ホーム支援するエズラ作戦プロジェクトレポートバックナンバー > ノリさんのカーペンター奮闘記 ~大工チームに参加して~

プロジェクトレポート

ノリさんのカーペンター奮闘記 ~大工チームに参加して~

札幌キリスト福音館ニューライフチャーチ 門田宣久

18年前、私の前には安定とやりがいのある仕事の道もありましたが、主はその道を閉ざされました。その代わりに与えられたのが、考えたこともなかった建築大工という仕事でした。30歳を過ぎ、子どもも3人いましたので、そちらを選択することは大変でしたが、それは自分に合った楽しい仕事でした。今振り返ると、この時から、主が今回の奉仕のために備えてくださっていたのだと思います。

元請会社の都合で、3年前、新築からリフォーム専門の部署に変わりました。リフォームの仕事は、現場で対処しなければならないことがたくさんあるので、この仕事をやっていると大工仕事だけでなく、設備工事や電気工事、建具関係と、何でもできるようになります。それが今回の大工チームの働きに生かされています。ハレルヤ!!神さまは完璧なお方です。

大工チームのワークショップにて。

イスラエルへの扉

去年の3月、私が所属する札幌福音館のハイナイトで、三橋萬利先生が「門田兄弟をイスラエルへ送りたいですね」と、鶴の一声を発せられた時から、私のイスラエル行きに対する神さまの御手は力強く動き始めました。「神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行なわせてくださるのです。」(ピリピ2:13)

札幌福音館では、5、6年前からBFPやLCJE(ローザンヌユダヤ人伝道会議)の働きをとおしてイスラエルに目を向けるようになり、ユダヤ的視点に立って聖書を読むようになりました。そして、エルサレムの平和のため、ユダヤ人の救いのために、熱い祈りが月例ハイナイトだけでなく、毎週の祈祷会や、栗沢チャペル(ブランチ教会)にも広がっていきました。その祈りの中で、私をイスラエルに送ろうという今回の派遣が導かれていったのです。ついに、1月6日から2月28日まで、約2カ月間という奉仕の扉が開かれました。

短期宣教師として送り出される直前の1月5日の礼拝では、「私たちのイスラエルへの思いを、あなたに託します」と皆から言われているように感じました。「まことに、あなたは喜びをもって出て行き、安らかに導かれて行く。」(イザヤ55:12)

主は、このみことばどおりに、私をイスラエルの地へと導き入れてくださいました。

1月7日午後11時20分、私を乗せたトルコ航空118号便はテルアビブ空港に着陸しました。

税関を何とか通過して無事イスラエル入りを果たし、スティーブンス・栄子先生の顔を見た時にはホッとしたのか、睡眠不足と時差ボケと緊張の疲れがどっと出たのを覚えています。それでも空港を出ると、「わたしはエルサレムとシオンをねたむほど激しく愛した」と言われる主の前にひざまずいて祈らされました。

「イエスさま、あなたの民に仕えるために帰ってまいりました。どうか私をあなたの道具として用いてください!」

カーペンター・ノリ、いよいよ本番

次の日の長い英語でのオリエンテーションを終え、2日目から早速奉仕が始まりました。

朝、7時30分ごろ、大工チームのボス、ジェームズが、スペイン製の日産ワゴンで、BFP本部1階のアパートに住む私を迎えに来てくれます。

ジェームズ、「ボケルトーブ!(ヘブライ語で『おはよう』)ノリ!マニシュマ?(元気かい?)」ノリ、「ホイヤモーラ!(南アフリカ語で『おはよう』)ジェームズ!パシードラ!(ばっちりさ!)」こんな調子で一日が始まるのです。

エルサレムストーンの町並みを抜け、南に20分ほどでBFPイスラエル支援センターに着きます。里親プログラムチーム、フードバンクチーム、大工チームなど、総勢約25人のメンバーが、ここで活動しています。現在はアメリカ、南アフリカ、オーストラリア、パプアニューギニア、日本、韓国からのボランティアが集まっています。

8時30分、デボーションタイムが始まります。英語で語られるメッセージや証しはほとんど理解できませんが、賛美は本当に恵まれました。皆で主を仰ぎ、祈る一日の始まりは、何とすばらしいことか……。主の臨在を感じる、私の一番好きな時間です。

9時から各チームに分かれて作業が始まります。私とジェームズ、2名で構成されている大工チームは、朝、材料や部品の調達に出かけます。ここでは誰にでも、どんなに量が少なくてもばら売りをしてくれるので、必要な分だけ購入することができ、無駄がほとんど出ません。

資材調達の次は、いよいよ製作に取り掛かります。ほとんどの電動工具は日本と同じなので問題ないのですが、ノコギリに関しては、日本と逆で「押して切る」ので困りました。早速日本で留守を守る妻に連絡し、ノコギリを大急ぎで送ってもらいました。日本のノコギリに感嘆したジェームズが、「サムライ・ソー(武士のノコギリ)!」だと言っていろんな人に見せて回り、こうやって切るんだと実演して説明しているのです。非常に面白い光景でした。

午後からは改修工事や、支援センターで製作した家具や手すりの取り付けに行くことが多かったです。たいていは、エルサレム市から依頼のあった物件です。修繕チームのすばらしいところは、実際にユダヤ人家庭に入って行けることです。主が与えてくださったこれらの仕事に、祈りつつ、喜びをもって取り組ませていただきました。

「主よ、最高の仕事をさせてください。この手を用いてください。この家族と心を通わせてください。この家に主の祝福がありますように。」

ブハーレム・コミュニティーセンターにて。

その中で、たくさんの高齢者の方々に会いました。この方々はどのような人生を送ってきたのだろう、と考えさせられます。ご本人やご家族は、ホロコーストを体験したのだろうか……。彼らの顔の深いしわから、苦難の人生の跡が感じられました。傷ついた心を癒やすことができるのは、イエスさまの愛だけですから、何とかイエスさまに出会ってほしいと、そんな思いで心がいっぱいになりました。

心温まる人々との出会い

メアシャリーム地区のブハーレム・コミュニティーセンターに、収納家具を取り付けに行った時のことです。

ちょうど、真っ黒な衣服に身を包んだ、10人くらいの女生徒が勉強しているところでした。私たちが気になるのか、こちらの方ばかり見ていました。あまりにもかわいいので、写真を撮ってもいいかと尋ねると、子どもたちは「ケン!ケン!(いいよ!いいよ!)」と言ってくれました。残念ながら先生はダメだとおっしゃったので、先生の顔を立てて写真は撮りませんでしたが、本当にほほえましくて忘れられない光景でした。

私たちが献品した収納家具は、同センターの所長をはじめ、皆さんにも大変喜んでもらえました。この地区は、厳格に律法を守って生きようとする人々の集まった特異な地域です。写真撮影を嫌い、大人も子どもも正統派ユダヤ教徒の黒い服と帽子に身を固め、時代が逆行したような印象を受けます。彼らがイエスさまの愛を感じることができたら、イスラエル全体に与える影響はどれほど大きいことでしょう。その働きにかかわっている私たちは、何と幸せで尊い奉仕をさせていただいているのでしょう。

皆さまの尊い捧げ物は、このようにして現地のユダヤ人のために用いられています。心から感謝を捧げます。

この期間、すばらしい仲間たちとともに奉仕をすることができました。
彼らは、イラクとの緊張状態が高まり、各国大使館から避難勧告が出された中でも、いつもと変わらず黙々と奉仕に励み、直接人々と接することのない場所で、忠実に働いています。彼らを見ていると、本当に主を見上げてユダヤ人を愛している人々だと感じます。言葉の不自由な私にいつも声を掛け、元気づけてくれました。

イスラエルで一緒に過ごした仲間たち……。栄子先生、イスラエル現地でのバイブル・スタディー、ありがとうございました。また、おいしい日本食を感謝します。

恵美子さん、一生懸命奉仕するあなたの姿は美しかったですよ。さっちゃん、英語を助けてくれてありがとう。のぞみ、ご飯ちゃんと炊けてるか?日本に帰ったら料理の本を送っちゃうけんね。

最後になりましたが、毎日祈り支えてくださった福音館の兄弟姉妹をはじめ、日本中の兄弟姉妹に、心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

シャローム

記事の先頭に戻る

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

Tel 03-5969-9656(平日10時~17時)
Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.