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ハイメール通信No. 313 被災者の心の傷を覚えて


■ 被災者の心の傷を覚えて

NHKの取材によれば、6月~9月の4ヶ月間で、東日本大震災に関連する自殺と認められた数が38件に上ることがわかりました。阪神淡路大震災のときに「孤独」と自殺に特別な因果関係が認められたことに対し、今回の震災では家族も無事で、生活再建に向けて頑張っていた人や、避難所では明るく振舞っており、話す人も多かったという、「孤立」とは無縁の方が突然命を絶ってしまうというケースが出てきています。

宮城県東松島市では、この市内だけでも1,027人がうつ病やPTSDの症状を訴えていることがわかっています。同市の調査から、深刻な心の状態へと被災者を追い込む大きな理由に、「失業や借金など経済的な問題」があることがわかりました。心のケアと同時に、やはり並行して生活再建、復興への支援が必要です。

また、もう一つの原因として挙げられているのが「自分のルーツである故郷の風景など、アイデンティティにかかわる喪失体験」です。喪失感がどこから来るかというのは、人それぞれ、大切にしているポイントが違うので、一概に計ることができません。ある人は、お墓が流されてしまったことを苦にします。そこに先祖と自分のアイデンティティを見出していたからです。またある人は、毎日見ていた山がなくなった、という自分の原風景に対する喪失感を抱きます。そのような個々の喪失体験は、外見からは判断できず、相互に信頼関係がなければ、吐露しにくい部分でもあります。震災にあった50万人の方々が、それぞれに個々の苦しみを抱えていると言えます。

岩手県大槌町の被災者を支援するネットワークでは、24時間パーソナルケアのできる体制を作りたいという願いを持っています。しかし、ピーク時のおよそ2割にまで減ってしまったボランティアの数を考えても、また、ボランティアとはいつかは去らなければならない人であることを考えても、将来的に去ることの無い、被災者自らが、地域に根ざしてそのような支援体制を作りたいと願っています。

<祈り>

  1. 国の経済支援が本当に必要なところに行渡る支援となるように。
    うつ状態で働くことのできなくなった人への医療支援や、経済支援の認定が速やかに行われるように。
  2. 心の傷に苦しんでいる方々に、主の慰めと励ましが届くように。
    クリスチャンが祈りによって、守りの垣根を築いていくことができるように。
  3. 被災地の教会は、同じ被災されていながら、支援活動を展開するという、厳しい状況にあります。主にあって強められ、守られるように。
  4. ピーク時の2割にまで減っているというボランティア、人材(長期でかかわることのできる人)が与えられ続けるように。
  5. 人の心を満たすことのできるのは主以外にありません。
    主の愛によって、深い喪失の悲しみにある方々が癒やされていくことができるように。

信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです。(ヘブル11:1)

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