ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 171 大量の武器発見
イスラエル周辺の地中海で大量の武器をイランからシリアに運ぼうとしていた大型輸送船をイスラエルの海軍が拿捕しました。
武器は、ヒズボラやハマスに引き渡されていたものと推測されています。また、核問題においてイラン政府とオバマ政権の間に緊張が高まっています。
パレスチナ自治政府のアッバス議長が、次期選挙に出馬しないと発表しました。次に立つ穏健派の指導者はおらず、懸念の声があがっています。
西岸地区に住むユダヤ人で15年にわたって殺人などの犯罪を繰り返していた男が逮捕されました。テロと思われていた事件の中にもこの男によるものもありました。
あかりを持って来るのは、枡の下や寝台の下に置くためでしょうか。燭台の上に置くためではありませんか。
隠れているのは、必ず現れるためであり、おおい隠されているのは、明らかにされるためです。(マルコ4:21)
11月4日、イスラエル沿岸の地中海にて、イスラエル海軍が、大型輸送船フランコップ(8600トン)を、イスラエル沿岸180Kmの地点で拿捕しました。
船には320トンの武器(カチューシャロケット3000、迫撃砲9000、手榴弾20000発など)が満載されていました。
これは2001年にイランからガザへ向けて輸送ようとして押収された輸送船カリンAが積んでいた武器の10倍にあたります。
フランコップの荷物は、レバノンのベイルートを経由してシリアへ搬送されることになっていました。乗組員は、それが武器であったことを知らないで輸送していたということです。
押収された大量の武器は、40ヵ国の代表団と27の軍関係団体を招いて公表されました。
2001年12月 | カリンA イランからガザ地区へ 対戦車砲など |
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2003年12月~2004年1月 | イランからヒズボラへ武器の空輸 イランのバムでおこった地震の人道支援物資空輸にみせかけて武器を輸送機に乗せて空輸していた |
2007年5月 | イランから鉄道で運ばれていた武器(迫撃砲など)をトルコが押収。ヒズボラ行き。 |
2009年1月 | イラン船籍で戦車やロケット弾作成に必要な物資を運ぼうとしていた輸送船がキプロスで拿捕 |
2009年10月 | イランからエジプトへドイツの旗を掲げて出帆した輸送船を、ドイツの警告を受けてマルタで拿捕。 |
ヒズボラは先月もイスラエル北部へ向けてカチューシャロケットを撃ち込みました。
南レバノンでは、一般家屋にロケット弾が装備されているのが見つかっています。
もしイスラエルがベイルートを攻撃するようなことがあれば、ヒズボラは、「すでにイスラエルの都市すべてを攻撃できるミサイルを保有している。テルアビブを攻撃する」と豪語しています。
IAEA(核拡散防止機構)は、イランが保有する低濃縮ウランの一部を国外で再濃縮・燃料化することを提案しています。これにより、イランが低濃縮ウランを核兵器なみの高濃度にすることを防止することができます。
しかしイランは、これを拒否し続けています。これに対し米オバマ大統領、露メドベージェフ大統領が「限界に近づきつつある」との共同見解を発表しました。イラン側は、「オバマ大統領はブッシュ前大統領となんらかわりないと」と反論しています。
ヒズボラに武器を流しつづけているシリアですが、イスラエルとの和平交渉を望むという態度を示し続けています。ネタニヤフ首相は、今回、交渉を受けることを示唆しました。
しかしこれまで仲介に立っていたトルコは、イスラエルとの対立が公になっていて現在仲介に立つことができなくなっているので、フランスが仲介に立つ可能性を語っています。
現在、イスラエルとパレスチナ自治政府の和平交渉は、イスラエルの入植地建設問題で頓挫しています。
そんな中、パレスチナ自治政府のアッバス議長が、PLOの中央選挙委員会に対して1月に予定されている議長選に出馬しないと表明しました。
アッバス議長以外に穏健派で影響力のある指導者は今のところ残されていません。
ファタハ党が次期指導者として押し出してくるのはマルワン・バルグーティ(現在イスラエルにテロ首謀者として身柄を拘束中)になる可能性もあります。
*バルグーティは、シャリートさん返還のための交換者リストに上がっています。
アッバス議長は、アメリカが最近になって、入植地問題の解決なしに和平交渉再開の圧力をかけていることについて、「アメリカはイスラエルに有利に動いている。アメリカにだまされた」とコメントしています。
和平交渉に希望がもてなくなったのを受けて、パレスチナ自治政府が、イスラエルの合意なしに、一方的に、西岸地区、ガザ地区、東エルサレムを領地とするパレスチナ国家の単独独立宣言をする可能性がでてきています。
現在、自治政府のファヤッド首相が積極的に国連や、ヨーロッパ連合に独立宣言への同意を求め始めています。
しかし、パレスチナが単独独立宣言するとみられる地域にはユダヤ人50万人とそれを警護するイスラエル軍が駐留しています。
独立宣言がどこまで実効性があるかは疑問です。事実パレスチナ人は1988年に、単独独立宣言を行い、支持した国々もあったのですが、実際は何もおこりませんでした。
ハマスは、この単独独立宣言案について「なぜ本来はパレスチナの土地を20%程度で満足するのか。どうせ独立宣言をするなら地中海まで全部の範囲で宣言せよ、」と言っています。
パレスチナの単独独立宣言に対し、イスラエル側では、西岸地区の入植地を、先にイスラエル領地としてとりこんでしまう案が出ています。しかし、一方的に独立を宣言したり、一方的に領地をとりこむ宣言をすることがばかげているとの案もあります。
ネタニヤフ首相は、パレスチナ側に対し、「交渉のための交渉はしたくないが、和平交渉のテーブルにすぐにつくように」と要請しました。
2008年に西岸地区に住むメシアニック・ジューのオリッツさんの息子が、プリムの贈り物の中に仕掛けられた爆弾で重症を負いました。その犯人テイテルが逮捕されました。
逮捕されるまでの過去15年間に、パレスチナ人家屋に爆弾を仕掛けたり、毒入りジュースをパレスチナ人の家に置くなどして、5人のパレスチナ人を殺害したとみられています。さらに、”律法に反している”同性愛者への憎しみから、ゲイ・パレードを警護していた警察官を襲撃していました。最近おこったテルアビブでのゲイ・ユース・クラブでの射殺事件にも関与した疑いがあります。
テイテルの動機は、律法に反すると見られるゲイやメシアニック・ジュー、イスラエル国家を脅かすパレスチナ人への憎しみです。
裁判においてテイテルは「神に仕えることはうれしいこと。神が喜んで下さっているという確信があるので何の後悔もない。」と語っています。
テイテルは西岸地区の町シェブット・ラケルに住むユダヤ人で36才。9年前にアメリカからイスラエルへ移住して結婚。4児の父親です。両親は正統派のユダヤ教徒で、テイテルは過激な右派になっていました。家には大量の武器や爆発物がたくわえられていました。妻のラケルも連行されましたが、黙秘権を使っています。
前回祈っていただいた外国人労働者の子どもたちについて。ネタニヤフ首相は、子どもたちの学校が終わるまではイスラエルに滞在してよいという結論を出しました。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
画像提供:www.israelimages.com、Isranet他
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