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エルサレム、神の選ばれた場所 -後編-

TEXT: レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

前編では、エルサレムが王なる神の都であることを聖書から学びました。後編では、エルサレムを巡る現代の攻防を見てまいりましょう。

Michio Nagata/bridgesforpeace.com

メシアへの待望

聖書には王に関するみことばが数多く登場します。ユダヤ教とキリスト教の聖書学者は、これらのみことばをやがて来るメシア時代の観点から見ています。クリスチャンはイエスの再臨によってメシアの時代が到来するのを待ち焦がれ、ユダヤ人は初臨のメシアによってその時代が訪れるのを待ち望んでいます。私たちの間には大きな違いがありますが、メシアが来られた時、共に天の軍勢と喜ぶという点では一致しています。

キリスト教もユダヤ教も、地上の実際のエルサレムと天のエルサレムがあると考えます。
新しいエルサレムについて、黙示録は次のように描写しました。

私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとを出て、天から下って来るのを見た。そのとき私は、御座から出る大きな声がこう言うのを聞いた。『見よ。神の幕屋が人とともにある。神は彼らとともに住み、彼らはその民となる。また、神ご自身が彼らとともにおられて、彼らの目の涙をすっかりぬぐい取ってくださる。もはや死もなく、悲しみ、叫び、苦しみもない。なぜなら、以前のものが、もはや過ぎ去ったからである』(黙21:2〜4)

そして、御使いは御霊によって私を大きな高い山に連れて行って、聖なる都エルサレムが神のみもとを出て、天から下って来るのを見せた。都には神の栄光があった。その輝きは高価な宝石に似ており、透き通った碧玉のようであった。都には大きな高い城壁と十二の門があって、それらの門には十二人の御使いがおり、イスラエルの子らの十二部族の名が書いてあった。…また、都の城壁には十二の土台石があり、それには、小羊の十二使徒の十二の名が書いてあった(黙21:10〜12、14)

聖なる王の都、神の都エルサレムは永遠に大切なのです。

王の都

今日も世界中に王室は存在し、素晴らしい王族の宮殿があります。こうした王の威光、壮大さに引き付けられ、現地には観光客が大挙して訪れています。

主を信じる者は、主こそ王だと考えます。その主がエルサレムをご自分の住まいとして選ばれたことを考えるなら、大王の都エルサレムがどんなに人を引き付ける力をもっているか理解できるのではないでしょうか。ある人は、神にもっと近付きたいと願ってエルサレムを訪れます。彼らは小さな紙に祈りを書いて西壁の裂け目に挟み、神の御顔を求めます。

聖なる場所で人々は今日も祈りを捧げます
Oleg Zaslavsky/shutterstock.com

ソロモン王は神殿を神に奉献した時、多くの素晴らしい祝福を祈りました。中でも次の祈りは私にとって特に意義深いものです。「また、あなたの民イスラエルの者でない外国人についても、彼があなたの御名のゆえに、遠方の地から来て、―彼らは、あなたの大いなる御名と、力強い御手と、伸べられた腕について聞きますから―この宮に来て祈るとき、あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天でこれを聞き、その外国人があなたに向かって願うことをすべてかなえてください。そうすれば、この地のすべての民が御名を知り、あなたの民イスラエルと同じように、あなたを恐れるようになり、私の建てたこの宮では、御名が呼び求められなくてはならないことを知るようになるでしょう(Ⅰ列王8:41〜43)

79年に初めて西壁を訪れた夫は、神の臨在に圧倒されそうになりました。神はご自分の名を置くとおっしゃったその聖なる場所で、今日もご自分の民とお会いになるのです。皆さんがエルサレムを訪れる時には、必ず西壁で祈り、ソロモン王が祈った約束をぜひ確認してください。

一方、エルサレムに来る人々の中には主に敵対する者もいます。歴史上多くの人が、神がご自分のものとされたこの町を滅ぼそうとしたり、分断しようとしたりしてきました。英語版のウィキペディアには「長い歴史の中でエルサレムは52回にわたって攻撃され、44回にわたって占領された後奪還され、23回にわたって包囲され、2度にわたって滅ぼされた」とあります。

霊的世界においても私たちの王なる主を王座から引き下ろしたいと願う者たちがいます。その者たちは御国の道に歩みたくないのです。

この時代に、神は地の四隅からユダヤ人を集めておられます。彼らは神の聖なる都を守る者たちです。数々の戦いの中で、神は幾度となくユダヤ人に目を掛けてこられました。にもかかわらず、国連を始め世界の権力者の中には、いまだにイスラエルに敵対し、イスラエルの神のご計画を阻止しようとする者たちが大勢いるのです。

再統一されたエルサレム

「エルサレムの平和のために祈れ。『おまえを愛する人々が栄えるように』(詩122:6)」。このみことばを読んだクリスチャンたちは、どこにいてもエルサレムの平和のために祈っています。このみことばの締めくくりを読んでみましょう。「私の兄弟、私の友人のために、さあ、私は言おう。『おまえのうちに平和があるように。』私たちの神、主の家のために、私は、おまえの繁栄を求めよう(詩122:8〜9)

ヘブライ語聖書には母音が書かれていません。ヘブライ語は子音言語なので、単語は三つから四つの子音で表します。そのため幾つかの訳が考えられるものがあり、翻訳者は文脈から判断して適切な訳語を選びます。詩篇122篇のキーワードである「平和」は、シン-ラメッド-メムの子音からなり、シャローム(平和)ともシャレム(一体性、完全さ)とも訳すことができます。

67年、エルサレムはイスラエルの主権下で統一されました。今年はエルサレムが完全にされてから50周年に当たります。

48年の独立戦争で、エルサレムはヨルダンに占領されたものの、エルサレムがヨルダンの領土だったことは一度もなく、ヨルダンによる占領も2カ国が認めただけでした。19年間にわたるヨルダンの占領期間中、聖地巡礼は(ユダヤ人もクリスチャンも)厳しく制限されました。ユダヤ人地区は荒廃し、エルサレムの景観は東エルサレムと西エルサレムを分断する見苦しいノーマンズランド(非武装無人地帯)によって損なわれました。

エルサレム解放を喜ぶラビのシュロモ・ゴレンと兵士たち
gpophoto.gov.il

67年、イスラエルは再びエルサレムを含む戦線で戦いに直面します。奇跡的にわずか6日でイスラエルが勝利し、戦争は終結しました。ヨルダンが占領していた領土は、落下傘部隊が西壁に到着した時に再びイスラエルの統治下に入ったのです。

エルサレム旧市街の解放戦を指揮したウジ・ナルキス将軍は、後に次のように語りました。「私は静かにこうべを垂れた。その狭い場所には、汚れ、疲れ果て、重い武器を担いだ落下傘部隊がいた。彼らは泣いていた。それは喜びと愛と情熱の涙であり、献身と祈りを捧げてきた古代記念碑に、夢にも思わなかった再会を果たしたことへの涙だった。戦い疲れた粗野な落下傘部隊は石にしがみついて口づけし、シェマーを口ずさんだ」

シェマーとは「聞きなさい。イスラエル。主は私たちの神。主はただひとりである(申6:4)」で始まる祈りです。

エルサレムが解放された後、主席ラビのシュロモ・ゴレンは兵士たちに話し掛けて言いました。「全世代の夢が我々の目の前でかなった。神の都、神殿の場所、神殿の丘、西壁―ユダヤ民族のメシアのあがないの象徴が、イスラエル国防軍の勇士たち諸君によって今日解放された」

世界は、イスラエルに圧力を掛けて国土とエルサレムを分断させようとし続けるでしょう。ネタニヤフ首相はそれに対し、「イスラエルはどのような状況にあってもエルサレムに関する交渉に応じない。それはアメリカ人がワシントンについて、イギリス人がロンドンについて、フランス人がパリについて交渉に応じないのと同じである。イスラエルはエルサレムの中でアラブ人に平等な権利を与える準備がある。しかしエルサレムに対する権利は一切与えない」と述べました。

私は偉大な王と共に立ち、エルサレムは神がご自分の名前を置かれた神の都であると宣言します。私たちと共にエルサレム全体とエルサレムの平和のために祈ってください。

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