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神は何を愛しておられるのか -前編-

文:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

私たちクリスチャンは神の愛について語りますが、具体的に神が何を愛しておられるのかを知ることは大切です。今回は、神の愛について語っている聖書箇所を読みながら、神が愛されるものについて具体的に学んでまいりましょう。

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「神が愛しているものを愛しましょう」。私はよくクリスチャンにこのように勧めます。では、神はいったい何を愛しておられるのでしょうか。聖書の中にその答えを探し求めてみましたが、驚いたことに直接このことに言及している箇所は思ったほど多くありませんでした。それでも、神が愛しておられるものを明記している箇所を分類するなら、大まかに言って「人々」「義」、そして「シオン」の三つだと言えます。

神は人々を愛しておられる

ほとんどのクリスチャンはヨハネの福音書3章16節のみことばを暗記していることでしょう。「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。

イスラエルの子孫(ユダヤ人)とイエスを 信じる人々は、
神の愛の受け手として特別に選ばれました。
 Photo by bridgesforpeace.com

創造主である神が、ご自分が無から生み出されたものを喜んでおられるのは間違いありません。私たち夫婦は美しい自然を観によく出掛けます。自然は創造主について語ります。私が神からの霊感を受けるのも、神が創造した自然の中が最も多いです。しかし、使徒ヨハネがここで「世」と言っているのは、世界そのものというより、世界に住むすべての人々のことです。つまり、神は世界中の人々を愛しておられるのです。

偉大な詩篇の記者、ダビデはこう語っています。「あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。あなたは、人を、神よりいくらか劣るものとし、これに栄光と誉れの冠をかぶらせました。あなたの御手の多くのわざを人に治めさせ、万物を彼の足の下に置かれました。(詩8:3-6)

創造における最高の瞬間は、人類の創造です。だからこそ、神は世(神が創造された人々)を愛しておられるのです。

神が信者、未信者を問わずすべての人を愛しておられることは確かですが、神の愛の受け手として特別に選ばれた2種類の人々がいます。それはイスラエルの子孫(ユダヤ人)とイエスを信じる人々です。

イスラエルの子孫

私は子どものころから、ユダヤ民族は神の選びの民であると教えられてきました。後に神は、ご自分がユダヤ人に対して持っておられる深い愛を私に示し、私の心にユダヤ人への愛を植え付けてくださいました。

一方、ユダヤ人を愛していないクリスチャンがいることも知り、私は驚きました。「ユダヤ人であるイエスを救い主として愛しながら、どうしてイエスの家族であるユダヤ人を愛さずにいられるのだろう」

ユダヤ人も、わけが分からないといった様子で私によく尋ねてきます。「なぜクリスチャンの中には、あなたのように私たちを愛してくれる人もいれば、『BDS(ボイコット、投資撤収、制裁)』運動に加わる人もいるのでしょうか。彼らはなぜ私たちを憎むのですか」。私は次のように答えます。「神と神のみことばを愛するクリスチャンは、聖書は霊感された神のみことばだと信じていますが、ある人々は自分が従いたいみことばだけをつまみ食いしています。神を愛しているなら、神が愛しておられるものを愛したいと願うのは当然のことです」

では、イスラエルの人々に対する神の愛を調べてみましょう。申命記には神とイスラエルの子たちの関係を示す美しいみことばがあります。「あなたは、あなたの神、主の聖なる民だからである。あなたの神、主は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。主があなたがたを恋い慕って、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。…あなたを愛し、あなたを祝福し、あなたをふやし、主があなたに与えるとあなたの先祖たちに誓われた地で、主はあなたの身から生まれる者、地の産物、穀物、新しいぶどう酒、油、またあなたの群れのうちの子牛、群れのうちの雌羊をも祝福される。(申7:6-7、13)

預言者たちもまた、イスラエルに対する神の愛を語っています。「だが、今、ヤコブよ。あなたを造り出した方、主はこう仰せられる。イスラエルよ。あなたを形造った方、主はこう仰せられる。『恐れるな。わたしがあなたを贖ったのだ。わたしはあなたの名を呼んだ。あなたはわたしのもの。…わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。…』(イザ43:1、4)

『その時、-主の御告げ-わたしはイスラエルのすべての部族の神となり、彼らはわたしの民となる。』主はこう仰せられる。『剣を免れて生き残った民は荒野で恵みを得た。イスラエルよ。出て行って休みを得よ。』主は遠くから、私に現れた。『永遠の愛をもって、わたしはあなたを愛した。それゆえ、わたしはあなたに、誠実を尽くし続けた。おとめイスラエルよ。わたしは再びあなたを建て直し、あなたは建て直される。…』(エレ31:1-4)

使徒パウロは、たとえユダヤ民族のすべてがイエスを受け入れなくとも(受け入れなくていいという意味ではない)、神がユダヤ民族に抱く愛は変わることがないと言っています。「彼らは、福音によれば、あなたがたのゆえに、神に敵対している者ですが、選びによれば、父祖たちのゆえに、愛されている者なのです。神の賜物と召命とは変わることがありません。(ロマ11:28-29)

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親は最初に生まれた子を愛し、可愛がりますが、その後に生まれてくる子も同じように愛します。子どもだった私はそれが分からず、恥ずかしいことに妹に向かって、「お父さんとお母さんは、あなたより私を愛しているのよ」と言ってしまったことがあります。私のほうが年上で両親から長く愛されてきたのだから、もっと愛されているというのが私の理屈です。これは自己中心的で幼稚な考え方でした。でも私は妹よりも愛されたかったのです。

父なる神が長子であるユダヤ民族に抱く深い愛を、不愉快に思っているクリスチャンが時々います。しかし、どうすれば神が最初の子を忘れることができるでしょうか。「しかし、シオンは言った。『主は私を見捨てた。主は私を忘れた』と。『女が自分の乳飲み子を忘れようか。自分の胎の子をあわれまないだろうか。たとい、女たちが忘れても、このわたしはあなたを忘れない。見よ。わたしは手のひらにあなたを刻んだ。あなたの城壁は、いつもわたしの前にある。』(イザ49:14-16)

イエスに従う者たち

イエスに従う私たちと神との関係は、ユダヤ人ほど長くはありません。しかし、みことばを見ると私たちに対する神の大きな愛が分かります。

イエスはこう言われました「それはあなたがたがわたしを愛し、また、わたしを神から出て来た者と信じたので、父ご自身があなたがたを愛しておられるからです。(ヨハ16:27)

また、「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合うこと、これがわたしの戒めです。(ヨハ15:12/ヨハ13:34も参照)」と、互いに愛することも教えています。

使徒ヨハネは、イエスの弟子に対する神の愛を保証しました。「だれでも、イエスを神の御子と告白するなら、神はその人のうちにおられ、その人も神のうちにいます。私たちは、私たちに対する神の愛を知り、また信じています。神は愛です。愛のうちにいる者は神のうちにおり、神もその人のうちにおられます。(Ⅰヨハ4:15-16)

神はご自分を愛する者たちを愛される

私たちが愛に応答するのと同様に、神もご自分の子どもたちの愛に応答されます。

あなたは知っているのだ。あなたの神、主だけが神であり、誠実な神である。主を愛し、主の命令を守る者には恵みの契約を千代までも守られる…(申7:9)
主は悪者の行いを忌みきらい、義を追い求める者を愛する。(箴15:9)

後編では、神が愛される「義」と「シオン」について聖句から学んでまいります。

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