ハイメール通信

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ハイメール通信No.849　2024.3.8
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ラマダン中のイスラエルの守りを覚えて
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先週もお伝えしましたが、3月10日（日）ごろからラマダン（イスラム教の断食月）が始まります。期間中、エルサレムの神殿の丘（アル＝アクサ・モスクがある場所）には大勢のムスリムが訪れます。過去には、ラマダン中に一部のムスリム、特に若者が神殿の丘で暴動を起こすのが常だったため、イスラエル政府は参拝者に年齢制限を設けました。例年、それでも暴動が起こり、それに呼応してパレスチナ西岸地区やイスラエル各地のアラブ人の町に暴動が広がるということが繰り返されてきました。今年はガザで戦争が続いていることもあり、ムスリムが大勢住む地域、特に西岸地区の治安悪化が非常に懸念されています。西岸地区は住民の大半がハマスを支持しているため、状況が不安定で、このところテロも続いて起こっています。

そのような中、イスラエル政府は今年の神殿の丘参拝について、アラブ系イスラエル市民の入場は制限しないと発表しました。また西岸のパレスチナ人は、年齢制限と身元確認を徹底した上で許可するという、前年どおりの対応を決めました。閣内には反対意見もありましたが、「あらゆる宗教の礼拝の自由を尊重する」という国の理念に基づき、治安対策に万全を期すことで参拝を認めることにしました。最初の週は5万〜6万人の入場者が見込まれ、問題が無ければさらに入場人数を増やすとしています。イスラエル国会のアラブ人議員はこの決定を歓迎し、アラブ系イスラエル市民に「法と秩序を守りながら礼拝しよう」と呼び掛けています。

治安対策としては、警察官を千人規模で増員し、検問所も増やして警戒に当たる他、フェイクニュースや扇動の拡散を防ぐためにＳＮＳ上の監視を強化します。さらに、期間中は大群衆の移動をスムーズにするため、各地とエルサレムを結ぶシャトルバスを数千台用意。交通規制を行って渋滞を防ぎます。ムスリムのラマダン礼拝を尊重するために、イスラエルは戦時中にもかかわらず、さらにこれだけの努力を治安に費やそうとしています。

一方で、イスラエルを取り巻く情勢は緊張を増しています。南部ではハマスとの戦争が続き、北部ではレバノンのテロ組織ヒズボラとの交戦が日々激しくなっています。東では新たな動きとして、シリアやイラクの親イラン派民兵がヨルダン経由でイスラエルへの攻撃を試みていることをイスラエルは察知しています。このすべての背後にいるイランは、最近、イスラエルへの攻撃強化を呼び掛けました。またハマスの指導者イスマイル・ハニエは、イスラエルのムスリムに対し、「ラマダンの初日に決起してアル＝アクサ・モスクに集結せよ」と呼び掛けています。
ラマダン中のイスラエル全土の守りを覚えてお祈りください。

「エルサレムよ。わたしはあなたの城壁の上に見張り人を置いた。昼の間も、夜の間も、彼らは決して黙っていてはならない。主に覚えられている者たちよ。黙りこんではならない」（イザヤ62：6）

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