ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 235 B.F.P.Japan局長高田篤美現地レポートより
被災地への往復で東北自動車道のインターへ立ち寄ると、喪服を着た人たちと一緒になることが何度もありました。また被災地近くの津波の難を逃れた町々を通過する時、たくさんの葬儀の看板を目にしました。レストランで一緒になった方は、「毎日喪服を着てる感じよ。今日は○○さんの葬儀、明日は○○さんの納骨って…。」と、ため息混じりに語っていました。これまで、これほど多くの葬儀を一度に目にしたことはありませんでした。
しかし未だ葬儀さえできない方々も大勢います。「親父に障害があったから、とにかく親父を助けようとがんばっている間におふくろが流されちゃったの。親父も避難所まで何とか連れてきたけど、結局肺炎で2日目に亡くなった。あの時、おふくろを助けられなかったことが悔やまれて悔やまれて…。 幸いその後すぐに遺体が見つかって・・。葬式がいつ出せるかはわからないけど、俺は二人が手元に戻って来たから、ありがたいと思わなくちゃなんねえ。」と、少しでも幸いなことを探し出して、自分を励まそうとしているかのように語ってくれました。こうした話しを、避難所で何人から聞いたかわかりません。
失った子どもを、失った妻や夫、そして親を待ち続けている人々がいます。遺留品やDNA鑑定なども丁寧に行われていまが、未だに約12,000人が行方不明のままです。
遺族には遺体の写真を検閲することが許されていますが、一枚一枚の写真が余りにも凄惨で、確認は困難を極めています。「どのような状態であっても会いたい」というご遺族の思いは、日に日に増すばかりです。こうしたご遺族の身になってご遺体と日々向き合う自衛官や警察官の働きのためにも、私たちの日々の祈りが必要です。
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