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プロジェクトレポート

キッズプログラム 危機に瀕する子どもたちを救う働き

TEXT:レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

再び、エルサレムの広場には、老いた男、老いた女がすわり、年寄りになって、みな手に杖を持とう。町の広場は、広場で遊ぶ男の子や女の子でいっぱいになろう。(ゼカリヤ8:4-5)

BFPは子どもたちを支援します

昨年末、イスラエルの児童に関する国家機関が、シモン・ペレス大統領に年報を提出しました。そこには、イスラエルの児童の三人に一人が貧しさの中にあるという悲しい事実が記されてありました。また、その報告書では、虐待の犠牲になった子どもの数が増加していることも指摘されていました。ペレス大統領はその報告の際、「我々はたった一人の子どもであっても失ってはならない。イスラエル国家は国の将来の屋台骨になっていく児童の教育と福祉に真剣にかかわることを宣言する。」と述べました。

イスラエルには2010年末に251万9千人の児童がおり、その数は国民全体の32.7パーセントを占めています。また、2010年に貧困ライン以下の生活をしている児童数は88万9500人に達しました。(これは、児童全体の35.3パーセントにあたります)

このような報告書を読むと心が重くなります。それは単なる数字ではなく、多くの傷ついた子どもたちや彼らの家族の状況を表しているからです。私たちは常にイスラエルの子どもたちを助け、彼らに、より明るい将来へのチャンスを提供したいと願っています。実際、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)から配給される食料支援のうち、およそ50%が子どもたちへの支援になっています。毎月BFPを通して1万3千人を超える子どもたちが食料を得ています。

BFPは『キッズプログラム(貧困で苦しむ子どもたちを支援するプログラム)』を通して、およそ300人の子どもを支援しています。キッズプログラムにより、子どもたちは学校で毎日の温かい給食を食べられるようになっています。また、学校で掛かる費用(教科書、校外活動、カバン、学用品、制服代など)が支援されます。誕生日にはプレゼントが贈られています。

キッズプログラムは、通常は1年単位の継続支援ですが、一度限りの特別支援をお送りくださる方もいます。それらの特別支援を総合して、BFPは、学校に教育教材や楽器、コンピューターなどの備品を提供しています。皆様のお祈りとご支援により、彼らの特別な必要が示されたとき、すぐにその必要を満たすことができることを感謝します。

ある大家族の感謝の言葉

最近、BFPが支援している、エルサレムのある大家族からお礼状を受け取りました。

「私たちはメア・シェリーム(正統派の住む地域)から近いブカリムという地域に住む一家です。私たちは、隣近所を通る狭い路地を見下ろせるようなアパートの三階に、8人家族で、ひしめき合って暮らしています。BFPは私たちの家族です。私たちはあなた方とこうして絆を結ぶことができ、とても恵まれていると思います。神が私たちにたくさんの好意を示してくださいました。そして、クリスチャンの友人が、いつも私たちのそばにいてくれることを実感しています。

私の夫は何年間もトーラー(創世記から申命記)を、教える教師をしています。親のいない移民の子どもにトーラーを教えていますが、わずかな給料しか得られません。そのような状況下で行われた娘の結婚式に、家族同様のあなた方BFPの人々も出席してくれました。娘の結婚式だけではなく、息子たち全員の割礼式、そして成人式(バル・ミツバ)に来てくれましたね。

キッズナハロットの小道プログラムで
給食の支援を受けている子どもたち

私たちは、BFPのトラック運転手、ヨセフと知り合い、彼が大好きになりました。彼はBFPという団体をよく表しているだけでなく、本当に必要としている食料を丁寧に届けてくれます。私たちが心の中で、「主よ。今晩、何を食べたらよいのでしょうか?」と祈っているまさにそのタイミングで、食料が届くこともあります。おかげで、毎週十分に与えられ、子どもたちがお腹を空かせてベッドに入ることがなくなりました。

また、こういうこともありました。トイレットペーパーが切れてしまい、どうすることもできなかったので、私たちはヨセフがトイレットペーパーを持って来てくれるように祈りました。すると、ドアをノックする音が聞こえ、そこに私たちが祈ったものを手にしているヨセフがいたのです。

BFPはまた、私たちの誕生日を決して忘れたことはありませんでした。それぞれに合った贈り物をくださり感謝しています。特に、子どもたちに対するプレゼントをありがとうございます。ある年、私の一番下の娘が人形を欲しがったときのことを思い出します。私には娘に人形を買ってあげるお金がありませんでした。そんなとき、BFPのボランティアが彼女に人形を贈ってくれました。彼女は本当に嬉しそうでした。娘は今でも、その人形で遊んでいます。小さな人形でさえ、私たちには手の届かないものなのです。

何年もの間、神は皆様を用いて私たちの食卓に食べ物や必要な物を備えてくれました。新しい食器、冷蔵庫、ガスコンロ、ベッドや寝具なども与えてくれたBFPに感謝しています。以前、私たちのアパートの部屋全部のペンキを塗ってくれたこともありました。皆様のおかげで、クリスチャンに対する私たちの考えが変わりました。私の愛と感謝を皆様に表すこのような機会を感謝します。BFPは私たちに希望を持たせ、子どもたちに未来を与えてくれました。」

通りで遊ぶ子どもたち

預言者ゼカリヤは8章で、ユダヤ人がシオンに戻ってくることを預言しました。彼は生き生きとその祝福された情景を描写しています。

「主はこう仰せられる。『再び、エルサレムの広場には、老いた男、老いた女がすわり、年寄りになって、みな手に杖を持とう。町の広場は、広場で遊ぶ男の子や女の子でいっぱいになろう。』」(ゼカリヤ8:4-5)

これと全く同じ光景を、イスラエルで何度目にしたことでしょう。

ナハロットの小道

ナハロットはエルサレムでも魅力的な町の一つです。道は狭く曲がりくねっていて、車の通る幅がないほど家々が密集しています。子どもたちはいつも自由に遊び、家から家へと走り回っていました。放課後には、広場で友達と遊んでいる姿が見られます。私がいつも「いいなあ」、と思うイスラエルの良い点は、イスラエル人が本当に子どもを可愛がるというところです。皆が自分の子どもだけでなく、周囲のすべての子どもの世話をするのです。イスラエルでは子どもの誘拐や失踪のニュースを耳にしたことはありませんでした。

ですから、ナハロットの正統派ラビの一人が、私の事務所で話してくれた事件に、どれほど驚愕したか想像していただけると思います。それは、この地域に住む100人以上の子どもたちが組織的な犯罪の標的になっているという話です。子どもたちの写真が児童ポルノに使われているらしいのです。エルサレムの市当局も衝撃を受けています。家族は子どもの無垢な心が傷つけられたことを嘆き、標的にされた子どもたちは心に受けた傷を乗り越えるためにカウンセリングを受けています。

犯罪組織全体が摘発されるまで、ラビと地域の住人は、子どもを守るために注意を払っています。子どもたちは外に出て、自由に遊ぶことができなくなりました。ラビは目に涙を浮かべてBFPの援助を求めてきました。彼らは広場で子どもたちを見守る警備員を雇うためと、子どもたちが安全に過ごせる放課後の活動を立ち上げるために、費用が必要だったのです。BFPは彼らをぜひ支援したいと思っています。このような困難に直面して、私たちの揺るがない愛こそがアガペーの愛から出た真の印となります。ナハロットの人々はクリスチャンが彼らの痛みを共に担ってくれることを知るでしょう。

私たちにできること

皆様は危機に直面するイスラエルの子どもたちを助けることができます。キッズプログラムを通して、一年間、子どもを継続的に支える里親になることをご検討ください。あるいはイスラエルの未来を担うナハロットの町の子どもたちのため、私たちが学校と地域社会に支援の手を差し伸べることができるようにお祈りください。子どもたちが再び広場や通りで遊ぶことができるように。イエスは子どもたちを祝福されました。私たちも主イエスさまと同じ思いを持ち、彼らの必要を満たし、子どもたちを祝福したいと心から願います。

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