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プロジェクトレポート

人々の“光”となることができるように ~大工チームに働く神の御業~

高齢者たちの喜び

シュラミットさんは、新しく修復された「ゴールデンエイジ・クラブ」の内部を嬉しそうに見回しながら、次のように言いました。「あなた方が、私たちのこのボロボロのセンターを修理しに来てくれるとは思いませんでした。あなた方が来てくれたことで“神さまはいる”ってわかったんです。」ここは、高齢の移民者が集まって、ゲームをしたり、読書をしたり、食事をしたり、ときには合唱したりして時間を過ごす集会施設です。

改築記念のセレモニーには、BFPエルサレム本部のスタッフたちも招かれました。到着するやいなや、「バブシュカー」(頭を覆うスカーフ)をまとった、小柄なおばあちゃんたちがスタッフのもとへ走り寄り、コーヒーを振舞いながら、笑顔で彼らを抱き締めました。彼女たちが話すのはロシア語と、わずかなヘブライ語ですから、もちろん何を言っているかは理解不能です。しかし、その満面の笑顔と輝く瞳を見るだけで、彼女たちが、センターを修復してくれたBFPのスタッフに、心からの感謝を捧げていることがわかりました。

元気に歌を披露してくれるおばあちゃんたちを眺めながら、「神さまが自分たちを用いてくださり、BFPの働きをとおして、イスラエルに住む人々の生活が大いに改善されている」――見つめるスタッフたちの胸は、そんな思いでいっぱいになりました。「あなた方は、神さまが私たちのもとに送ってくださった天使たちだ!」と、移民者の男性が感極まってスタッフに叫びました。

センターを建て直す

すべては一本の電話から始まりました。エルサレム市庁で働くソーシャル・ワーカーから、「ネベ・ヤコブにある『ギル・ハザハブ・センター(ゴールデンエイジ・クラブ)』の修復の手助けをしてもらえないだろうか?」と、大工チームの責任者に連絡が入ったのです。

ネベ・ヤコブはエルサレム市の外輪部にあり、家賃が低価格なことから、ロシア出身の移民者、特に高齢者の居住率が非常に高い地域です。ヘブル語をなかなか身につけられずに困っている彼らにとって、「ゴールデンエイジ・クラブ」は、母国語のロシア語で自由に会話ができる社交場であり、友を作り、地域社会とのかかわりを見いだすことのできる大切な場所なのです。

責任者―ジェームズたちが最初に現場を訪れた時、建物はめちゃめちゃの状態でした。それから180時間後、センターは完全に修復されました。ペンキで塗り直されたまっさらな壁以上に輝いていたのは、それを見つめる高齢者たちの喜びの笑顔でした。

大工チームとは

大工チームは、世界中から集まった、大工、配管工、電気技師など、技術を身につけたボランティアによって構成されています。カナダ出身の71歳になるビル・ホフゲンは、チームの一員として四カ月間仕えました。「貧しい人々の必要に応えることで、むしろ自分が祝福されました。これはBFPの中で一番祝福された仕事だよ!」と、彼は語っています。チームにとって唯一困ったことと言えば、皆一様に帰国時にダイエットを迫られることです。というのも、修復に行った先々の住人たちが、感謝のあまりケーキやスナック、ときには料理を作ってスタッフをもてなすからです。

大工チームは、数年前からエルサレム市の社会福祉部門と連携して、貧しい家々の修復に携わってきました。エルサレムは四つの地域に分かれており、それぞれにある社会福祉部から直接依頼を受けて、BFPはチームを派遣しています。工事の内容は、障害を抱える高齢者の浴室に手すりを付けるような簡単なものから、高度な技術を要する複雑なものまで、多種多様です。貧困を極め、日々の糧を得ることすらままならない人々にとって、この無償の奉仕は大いなる祝福です。

(右上)修理前
(下)修理後大工チームのリーダー、ジェームス(左)

一つひとつの必要に応える

92歳になるリブカという女性は、洗濯機からの出火により、小さな住居に壊滅的なダメージを受けました。チームは、煙と炎でこびりついた汚れを洗い流し、ペンキを塗り直しました。

シュラミットは、壁が崩れてペンキがはげ落ちた状態の、小さなワンルームのアパートに住んでいました。内部にはカビが繁殖し、水漏れも深刻でした。これもチームの働きによって、水漏れが修理され、壁がきれいに修復されました。

また、ブラハという女性は、新しいベッドを必要としていました。元々持っていたベッドの枠にはマットレスがうまくはまらず、しかも車輪が付いていたため、座ろうとするたびに動いて、ブラハはベッドから転げ落ち、けがをする始末でした。チームが新しいベッドを作って持っていったとき、ブラハは感激のあまり、ただ「主が皆さんを祝福されますように……」と繰り返すばかりでした。

これらの話は、チームが支援を行っている多くの家々の、ほんの数例にすぎません。住人たちの多くが高齢者であり、またホロコーストの生き残りでもあり、病や障害を背負いながら一人ぼっちで暮らしている人々です。彼らは極度の貧困状態にあり、ほんの小さな修理の費用も捻出できず、時がたつにつれて、状況はますます悪化していきます。無償で修理を行ってくれる人々がいる――これは彼らにとっては驚嘆に値する出来事なのです。

光となることができるように……

「かつてユダヤ人たちを迫害してきた歴史を背負うクリスチャンが、こうした貧しいユダヤ人にしてあげられること……それは彼らの光となることだ。」チームのリーダー、ジェームズはこう語っています。「あなた方が来てくれて、“神さまはいる”ってことがわかった……。」シュラミットさんが発したこの言葉は、ジェームズの思いが確かに実現していることの大いなる証ではないでしょうか。

この働きは、神さまの収穫に大いなる実りをもたらしています。どうぞ、スタッフ一人ひとりがますます神さまの愛の光を、貧しい人々に輝き出す存在となることができるようにお祈りください。さらに、無償の働きであるからこそ、かかる資材の費用一切がプログラムに捧げられる献金によって賄われています。この働きのために、皆さまの持てるほんの一部でも、『大工チーム』の働きのために捧げていただければ幸いです。

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