ツアー体験談

神戸 輝明先生 (笠井キリスト福音教会)

それは、2012年5月24日のことでした。
「ストレス関連障害です。すぐに今の環境から離れて休養することが必要です」クリスチャンの精神科医師からそう診断され、僕はそれまで10年以上仕えていた教会の働きを休職することになりました。当時僕は、伝道師としてユースを担当し、教会やチャーチスクールの働きに忙しい毎日を過ごしていました。しかし、その教会の主任牧師交代に伴う様々な出来事がきっかけで、ストレスが限界に達し、ついに吐き気や頭痛によって、教会に近付くことさえできなくなってしまったのです。その後1年以上に渡り自宅療養する日々が続きました。家族のため、妻が看護師として働きに出てくれましたが、彼女も心に傷を抱えたまま必死で働いている状態でした。僕は、愛する妻や子どもたちのためにも何とか頑張ろうとは思うのですが、何も手につかず、それが余計に自己嫌悪を生むという悪循環で悶々とする毎日でした。

そんな折、2013ZIONイスラエルツアーに参加したグレイスライフチャーチの田中進牧師を通して、今回の2014ZIONイスラエルツアーを紹介されたのです。進先生は、僕の義兄でもあり、僕が倒れて母教会に通えなくなってからも、公私に渡りずっと支えてくれた先生でした。

最初にツアーの話を聞いた時は、正直言って不可能だと思いました。経済的にも厳しい上、妻が働く間は僕が家事と育児をしていたので、10日間も家を空ける事は現実的に無理でした。何より、必死で家族を支えている妻のことを思うと、自分だけがイスラエルに行くなどとても考えられませんでした。しかし、他でもないその妻が、今回のイスラエルツアーを後押ししてくれたのです。

「てるちゃん、イスラエル行って来なよ。冬のボーナスでお金は何とかなるし、子どもたちの面倒も私が何とかするから」良き妻は、主からの恵みだと心底思いました。それから不思議に、次々と道が開かれていきました。無牧となっていた笠井キリスト福音教会に、2014年から招聘されることが正式に決まり、昨年末には牧師の按手を受けました。ツアー申込時点では、僕の立場はグレイスライフチャーチの伝道師でしたが、出発時点では、笠井キリスト福音教会の牧師となっていました。また、ツアー参加費もこの両教会からそれぞれ献金があり、ほとんどが満たされたのです。

こうして、僕の初めてのイスラエル体験が幕を開けたのでした。旅のすべては神さまの恵みに満ちていました。今回のツアーで出会い、共に旅をした仲間との交わりも本当に素晴らしいものでした。教えられたこと、感動したことは数え切れませんが、中でも最も印象に残ったのは、ガリラヤ湖周辺での体験です。
大宣教命令が語られたとされるアルベル山からの雄大な景色は、本当に素晴らしいものでした。ここでチャプレンの永井先生が、マタイ28:17「イエスにお会いしたとき、彼らは礼拝した。しかしある者は疑った」という聖句から、命懸けの献身とは言っても、弟子たちも弱さを抱えた生身の人間だったということを分かち合ってくれました。また、ガリラヤ湖畔にあるペテロ召命教会では、イエスさまを裏切ってしまったペテロの再召命の場面であるヨハネ21章が開かれました。ここでも、ヨハネ21:21「ペテロは彼を見て、イエスに言った。『主よ。この人はどうですか。』」の聖句から、ペテロが再献身を決意した直後に、もう他人との比較に葛藤している姿が語られました。

これらの箇所から、弟子たちの弱さや人間としての葛藤が、今まで以上にリアルに僕の心に迫ってきました。美しいガリラヤ湖を眺めながら、ペテロの姿とイスラエルに来るまでの自分の姿が重なって、僕は涙が止まりませんでした。若さと情熱で、生涯イエスさまに従うと決心したはずだったのに、人間関係や色々な問題でくじけてしまった自分。牧師や伝道師などと肩書きはあっても、心の中は虚栄心や劣等感でドロドロしていた自分。そんな自分をイエスさまはすべて知った上でここまで導いてくださったのだと、悔い改めと感謝が一緒くたになって溢れてきたような涙でした。僕はそこで、ペテロのように、もう一度イエスさまに従っていく祈りを棒げました。

今回の旅は、このために神さまが僕を招いてくれたと思えるほど、本当に特別な時間でした。

一方、この個人的な体験と共にこの旅では、人類の歴史の中に働く神さまの大きな計画についても、深く思いめぐらすことができました。神さまが選び、愛しておられるイスラエルを実際に訪れ、ユダヤ人と触れ合うこともできて、この地のために祈っていくことの大切さを強く感じました。これから、日本で主に仕えていく傍らで、イスラエルのためにも熱心に祈っていきます。
素敵な機会をくださった、BFPの皆様と足長おじさん、そして神さまに心から感謝します。

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