ハイメール通信

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ハイメール通信No.827　2023.12.14
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エルサレム在住　松田有師より
〜戦時下のハヌカの祭り：一人ひとりが光となる〜
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光の祭典であるハヌカの祭りが、今年は12月7日（木）の日没から始まり、エルサレムをともし始めました。この記事を書いているのは、11日（月）の夜です。

僕の住む町は、ナフラオット（日本語で「相続地」）と呼ばれ、狭く曲がりくねった小道に、アンティークな石づくりの家、そして小さくても、生き生きとした数多くのシナゴーグがあることで知られています。この町には、ハヌカの季節になると、あちこちに飾られたハヌキヤ（ハヌカの祭りにともされる9本枝の燭台）を見ようと、多くの人々が散策に訪れます。僕の家の周りにも、奇麗なハヌキヤが飾られ、ボランティアから帰ってくる僕の心を何だか温かくしてくれます。

今年は、家から歩いて2分ぐらいの場所に大きなハヌキヤが飾られています。その高さは、子どもが父親に肩車されても届かないほどです。町の人々は、まず自分の家のハヌキヤに火をともし、その後、シナゴーグに行き、そこでもハヌキヤに火をともします。そして、夜の7時半になると、地元のラビたちが集まってきて、みんなでいっしょに大きなハヌキヤに火をともします。僕は、ハヌカの8日間は、なるべく毎日ハヌキヤのある場所に行って、いっしょに歌を歌いながらハヌキヤに火がともされるのを見ることにしています。

今夜（11日）はハヌカ５日目。シェメシュと呼ばれるハヌキヤの真ん中の枝と、その他の5本の枝に炎がともされました。子どもたちがあちこちから集まり、みんなでハヌカの歌を歌います。ラビが満面の笑みで、「ハヌカおめでとう！」と声を掛けています。キッパを被り、宗教的な服装をした優しそうな、でも強そうな背の高いユダヤ教徒の男性は、段ボールにたくさんのスフガニヨット（ハヌカの祭りに食べるドーナツ）を抱え、「君はもう食べた？　もう一個食べる？」と楽しそうに配っています。また、宗教的な黒ずくめの服に、赤いマフラーが映えるラビは「今は戦争のさなか。だからこそ、一人ひとりが光のような存在になるべきではないか！」と熱弁していました。

今日はちょうど近所の友人の姉妹と、彼女の娘さんに会いました。「あなたのことは聞いているよ。もうイスラエルに来て何年もたっているでしょう。怖くはない？　日本は、イスラエルのことをどう思っているのかしら？」。それで、BFPに関わる皆さんが、どれほどイスラエルを愛し、イスラエルを支援しているか。また、スデロットなどのガザ近辺の町を支援していること、反ユダヤ主義がはびこる中にあっても、根強くイスラエルと共に立っていることを伝えました。

立ち話が長くなるうちに、周りの人たちは帰ってしまい、人影はすっかりまばらになってしまいました。彼女たちとはその場で知り合ったばかりでしたが、話はどんどん弾み、キラキラと輝く大きなハヌキヤの下で、いっしょに「アム・イスラエル・ハイ！」（イスラエルの民は今も生きている！）と告白しました。

「見よ、闇が地をおおっている。暗黒が諸国の民を。しかし、あなたの上には主が輝き、主の栄光があなたの上に現れる」（イザヤ60：2）

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