時限爆弾やロケット弾によるテロが起こりました。さらに連続的にエイラットへ向かっていた別のバスと車両が銃撃され、バスの運転手と車に乗っていた4人が亡くなりました。別の車に乗っていて胸に銃撃を受けた女性は、テロリストが本当に死んだかどうかを確かめに来た場合に備えて、1時間近く死んだふりをしていました。この現場では実際に、すでに亡くなっている遺体を、きちんと死んでいるか確認するために銃撃を加えるテロリストの姿が目撃されています。このテロによって8人が死亡。40人以上の負傷者が出ました。イスラエル軍はすぐさまテロリストへの応戦を開始。それに対して、ガザから数十発のロケット弾などミサイルが次々とイスラエル南部の町に打ち込まれ、ベエルシェバで1人が死亡。数十名の負傷者が出ました。応戦するイスラエルはガザ地区のミサイル発射地点などを空爆。ガザ地区でもテロリストの幹部数名が死亡、負傷者が出ました。
着弾した武器を見ると、エジプトのムバラク政権崩壊後、シナイ半島の治安悪化により、これまでにガザ地区には入っていなかったような飛距離の長い、高性能の武器が豊富に入っていることがわかります。それを迎撃システム(アイアンドーム)に捕まらないように、同時に何発も発射するなどの攻撃方法を使っているため、ミサイルを迎撃できないケースが増えています。さらに多くの迎撃システムの追加配備が急がれます。
ガザ地区を実効支配する国際テロ組織ハマスは、停戦合意を破棄すると宣言したり、休戦すると宣言したり、さまざまな戦略を用いてイスラエルを翻弄・挑発しようとするかのようです。9月の国連でのパレスチナ国家採択のために、イスラエルを不利な立場に置き、国際社会の支持を得るためです。ネタニヤフ首相はイスラエルの立場を考え、地上軍の投入など大規模な軍事行動はせずに、でき得るすべてのことをしてこの戦闘を収束させたい考えですが、南部の町に住む100万人の市民が、またいつ飛んでくるかわからないロケット弾攻撃やテロの危機にさらされている中で、どのように舵を切っていくのか、知恵が求められています。
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