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奇跡の国-イスラエル -前編-

レベッカ・J・プリマー/BFP国際会長(CEO)

(c)www.iIsraelimages.com / Gadi Geffen

聖書の預言を学ぶことは私の日常でした。父がイスラエルと預言を専門とする聖書学者でしたから、私と妹は毎晩どこかの教会で父が聖書預言の視点から世界の出来事を解説するのを聞いたものです。また、父は新聞を読みながら、「また預言が成就した!さあ、新聞と聖書を読んであげよう。そうすれば神さまの働きが分かるよ」とよく言っていました。

1967年の六日戦争の時はテレビに映るその光景を見ながら、何か重要なことに立ち会っている実感に震えました。そしてすぐに、私たちが見ていたのはルカの福音書21章24節「異邦人の時の終わるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。」というみことばの成就であることを理解したのです。このとき、西暦70年のユダヤ人の離散後、初めてエルサレムがユダヤ人の統治下に入りました。

未来に関する聖書の預言についても父はよく話をしてくれましたが、まさか私が生きている間にこれほど多くの預言が実現するとは夢にも思っていませんでした。ブリッジス・フォー・ピースにはちょっとした合言葉があります。それは、「聖書を読むだけではなく、預言の成就に参加しませんか」というものです。預言が次々と成就するこの時代、私たちもその成就の一端をお手伝いすることができる、何という素晴らしい特権でしょうか。みことばを記録した預言者たちもきっと、この時代を生きたいと思ったに違いありません。しかし神はこの終わりの日に、私たちをパートナーとして選んでくださったのです。

1967年の六日戦争時のスエズ運河。
シナイ半島側からエジプト側を見る。
(c)Israelimages.com / GPO

イスラエルを訪れるクリスチャンがしばしば、「イエスさまと弟子たちの時代にこの場所にいたら、どんなに素晴らしかったろう…」と言います。そんなとき、私は心の中でささやきます。「いいえ。今がまさに聖書時代であり、世界が見守る中、聖書の約束を神さまが成就されている時代なのです」と。

イスラエルは、神が存在することを世界に証明する印です。この小さな土地と民族を通して、神はみことばと約束を必ず守り、信頼できる方であることを世界に示しています。現実には起こり得ない、しかし実際に起こった神の奇跡に思いを巡らせてみましょう。

離散期間2千年後の奇跡

2千年以上もの間、世界中に離散していた民族が、先祖の土地に戻ってくるという出来事は、歴史上かつてなかったことです。しかし1880年代の後半、ユダヤ人が当時パレスチナと呼ばれていた地に集まりだしたのです。あたかも、ある時点になると働き始めるようセットされたタイマーのように、帰巣本能が備え付けられていたかのようでした。

私たち家族は、東西の鉄のカーテンが崩壊するかなり以前から、彼らを帰還させる動きに加わっていました。そのころソ連では、多くのユダヤ人が移住認可を取れないばかりか、中には投獄される人々もいました。

あるクリスマスの時期、帰宅した父が「今年のクリスマスはいつもとは違うよ」と私と妹に言いました。そしてクリスマスプレゼントとして、ある人物の名前がそれぞれ記された、派手なダビデの星のネックレスをくれたのです。そこに書かれていたのはソ連で投獄されているユダヤ人の名前でした。私たちはすぐにその人たちのために祈り始めました。妹はひときわ熱心に、彼女の〝ネックレスの人.のために祈り続けました。彼女の名は、シルビア・ザルモンソンさんと言いました。

帰還するユダヤ人たち
Nefesh B'Nefesh

それからしばらくして、エルサレム・ポストの国際版でシルビアさんの名前を見つけることになりました。彼女は奇跡的に刑務所から釈放され、イスラエルへの帰還を果たしたのです。私たちは祈りが聞かれたことを知り、大変興奮しました。

後にイスラエルを訪れたとき、妹はシルビアさんに会い、彼女の解放のために毎日どれほど祈ったかを伝えることができました。シルビアさんは泣きながら、なぜ自分が解放されたのか、ずっと不思議に思っていたと話してくれました。今、彼女はそれが祈りの力だったということを知ったのです。

1990年以降、110万人のユダヤ人がそれぞれ離散の地からイスラエルに戻ってきました。そしてその流れは今も続いています。イスラエルの550万人のうち300万人以上が帰還民です。さらに残りの多くが、その子どもや孫たちです。

同化しなかったユダヤ民族の奇跡

ユダヤ人は、世界100ヶ国以上に離散して行ったにもかかわらず、ユダヤ人としてのアイデンティティーと、イスラエルの土地との精神的つながりを忘 れませんでした。離散した国がヨーロッパであろうと、アジア、アフリカであろうと、どのユダヤ人家庭にも共通して見られるユダヤの習慣がありました。

私が育ったアメリカは、古代世界に比べればまだまだ生まれたばかりの赤ん坊に過ぎません。わが家の父方の先祖は200年以上アメリカに暮らしています。しかし、父にどの国の系統かと尋ねれば、「雑種だね」という答えが返ってきます。父の先祖が一人もいないヨーロッパの国を探すほうが難しいほどです。アメリカは人種のるつぼであり、父はその証拠でもあります。

アメリカ人である私たちとユダヤ人の歴史を比べてみましょう。2千年以上もの間、ユダヤ人は混じり合う誘惑に抵抗し続け、独自の民族として保たれてきました。この長い離散時代、彼らが神に忘れ去られたことはありませんでした。神は彼らを一つの民族として保護してこられたのです。

1948年の独立戦争時、キブツを守る
(c)Israelimages.com / Hashomer Hatzair

一日にして国が誕生した奇跡

大変な困難があったにもかかわらず、イスラエルは1948年5月14日、国家として誕生しました。その翌日、巣立ったばかりのひな鳥とも言えるようなイスラエルに、6つのアラブ連合軍が攻めてきました。防衛手段などほとんどもたない(その多くがヨーロッパを引き裂いたナチから逃げてきた避難民と)、小さな飛行機がわずかにあるだけの空軍にもかかわらず、イスラエルは敵を打ち破りました。

アラブ世界は圧倒され、世界中が驚きました。しかし、神は驚いてはおられませんでした。 歴史におけるこの瞬間は、3千年以上も前に預言されていたからです。「地は一日の陣痛で産み出されようか。国は一瞬にして生まれようか。ところがシオンは、陣痛を起こすと同時に子らを産んだのだ。」(イザヤ66:8)。その年の5月13日、イスラエル国家は存在していませんでした。しかしその翌日、まさにイスラエルは一日にして生み出されたのです。

1948年5月14日、イスラエル建国を宣言するイスラエル初代首相ベン=グリオン
(c)Israelimages.com / GPO

死んだ言語、ヘブライ語復活の奇跡

イスラエルに帰還したユダヤ人は、出身国が100以上にも分かれており、その言語もさまざまでした。共通の言葉による意思疎通ができない中で、あなたならどのようにして国造りをしていきますか。

それまでヘブライ語は、祈りや聖書の朗読で使われるだけで、死語と化していました。その死んだ言葉を再び復活させたのが、エリエゼル・ベン・イェフダでした。彼はパレスチナの地にやってくると、ヘブライ語以外の言葉を決して使わない決意をしました。そして、ヘブライ語復活のためにありとあらゆる努力を惜しまず、彼によって徐々にヘブライ語が広められていきました。彼の子どもは過去2千年間で初めて、ヘブライ語を母語とする子どもになりました。こうしてエリエゼルはヘブライ語に再び命を吹き込んだのです。

今では数百万人の人々がヘブライ語を母語としています。ほとんど消えかけていた言語が今、日常生活において普通に使われるようになっています。

土地再建の奇跡

マーク・トウェインは1800年代にイスラエルを訪れ、そのときのことを著書『イノセント・アブロード』に書いています。彼はその地を「灼熱、不毛、樹木のない地」と表現しています。また村人については、「醜く、狭苦しく、みすぼらしく不快で不潔」と評しました。ほかにも「人里離れた砂漠、不毛な赤茶色の土の山、カペナウムの憂鬱な廃墟。こんな所で長生きさせられるよりは、悪魔の一つや二つ丸飲みにして溺死したほうがましだと思った」などと記述しています。(『イノセント・アブロード』勝浦吉雄訳 文化書房博文社)

タルムードの学者ナフマニデスは1267年にエルサレムを訪れ、「人の住まない荒廃した所」と語っています。1610年、ジョージ・サンディは、「木々もない地。巨大なからっぽの廃墟」と語り、1877年、C・R・コンドル大佐は、「パレスチナには住む人はない。地を耕すには人手が全く足りない」と言っています。

古いオリーブの木
(c)Israelimages.com / Shai Ginott

今日のイスラエルはこうした表現とは全くかけ離れています。その地は次の預言の通り、かつての美しさを取り戻しつつあります。

「わたしは、裸の丘に川を開き、平地に泉をわかせる。荒野を水のある沢とし、砂漠の地を水の源とする。わたしは荒野の中に杉や、アカシア、ミルトス、オリーブの木を植え、荒地にもみの木、すずかけ、檜も共に植える。主の手がこのことをし、イスラエルの聖なる者がこれを創造したことを、彼らが見て知り、心に留めて、共に悟るためである。」(イザヤ41:18-20)

「荒野と砂漠は楽しみ、荒地は喜び、サフランの花のように花を咲かせる。盛んに花を咲かせ、喜び喜んで歌う。レバノンの栄光と、カルメルやシャロンの威光をこれに賜るので、彼らは主の栄光、私たちの神の威光を見る。」(イザヤ35:1-2)

次号後編では、〝イスラエルの回復.というみことばの約束を、神はどのように成就しておられるのか、また、イスラエルに関する預言でこれから成就するであろうものについて学んでいきます。

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