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ハイメール通信No. 170 隣人との関係

イスラエルと隣国ヨルダンが和平条約を結んで15年になります。オバマ大統領が、この勇気ある条約に敬意を表しました。しかし、その他の隣国との関係は芳しくありません。

今年初頭のガザ攻撃後、よりイスラエルとトルコの関係が冷え始めています。今週、トルコがイランを直接訪問しました。

またエジプトが、EUでの地中海に面する国々の会議にイスラエルの外相が出席することを理由に欠席すると申し立てました。

国連に提出されたゴールドストーン報告書に加えてアムネスティ人権保護団体が、イスラエルがヨルダン川の水を搾取しているとの摘発を行いました。

西岸地区の違法入植者がオリーブの収穫をしていたパレスチナ人を挑発し、紛争になったなどの記事も出回っています。「嫌われ者イスラエル」の印象が強まる一方です。今週も主があわれんでイスラエルを支え続けてくださるように祈りましょう

まことに【主】は、ご自分の偉大な御名のために、ご自分の民を捨て去らない。【主】はあえて、あなたがたをご自分の民とされるからだ。(第一サムエル12:22)



■ ヨルダン・イスラエル和平条約15周年

ちょうど15年前の1994年10月26日、イスラエルのラビン首相と、ヨルダンのフセイン国王が、アラバの国境において、国交正常化の和平条約に調印しました。

仲介は当時のクリントン米大統領です。イスラエルと和平条約を結んだのはエジプトに次いで2番目でした。ヨルダンがイスラエルと和平を結んだいきさつは以下の通りです。

和平条約の前年1993年、イスラエルのラビン首相とPLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長が「オスロ合意」に至り、パレスチナ自治政府の設立への歩みが始まりました。これは当時のヨルダンを微妙な立場に追い込むことになりました。

国民の70%がパレスチナ人であるヨルダンは一時PLOを保護していたのですが、PLOが原因のテロが国内で頻発したため1970年に武力で彼等を追放していたからです。( 旗上:ヨルダン 旗下:パレスチナ)

隣国イスラエルとヨルダンの間にパレスチナ自治政府ができるということになれば、ヨルダンは流れに取り残された形になります。

フセイン国王はエジプトとシリアにどうするべきか相談しました。シリアはイスラエルとの和平交渉に反対し、すでにイスラエルと和平を結んでいたエジプトは賛成しました。

アメリカはヨルダンがイスラエルと和平を結ぶなら、借金をすべて帳消しにするという約束をし、和平条約への圧力をかけました。このような中で、フセイン国王は、イスラエルとの和平条約に踏み切りました。

この後、イスラエルとヨルダンは微妙なバランスを取りながら平和な関係を保ってきました。オバマ大統領はホワイトハウスにおいて、「いかなる状況であっても和平は可能であるということを示している。」として、この条約を賞賛しました。しかし、世論調査によると、実際は、ヨルダン国民の80%はイスラエルを「敵」とみなしているということです。

<祈り>

  1. ヨルダンとの間に和平合意があることに感謝。
    ヨルダンは国民の6%がクリスチャンです。
    この国のクリスチャンを祝福し、特にイスラエルを理解するクリスチャンや教会が増やされ、祝福されるように

■ 国際的孤立

国連でゴールドストーン報告書が出されて以来、イスラエルが悪いという印象の報告が次々となされています。

1.イスラエルを離れていくトルコ

中東イスラムの国で唯一、民主国家を成功させているのがトルコです。これまでトルコとイスラエルは友好関係を保ってきました。しかし、今年初頭のガザ攻撃以来、イスラエルを敬遠するようになっています。

特に国連にゴールドストーン報告書が出てからは、イスラエルをNATOの軍事演習に参加させないなどの様々な態度の変化が見られます。

27日、トルコの首相がイランを訪問し、アフマディネジャド大統領と会談しました。

アフマディネジャド大統領は、「イスラエルが核を持っている以上、イランは核開発をやめない」と語りました(イスラエルが核保有国であることは周知のようになっていますが、正式に認めたことはありません)。

また「シオニストの国(イスラエル)は、機会さえあれば、土地を占領しようとする。全世界にとってイスラエルは脅威となっている」とも語り、最近のトルコのイスラエルに対する態度を賞賛しました。

トルコの首相は、イランは私たちの友人であると語っています。イスタンブールでは、数百人のイスラム教徒が集まってイスラエルの旗が燃やされるという事件がありました。これは、他のアラブ諸国から「イスラエルが神殿の丘のアル・アクサ・モスクを危機に陥れようとしている」という情報を受けてのことと見られています。

2.イスラエル参加の会議に出席しないエジプト

EUが、地中海に面する国々の会議を計画しており、イスラエルもリーバーマン外相を派遣することになっています。これを知ったエジプトはイスラエルが来るなら参加しないと申し立てました。

3.イスラエルと関わりを持つと罰金を課すバハレーン

バハレーンの国会は、「イスラエルの官僚とコンタクトをとったり、イスラエルへ旅行する者には罰金を課す」という法律を正式に可決しました。

オバマ大統領はイスラエルとパレスチナとの和平を実現するため、穏健な湾岸諸国がイスラエルとの関係を正常化する方向で圧力をかけていました、バハレーンの動きが他の湾岸諸国にどう影響するか懸念されています。

4.イスラエルはヨルダン川の水を搾取している?~アムネスティ国際人権保護団体~

アムネスティが、「イスラエルはパレスチナ人に行くはずのヨルダン川の水を搾取している」と報告しました。

イスラエル・パレスチナ地方をうるおす水源は3つです。ガリラヤ湖、山からの地下水、海岸からの水です。これをどう分けるかということは既にイスラエルとパレスチナ自治政府の間で最終合意がなされており、外からの干渉の余地はありません。

にもかかわらず、アムネスティは、イスラエルが全水源400を取り、パレスチナは70であると非難しました。70は国際規約の100を下回る数値であるため問題としてとりあげられました。

しかし実際は、イスラエルが408でパレスチナは200となっています。これは両者の合意内容に反するものでないとイスラエルは正式なコメントをだしています。

逆にパレスチナ側は、下水を処理することで水の消費を助けるという合意をし、海外からは下水施設建設の支援金を受けていますが、いまだに実行できていません。

5.ゴールドストーン報告書の真実性を証明してみせると豪語するハマス

ガザでの戦闘を調査したゴールドストーン報告書が波紋を呼んでいます。イスラエル国防軍内部でも調査が行われています。

報告書はイスラエルを戦犯とみなす結論をだしていますが、ハマスもイスラエルの市民を攻撃しようとしたこと、ガザ市民のいるところから攻撃し、市民を危険にさらしたとも記録しています。ハマス指導者のマシャアルは、「ハマスは市民をねらってはいない。ロケット弾の性能が悪く、コントロールできないのでたまたま市民に向かっているだけだ」とコメントをだしています。

<アシュケナジ参謀総長の誓い>

イスラエル国防軍のアシュケナジ参謀総長が、ドイツのワンゼー(ユダヤ人絶滅計画が採択された村)を訪問し、以下のように語りました。

「イスラエル国防軍は、ユダヤ人の国を守るためにある。それは自衛のためであり、戦争を仕掛けるための軍隊ではない。私たちは戦いを好まない。

しかし戦争を仕掛けられたら、イスラエルの市民を守るためにできることは何でもする。いかなる者もそのような状況をつくるべきではない。ユダヤ人の国家の名によって誓う。私は、ユダヤ人の血が二度と流されないよう、最善を尽くす。」

6.イスラエルもいじめ?

孤立を深めるイスラエルですが、イスラエルにも「いじめ」と指摘されそうな動きがあることは否定できません。とりなして祈りましょう。

● <パレスチナ人に投石>

以前から時々問題とされていることですが、西岸地区で違法に入植地(前哨地)を建てている入植者が近くのオリーブ畑に収穫しにくるパレスチナ人に投石し、パレスチナ人も投石しかえすという衝突が起こっています。入植者たちはパレスチナ人の畑に火をつけるなどの行為もしたと報告されています。

● <東エルサレムのパレスチナ人の家屋2軒をイスラエルがブルドーザーで破壊>

家が無認可で建てられていたことが原因です。持ち主は「そんな認可は取得がほとんど不可能な状態だった」と反論しています。

エルサレム市は、地形を考慮し、また考古学的な配慮もしながら、下水や電気などの整備を考えた計画的な町作りを行っています。そのため、正式な建築許可を取ることは簡単なことではありません。

東エルサレムでは、パレスチナ人が、このルールを無視して次々と好きなところに家を建てるため、町の整備ができず、火災の時に消防車が届くのかどうかなども不確かになっています。しかしながら、ブルドーザーで家屋を破壊するという行為は国際的にも批判の大きい行為です。

● <外国人労働者に最低賃金さえださず、その子どもたちを強制送還>

イスラエルにはタイなどから労働者が来て農場などで働いています。彼らは法定労働時間を越えて働かされている上に、労働者超過賃金をもらえません。それどころか、その70%は最低賃金を下回る額しか受けとっていません。

休暇もなく、パスポートを取り上げられているので動きもとれません。また、住み込みの場合、最低の住宅環境に置かれます。耐えられなくなって別の農場へ行った場合、条件はさらに悪くなるため、だまっているしかないというのが現状です。
これらは外国人労働者ホットラインに寄せられた情報です。

最近、イスラエルをユダヤ人の国であるとして、外国人労働者の子どもたちを強制送還する動きがありました。しかし、外国人とはいえ、イスラエルで生まれた子どもたちはイスラエルしか知らないのに、強制送還するのはどうかとの意見もだされていました。

ネタニヤフ首相が、グレース期間をさだめて決済を遅らせていましたが、その期間は11月1日に終わることになります。

<祈り>

  1. イスラエルとはいえ聖なる国ではありません。
    主があわれんで下さり、けっして見捨てることなく導き続けて下さるように

■ 密輸業者つかまる

イスラエルの警察がネゲブに住むベドウィン14名を麻薬の密輸で逮捕しました。14名は女性と未成年2人を含む一つの部族でした。イスラエルでは、麻薬中毒になる人が年々増え続けています。

またキプロスから石油を密輸しようとしたイスラエル人2人が逮捕されました。

<祈り>

  1. 警察の働きで逮捕が実現したこと感謝。
    麻薬のようなサタンの道具がイスラエルから一掃されるように。
  2. 麻薬で苦しむ人々が、主に出会い、完全な解放と救いに導かれるように

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど

画像提供:www.israelimages.com、Isranet他

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