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プロジェクトレポート

絶望の暗闇に希望の光を ―旧共産圏に植えられたクリスチャンの愛―

旧共産圏に植えられたクリスチャンの愛

60年以上前、ユダヤ人は水も食料もトイレも与えられないまま、家畜のようにぎゅうぎゅうに押し込まれ、何日も立ったまま尿も垂れ流しの状態で、貨物列車で運ばれていきました。極度の脱水、精神的恐怖、人の下敷きとなって圧死する人が、貨車の数十パーセントに及んだと言われています。何とか貨車を降りても、到着した先の収容所では、幼い子どもや弱った女性、高齢者は即ガス室に送られ、数時間後には死体となり、焼却炉へ投げ込まれました。“まだ働ける”と審査された男女には、過酷な労働の日々が待っていました。兵士たちの気まぐれで、いつ銃殺されるか、殴られるか、慰み物にされるか分からない極度の緊張の中、十分な食料も与えられずに栄養失調となり、やせ細っていきました。そのやせこけた体に鞭打って、彼らは休む間もなく働かされました。

クリスチャン国家で行われたこの大罪の背後には、神の証し人なるユダヤ人を絶滅させようとする悪魔の計略が働いていました。

1945年春、旧ソ連軍が強制収容所を解放しました。その際、ナチスの“証拠隠滅”を意図する虐殺を逃れ、奇跡的に生き残ったユダヤ人は旧共産圏へと逃れました。しかし、“ユダヤ人である”がゆえに起こる悲運は、その後もつきまとい続けました。

ユダヤ人女性と地元のクリスチャン

こうしたホロコーストの生き残りの多く(70~80代)は、主に貧しい農村で細々と命の火をつないできました。60年以上経った今も、自分の隣で家族や友人が虫けらのように殺されていったあの過去の記憶が消えることはありません。大多数が家族も無く、たった一人で、月額25ドル(=約3,000円)という滞りがちな年金を唯一の収入源とし、ストーブの燃料も買うことができず、冬の厳しい寒さに震えながら余生を過ごしています。それだけではありません。彼らに対する隣人たちの心無い差別は今も続いています。

苦しんでいる同胞に助けの手を差し伸べるためには、どんな努力も惜しまないのが現代のイスラエル国家です。しかし、ロシアやウクライナで悲惨な人生を終えようとしている人々にまでは、どうしても手が回りません。そんな中、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)に、神が『希望の糧プロジェクト』というプログラムを与えてくださいました。私たちはこのプログラムを授かったことを、心から感謝しています。人生に一度も日の目を見なかったホロコーストの生き残りの人々に、主イエス・キリストの愛を贈ることができるからです。これは、クリスチャンが主導となっている働きです。「まさかここでクリスチャンが自分たちに手を差し伸べてくれようとは……」と、この支援を受けている高齢者から、たくさんの驚きの声を聞いています。これまで決して味わうことのなかった人の温かみを、彼らは実体験しているのです。

“希望の糧プロジェクト”が始まってから2年が経ちました。現在ウクライナ、ポーランド、シベリアをはじめとするロシア、スロバキアで、地元の教会が立ち上がり、BFPと連係しながら働きを進めています。そして、ユダヤ人の兄弟姉妹に直接支援を送る、という理想的な援助体制が整いました。この支援の対象となるユダヤ人は、イスラエルへ帰還する体力もないほど弱り切った状態にある高齢者です。

このプログラムのために寄せられたご支援は、次のような形で役立てられています。

  • スープ・キッチン(食事配給所)で、毎日一度、温かい食事が貧しい高齢者のために振舞われます。スープ・キッチンで採るのがその日唯一の温かい食事、という人々が大勢います。―そのための食材費や施設の運営資金。
  • 貧しいユダヤ人の家々を回って食料のパッケージを届けます。―そのための食料代やガソリン代など。
  • 厳しい冬を乗り切るための暖房器具も供給されます。―器具の購入費や燃料費など。

この働きに従事している地元のクリスチャンは、すべて無給のボランティアとして、スープ・キッチン内の食事の用意とお世話、食糧や物資の調達と各世帯への配給に携わっています。彼らは、『キリスト教国家』と呼ばれる国々によって行われた迫害の末、今日まで苦しんでいるユダヤ人の現状をつぶさに見、「あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。」(マタイ25:40)という、主イエスの心で仕えています。

日本の皆様にも、この一端をぜひ担っていただければ幸いです。皆様のご支援が地元の兄弟姉妹の手を通して一杯のスープとなり、食糧のパッケージとなり、ヒーターとなって、主イエスの愛と共に、長い苦しみの中、孤独と飢えの生活を送っているユダヤ人に届いています。絶望の中に希望が植えられています。何とすばらしいことでしょうか。「見よ。わたしはシオンに、選ばれた石、尊い礎石を置く。彼に信頼する者は、決して失望させられることがない。」(Iペテロ2:6)。このみことばが、長い苦しみの中で神にある希望を見いだすことができなかったユダヤ人の心に真実の証しとなるよう、私たちは心から祈り、活動を続けてまいります。「この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。」(ローマ5:5)

これまでこのプログラムをご支援くださった皆様に心からお礼申し上げます。今後もイスラエルへの支援と共に、ぜひぜひ、旧共産圏で進行中のこの“希望の糧プロジェクト”また“救出作戦”にご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。

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