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イスラエル、諸国の民の光 -前編-

TEXT:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

イスラエルが「諸国の民の光(イザヤ49:6)になるとは…」「祝福とのろい(創世記12:3)とは…」について、ヘブライ語の原語からみことばに込められた意味を探ります。

Photo by M. Nagata

2015年の秋、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)は毎年恒例のイスラエルへの連帯を示す特別イベント『ソリダリティー・ミッション』に100人以上の方々を招く特権にあずかりました。集会で講演してくださる方のほとんどはユダヤ人で、政治、宗教、社会状況についての最新の報告をしてくれました。

その中の一人はイスラエルが直面している諸問題について語りながら、「イスラエルはみことばによって国々の光となるべく任命されている。今はまだそうではないが、きっと将来そうなるに違いない」と語りました。私はこの言葉に完全に同意することができません。なぜなら、イスラエルはすでに国々の光、祝福の基としての役割を果たし続けているからです。

ヘブライ語から見る「祝福」と「のろい」

みことばの中で神は、イスラエルを諸国の祝福とすると約束されています。

「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」(創世記12:3)

この「祝福」を意味するヘブライ語はバラクです。これは「何か価値のあるものを誰かに上げる」という、特別な好意、あわれみ、恩恵を指します。また「神から授けられた贈り物」という意味もあります。さらに、バラクには「聖なる神の目的を、何かに注ぐ」という意味まで含まれています。バラクは「ひざまずく」という意味のヘブライ語、バレクの語根でもあります。

聖書学者たちは、創世記12章3節のみことばを理解するために、この「祝福」の本意を知ることが非常に重要だと言っています。ここで用いられている「祝福」とは、単に繁栄や幸福だけを指すのではなく、「神の前にひざまずきへりくだること」、そして「神のあわれみ、恩恵、贈り物、聖さ、人生に対する神の目的を受け取る」ことを示しているからです。バラクというヘブライ語一つを見るだけでも、日本語で推し量る「祝福」の意味をはるかに超えた、豊かな深い神のご意思がそこに表現されていることが分かります。

反面、この約束にはのろいも伴っています。創世記12章3節「あなたをのろう者をわたしはのろう」の最初の「のろう」という言葉は、ヘブライ語のアララで、激しい憎しみと嫌悪を伴う危害や問題をもたらすことを意味しています。二番目の「のろう」はカララというヘブライ語で、軽蔑を持って取り扱うことや、軽く扱ったり、無視したりするという意味です。

つまり、原語から直訳すれば、「あなたをのろう者をわたしはのろう」とは、「アブラハム(イスラエル)を激しく憎み、危害をもたらす(アララ)者は、神から軽く取り扱われる(カララ)」という意味になります。

神は、へりくだる心を持ってイスラエルを祝福する者に対し、神の素晴らしい贈り物と人生の目的を与えることを約束されています。反対に、ユダヤ人に敵対し、ひどい扱いをする人々は、これに逆行すると書かれています。神は続けてアブラハムに、「地上のすべての民族は、あなたによって祝福される(創世12:3)」と約束されました。イスラエルは、地上のすべての民族を祝福するために召された民であり、その最大の成就はアブラハムの子孫としてお生まれになったイエス・キリストです。私たちクリスチャンもまた神の民に接ぎ木され、信仰によるアブラハムの子孫として、祝福の基とされるよう招かれているのです。

このみことばで、神が人々に神の民を祝福するよう呼び掛けておられるのは興味深いことです。神を愛することとユダヤ人を愛することはコインの表裏です。残念ながら何千年もの間、多くの人々が、それがのろいを選ぶことにつながるとは知らないで、神の民を祝福しない道を選んできました。

諸国の民の光

神はまた、イスラエルを諸国の民の光とすると約束されました。

「主は仰せられる。『ただ、あなたがわたしのしもべとなって、ヤコブの諸部族を立たせ、イスラエルのとどめられている者たちを帰らせるだけではない。わたしはあなたを諸国の民の光とし、…』」(イザヤ49:6)

ここで使われている「光」はヘブライ語ではオールという言葉です。このオールには光という本来の意に加えて、神の導き、いのち、幸福、繁栄の光という意味があります。端的に言えば、オールとは、祝福を意味しているということです。

離散したユダヤ人が何世紀にもわたる迫害に耐えている間、ラビたちはこのみことばの意味の解明と実現に取り組んできました。神はアブラハムと無条件の契約を結ばれました。ユダヤ人はこの約束を信じ、全人類に祝福をもたらす者になるという期待感を持っていたことでしょう。しかし何世代も彼らは強制的に分離され、孤立してきました。そのため、彼らにとって「諸国の民の光となる」というみことばは実現不可能のように見えました。

ユダヤ人たちは現代のイスラエルへの帰還運動が、このイザヤ書49章6節を成就することになるとは知る由もありませんでした。エゼキエルはこう預言しています。

「わたしはあなたがたを諸国の民の間から連れ出し、すべての国々から集め、あなたがたの地に連れて行く。」(エゼキエル36:24)

北米からイスラエルに帰還したユダヤ人たち ©Ashernet

「わたしは、諸国の民の間で汚され、あなたがたが彼らの間で汚したわたしの偉大な名の聖なることを示す。わたしが彼らの目の前であなたがたのうちにわたしの聖なることを示すとき、諸国の民は、わたしが主であることを知ろう。」(エゼキエル36:23)

ユダヤ人の帰還そのものが、神の偉大な御名を証しするしるしだと書かれています。このみことばの通り、2千年近く国を失っていた民を全世界から集め、言葉を回復し、建国に至らすことができるのは、全能なる神にしかなし得ないことであり、それこそが唯一真の神が生きておられる証しとなっています。

最近、ネタニヤフ首相は、今日のユダヤ人は「もはや打ち負かされ、迫害されて支配されている民ではなく、常に国々の光として仕えることを望んでいる誇り高い民である」と宣言しました。国家の再建によって、神はみことばどおりに、あらゆる点でイスラエルを国々の光とするという素晴らしいプロセスを開始されたのです。

1949年イスラエル南端エイラットに
旗を建てるユダヤ人 ©Ashernet

申命記28章で神は、イスラエルが神に従う道を選んだ時に待っている、驚くほどの祝福について語っています。また神は、別の道を選んだ時に降り掛かる多くののろいについても挙げておられ、そこにはやがて起こる約束の地からの離散も含まれています。残念なことにイスラエルは間違った選択をしてしまいました。歴史を見ると実際にのろいがイスラエルの上に降り掛かったことが分かります。しかしみことばをさらに読み進めれば、神がご自身の民を捨てず、民を覚えて約束の地に連れ戻し、約束した祝福を民の上に降り注ぐと、繰り返し約束しておられることが分かります。

預言者エゼキエルは、これは純粋に神の側の愛とあわれみによるものであり、ユダヤ人が自分の努力によって神の好意を勝ち取ったからではないと明言しています。そして、これは単にイスラエルだけではなく、すべての国々の祝福につながる約束だったのです。

次号では、イスラエルが現在どのような形で諸国を祝福する光として用いられているかをお伝えします。

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