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イスラエル、諸国の民の光 -後編-

TEXT:シェリル・ハウアー(BFP国際開発部長)

今月は農業・水産業・酪農・医療の分野から、イスラエルがどのように世界の光として祝福を流し出しているか。また、世界中にイスラエルの緊急支援、人道支援がどのように行われているかを見ていきます。

二つの地震によって壊滅的な被害を受けたネパールへの緊急支援として260の支援部隊を派遣したイスラエル

祝福を生み出すイスラエル

イスラエルが世界の農業に最初に貢献したのは、1965年、「点滴灌漑」システムを発明した時でした。この技術は荒野に花を咲かせ、イスラエルの農業生産を増加させるために開発されましたが、今では150カ国以上で採用されています。この節水技術は世界中の乾燥地帯の農業に、文字通り革命を起こしました。

イスラエルの科学者はまた、露を受ける特別な形の皿を開発しました。その皿で木や植物の根元を取り囲み、露が蒸発する前に直接植物の根に水分を流し込むのです。

イスラエル・ネタフィム社の点滴灌漑を
使った栽培の一例

第三世界では、収穫した穀物を新鮮に保つために格闘しています。昔ながらの貯蔵法では、穀物の半分が害虫やカビにやられてしまうからです。イスラエルは安価で再利用できる特別な穀物貯蔵容器(グレイン・コクーン)を作りました。グレイン・コクーンに入れたものは、極端な暑さや湿度の中でも空気や水から完全に守られます。さらに魚の養殖では、特別な微生物を培養し、水を清潔に保って安全な魚を提供することができるようにしました。このような技術は、アフリカなどの第三世界の国々のみならず、アメリカやカナダでも使われています。

小玉スイカからチェリートマト、土の要らないジャガイモまで、イスラエルは常に世界の農業をリードしています。カリフォルニアのイチゴの60パーセントに損害を与えていたハダニだけを食べるクモや、子を産まず他の害虫を食べるミバエを生産し、32カ国以上に輸出しています。また、年間のミルク産出量世界一の雌牛によって、酪農界においても世界的先駆者として認められています。現在イスラエルは中国やベトナムと協力して歴史上最大で最新の酪農事業を展開しています。小国イスラエルが世界の食料事情を担っているのです。

国々を援助する

1958年、ゴルダ・メイア首相は貧困の中にあったアフリカの国々を訪問しました。その後、イスラエルは国家として発展途上国の飢餓、病、貧困の軽減に尽くすという決断をしました。1995年、外務省とイスラエル国防軍によって特別な緊急部隊が結成されました。この部隊はケニア、アルバニア、メキシコ、コンゴ、ハイチ、日本、ネパールなどで活動してきました。そして多くの場合、被災地に最初に到着し、最新の設備と高度な訓練を受けた医療専門家たちによって緊急医療を提供してきました。任務が完了し部隊がイスラエルに戻る際には、地元の医療団体が使えるよう設備を残していくこともよくあります。

しかしそれだけではありません。最近では破壊的な地震被害を受けたネパールでの医療任務が終了した後、すべてを失って避難している何千もの家庭に仮設住宅を供給するために『全員に家をプログラム』が設立されました。また国々で『アイ・キャンプ』を開き、眼科医が毎年何百人もの人々を診療して失明を防ぎ、目の治療を施しています。

危機的な窮乏に気づいた時、イスラエルが特別任務を遂行することは珍しくありません。2015年6月に台北のレジャー施設で爆発が起こり、500人以上がひどいやけどを負いました。数週間たった後も400人ほどは入院しており、そのうちの半数は重傷で皮膚移植を必要としていました。イスラエルは皮膚を作って患部に移植するための最新機器2台を寄贈すると共に、台湾の医師たちに機器使用に必要な訓練を行いました。

それ以外の医療分野においてもイスラエルは世界をリードしています。ピルカムという全消化管を精査するカプセル型の小さなカメラから、非常に有望ながん治療法の開発、多発性硬化症や糖尿病患者の治療に貢献する抗生物質の開発まで、イスラエルは医療を通しても国々を祝福し、健康と長寿に寄与しているのです。

ネパールの野営病院で新生児ケア

ほとんど知られていませんが、2014年の12月、イスラエルは国際的なエボラ出血熱との戦いで指導的な役割を果たしました。イスラエルは病に見舞われたアフリカの国々に完全装備の診療所を提供しただけでなく、地元の専門家を訓練するために感染症の専門家を派遣したのです。イスラエルはまた、エボラによって孤児になった何百人もの子どもたちのための精神保健クリニックや孤児院の設立も行いました。

豊かな祝福

イスラエルによる祝福はこれにとどまりません。最近洪水に見舞われたイギリスやミャンマーのような国々への支援、レイプが横行する国々での警察やソーシャルワーカーの特別訓練、ヨーロッパのシリア難民へのテント、マットレス、食料、毛布の寄贈、イラクとアフガニスタンのイスラム過激派の犠牲になったクリスチャンやヤジディ教徒への援助も行ってきました。

イスラエルの驚くほど先進的な分野について考えてみましょう。そこには、サイバー攻撃やサイバー技術、サイバー・コミニケーション、電気自動車や飛行自動車、家庭用電気を生み出す太陽光発電パネル、ロボット掃除機、芝刈り機、除雪機、乳幼児突然死を防ぐベビーモニター、犬の糞をすくって、ものの数分で分解可能な灰に変える小さな器具などが含まれています。イスラエルはフランス人にワインの作り方を教え、ベルギー人にチョコレートの作り方を教えているのです。そして同時に自分の国の存続を懸けて戦っているのです。

祝福となるために祝福される

「わたしはあなたを諸国の民の光とし、…」(イザヤ49:6)

明らかに神はご自分が約束された通りにイスラエルを祝福しておられます。そしてイスラエルは神から受けた祝福を国々に分かち合っているのです。その中心は神がアブラハムと契約関係に入った時につくられた素晴らしい祝福の枠組みです。神はイスラエルを世界の光にしようとしておられるのです。しかし使徒たちによって書かれた新約聖書の書簡には、世の終わりに人々は闇を愛し光を憎むと書かれています。神の敵は神の目的を完全に達成する前にあらゆる手段を使ってイスラエルを消滅させようとしているのです。

しかし、私たちはイスラエルが滅ぼされないことを知っています。イスラエルは存続し続けます。それはみことばの約束どおり、「尾ではなくかしら(民数28:13)となり、全世界に神の啓示を運ぶものとなるため」です。それはイスラエルが神の特別な好意に値するからではなく、私たちクリスチャンが何とかして土壇場で勝利を収めるからでもありません。神ご自身が祝福の枠組みを動かし始められ、神がそれを成し遂げると約束されたからです。

神はご自分の最初の約束を遂行し続けてくださり、私たちが長い間待ち望んできた最終的な贖いを成し遂げてくださるのです。

●イスラエルが人道的援助を行ってきた国々

アルバニア、アンゴラ、アルゼンチン、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ベナン、ボリビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルキナファソ、ブラジル、ブルガリア、ブルンジ、カンボジア、カメルーン、チャド、チリ、中国、コロンビア、コンゴ民主共和国、コスタリカ、コートジボワール、キプロス、チェコ、コンゴ共和国、ドミニカ、エクアドル、エジプト、エルサルバドル、エリトリア、エストニア、エチオピア、フィジー、ガンビア、グルジア、ガーナ、ギリシャ、グアテマラ、ギニア、ギニアビサウ、ガイアナ、ハイチ、ホンジュラス、ハンガリー、インド、インドネシア、日本、ジャマイカ、ヨルダン、カザフスタン、ケニア、キルギスタン、ラオス、ラトビア、レソト、リベリア、マケドニア、マダガスカル、マラウイ、マルタ、モーリタニア、モーリシャス、メキシコ、ミクロネシア、モルドバ、モンゴル、モロッコ、ミャンマー、ナミビア、ネパール、ニカラグア、ナイジェリア、パレスチナ自治政府、パナマ、パプアニューギニア、パラグアイ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、ロシア、ルワンダ、セネガル、セーシェル、シンガポール、スロバキア、ソマリア、南アフリカ、韓国、スリランカ、スワジランド、タジキスタン、タイ、トーゴ、トンガ、チュニジア、トルコ、トルクメニスタン、ウガンダ、ウクライナ、イギリス、アメリカ、ウルグアイ、ウズベキスタン、ベネズエラ、ベトナム、ユーゴスラビア、ザイール、ザンビア、ジンバブエ

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