ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信号外 ガザ地上戦始まる ~イスラエル北部でも警戒態勢~
2日、イスラエルではベエルシェバにグラッドミサイルが着弾。ガザから40Km以内の町が射程に入り、イスラエル人90万人(人口の約15%)がミサイル攻撃の対象となったことが明らかになりました。
3日夜(日本時間の日曜朝)、国境に待機していた地上軍が3方向からガザへ侵攻を開始しました。おびただしい戦車軍と約2000人の歩兵がガザ内部へ侵攻するとともに空軍の空爆、海軍の砲撃で激しい総攻撃が行われています。
目的は、ハマスの組織を壊滅することです。攻撃の対象はハマス指導者のピンポイント攻撃、指導者らの自宅及びハマス関連建物や、ミサイル発射に使われている地点の破壊です。これまでに40箇所に及ぶハマス関連の施設はすべて空爆によって破壊されました。
武器保管やミサイル発射場に使われているとみられるインターナショナルスクールも攻撃の対象とされました。イスラエル軍のミサイルがモスクを直撃し、祈っていた200人のうち子供4人を含む16人が犠牲となったもようです。(写真:民間人家屋付近から発射されるロケット弾)
現在までの死者は500人。このうち少なくとも20人は民間人であると推測されていますが、4分の1の125人が民間人だと主張する記事もあります。
イスラエル軍は、総攻撃の前に、民間人は家から出ないように警告するちらしを散布しました。また、ガザ在住のパレスチナ人で外国籍を持つ人々は2日、イスラエル軍のエスコートでイスラエル領内を通過し、ヨルダンへ脱出しました。そこからそれぞれの国へ帰還しています。
イスラエル軍側では重傷者2人を含む負傷者が30人。それぞれイスラエル国内に病院に搬送されましたが、重症を負った兵士2人のうち1人エマニュエルオフさん(22)が4日、病院で死亡しました。エマニュエルオフさんはガザへ侵攻する直前に母親に電話をかけていました。(写真)
空爆が始まってからハマスのトップ指導者3人を含むリーダー格メンバー約50人がイスラエル軍によって殺害されました。イスラエル軍はいまやハマス政府のイスマエル・ハニエ首相の殺害にまでせまっていると分析されています。
現在、イスラエル軍はガザを2つに分断し、武器やテロリストの移動を遮断して、ハマス壊滅に向けた攻撃が続けられています。
4日、イスラエル軍はかつてユダヤ人居住地だったグシュ・カチーフに到達、ガザ市を包囲にむけた動きを始めています。イスラエル軍はすでに数千人の予備役兵に招集をかけており、長期戦に備える構えです。(写真:招集を受けて準備する予備役兵たち)
イスラエルは引き続きガザへ人道支援を連日行っています(写真)
写真はガザのパレスチナ人の救急隊員(左側人物)から負傷した少年を受け継いでイスラエルの病院へ搬送するイスラエルの救急隊員です。
ガザでの地上戦が始まって以来、国防軍では、イスラエル北部がヒズボラの攻撃に備えて最高レベルの警戒にあたっています。
2006年の第二次レバノン戦争は、イスラエル軍がガザへ侵攻した2週間後、ヒズボラがイスラエル北部へ侵入し、イスラエル兵2人を拉致したことからはじまりました。
さらに2月は、ヒズボラの最高軍事司令官だったムグニエをイスラエルが暗殺した(とヒズボラは考えている)月でもあります。ヒズボラはムグニエ暗殺への復讐を誓っており、1周年にあたる2月ごろに攻撃を開始する可能性があります。
さらにイスラエルはイランの動きをも警戒しなければなりません。3日(イスラエルがガザへ地上戦を始める直前)、イランの国家最高安全保障委員会のサイード・ジャリリ長官がシリアのダマスカスに入り、ガザ攻撃を始めたイスラエルに対する対処について会談を持ちました。
イランとヒズボラは、もしイスラエルがガザへの地上戦を開始した場合、ヒズボラがイスラエルへロケット弾を撃ち込むことで合意したと発表しています。最も懸念される最悪の事態は、イスラエル軍がガザのハマスを壊滅させ、再度ガザを占領する状態になったときに、ヒズボラ(イランの支援)がイスラエルへ総攻撃を仕掛けてくることです。(オルメルト首相はイスラエルがガザを再占領することが目的ではないと語っています)
バラク国防相は、北が平穏であることを望むが、もし必要な状況が起こった場合、イスラエルはいかなる状況にも対処する用意があると語りました。
ハマスは、ライバル組織でアッバス議長率いるファタハのメンバーたちを「イスラエルの協力者」として次々にとらえ、これまでに35人を虐殺。さらに75人の足を撃ち抜いたり、手を骨折させて負傷させ、イスラエルに協力できないようにしています。(ラマラのファタハ(パレスチナ自治政府)がエルサレムポストに語った情報による)
ハマスは、ファタハがイスラエルの攻撃に乗じて、ガザ内部を混乱に陥れようとするなら、アッバス議長を絞首刑にすると豪語しています。これは、イスラエルがファタハメンバーを救出に来るのではないかとの恐れであるとも見られ、壊滅に近づいているハマスがかなりあせっていると推測されています
地上軍の投入とともに、今週末だけでカチューシャロケットが90発ガザ周辺のネゲブ西南部に着弾しました。ロケット弾の射程範囲内にある町々の学校はすべて休校となっています。ハマスは、テルアビブまで届く射程60Kmのロケット弾を使用可能であると言っています。
(写真:シェルターで生活する人々を慰問するネタニヤフ氏)
ガザ侵攻が始まって8日目となりました。西ネゲブ地方の住民たちの中には精神的な混乱を処理できず、ホットライン(電話相談)を利用する人が急増しています。
利用者の40%は子供たちとその両親です。精神的なショックから子供たちの行動パターンが変わり、両親がパニックになって相談してくるケースが最も多くなっています。子供たちが会話可能であればセラピストが直接電話で対応し、症状がひどい場合は救急室へ紹介します。
アシュケロン、アシュドッド、ベエルシェバではできるだけ平常と変わらない生活を続けるよう指導がなされているため、大人たちはいつも通り仕事に出かけています。
休校になって一人で家にいる10代、20代のユース世代がホットラインに頼る傾向にあります。特にベエルシェバではサイレンが聞こえない地域があり、その地域の住民の不安はかなり厳しい状況です。
2日、スデロットの回復センター(防弾ルーム)ではネゲブ地方在住者に対して60人のソーシャルワーカー、セラピスト、心理学者、精神科医がトラウマによる心身症・精神救急法に関するセミナーを行いました。安息日の朝8時でしたが、会場は満員となりました。
人の体は、危険が迫ったとき、全身を極度の緊張状態にするしくみになっています。その緊張をうまく解けなかった場合に、緊張が持続したり、急に緊張が現れるようになり、中枢神経に悪影響を及ぼすようになります。
すると心身に症状が現れる「心身症」となります。これを解決するために、緊張を解く技術を住民に教えようする試みです。
ネゲブ地方には今も移動テント生活を続けるベドウィン族がいます。彼らはシェルターを持っておらず、全くの無防備状態です。実際テントのすぐ近くにロケット弾が着弾したとの報告があります。(写真:ガザから発射されるロケット弾)
アメリカは、停戦にむけて各国首脳と電話で連携をとりながらも「これまでのような一方的な停戦はありえない。」としてイスラエルがハマスを壊滅させるための時間を与えるような動きをしています。その兆候は、次の国連安全保障理事会が、5日(月)まで延期されたことに現れています。地上戦は理事会の前にはじまったことになります。
またEUにおいても、停戦に向けた動きを見せながら、月曜(5日)に計画されていたガザ情勢に関する会議を7日(水)にまで延期しました。月曜にフランスのサルコジ大統領がイスラエルを訪問し、停戦への調停を試みることになっています。これに先立ち、イスラエルのリブニ外相が、サルコジ大統領を訪問しています。サルコジ大統領は「ガザ市民に苦悩をもたらした責任はハマスにある」と語っています。
ガザでの地上戦が始まった3日、北部の町サキニンでイスラエル在住のアラブ人10万人が抗議デモを行いました。デモにはアラブ系国会議員も参加していました。
警察はこのデモを平和的に行うならと許可をだしています。テルアビブでもユダヤ人とアラブ人1000人以上がラビンスクエアに集まりガザ侵攻を激しく非難しました。 (写真)
そのデモに対抗し、イスラエル国防軍を支持するデモが行われています。(全国規模の世論調査では国民の8割は、ガザ侵攻を支持しているとの結果が出ています。)
北部では先週だけでアラブ人210人が投石など危険行為で逮捕されています。全国では442人、そのうち未成年が149人にのぼります。ガザ侵攻がはじまってから、384人のパレスチナ人がイスラエル領内に侵入し逮捕されました。現在12000人の警察官が全国でパトロールにあたっています。
苦難の日に主があなたにお答えになりますように。ヤコブの神の名が、あなたを高く上げますように。主が聖所から、あなたに助けを送り、シオンから、あなたをささえられますように。
あなたの穀物のささげ物をすべて心に留め、あなたの全焼のいけにえを 受け入れてくださいますように。 セラ主があなたの願いどおりにしてくださいますように。あなたのすべてのはかりごとを遂げさせてくださいますように。私たちは、あなたの勝利を喜び歌いましょう。私たちの神の御名により旗を高く掲げましょう。
主があなたの願いのすべてを遂げさせてくださいますように。
今こそ、私は知る。主は、油をそそがれた者を、お救いになる。
主は、右の手の救いの力をもって聖なる天から、お答えになる。
ある者はいくさ車を誇り、ある者は馬を誇る。
しかし、私たちは私たちの神、主の御名を誇ろう。彼らは、ひざをつき、そして倒れた。しかし、私たちは、立ち上がり、まっすぐに立った。
主よ。王をお救いください。私たちが呼ぶときに私たちに答えてください。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
画像提供:www.israelimages.com、Isranet他
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