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プロジェクトレポート

いよいよその時が来てしまいました -北部フードバンク始動-

TEXT:B.F.P.Japan編集部

戦闘が続くガザ

イスラエルVSハマス

2008年12月末、イスラエルがガザへの空爆を開始しました。ニュースで第一報を聞いたとき、衝撃と同時に、「あ!やはり……」という悲しい思いがわき上がってきました。2005年、イスラエルがガザを撤退すると同時に、国際テロ組織ハマスがガザを占拠しました。その後ハマスは、一日も欠かさず近隣のイスラエルの町々にミサイルを打ち込むようになりました。正確に言えば、撤退前からミサイル攻撃はずっと続いていました。彼らが発射するミサイルは次第に飛距離を伸ばし、ついにベエルシェバまで到達するようになりました。さらに、打ち込まれるミサイルの数も日に日に増えていきました。これらのミサイルや武 器は、エジプトから掘られたトンネルを通って次々とガザに運び込まれ、ガザはテロリストの温床と化してしまいました。私たちはこの状況を知っていましたので、「ハマス解体」という強い決意をもってイスラエルが侵攻したことがすぐに分かりました。

何年間にもわたり、ハマスがイスラエルにミサイル攻撃を行っていることについては、日本で報道される機会はありませんでした。そのため、「イスラエル軍ガザ侵攻」という途中から切り取られたニュースだけを見る人にとっては、圧倒的な軍事力をもつイスラエルの非道だけが注目されることになりました。そして、驚くべき速さで世界中に反イスラエル感情が伝染していきました。この日本も例外ではありません。

価値観の相違

今回のイスラエルの選択を、私たちの善悪に当てはめて考えることは非常に難しいことです。実際にガザ住民の中に死者が出ており、これを良しとすることは決してできません。しかし、もしハマスを解体しないなら、ハマスのミサイルによって死ぬイスラエル市民が後を絶たず、これもまた良しとすることはできません。

ハマスのロケットに被弾した幼稚園

これまで、「話し合いによる解決」が叫ばれ、アメリカやフランスを始めとする多くの国々が和平交渉の仲介をしてきましたが、どれ一つ実を結ぶことはありませんでした。イスラム原理主義者にとって、目的を達するためには約束を破ることも嘘をつくことも神の御前に善とされます。「イスラエル消滅」を憲章にうたい主張する彼らと、共存を叫ぶイスラエル。双方の主張には接点がなく、隔たりが大き過ぎて、話し合いのテーブルに着くことさえできません。日本には「じっと耐える」という文化がありますが、中東にはこのような価値観はありません。沈黙を守ること、それは弱さの現われと評され、攻撃はさらにエスカレートします。現に、これまで沈黙してきたイスラエルを揶揄(やゆ)し、ハマスの攻撃は日々激化して行きました。ベエルシェバまでミサイルの飛距離を伸ばした今、これ以上沈黙を続けるなら、ハマスの攻撃はどこまでエスカレートしていくか分かりませんでした。このように、私たちの常識では計り知れないさまざまな要素が中東問題には横たわっています。

同じ人間として

イスラエル人は神の選民です。しかし残念ながら彼らは「清い人々」ではありません。私たちと少しも変わらない罪を背負った人間であり、間違いも多く起こします。また同時に、人間として私たちと同じように 「平和に幸せに生きたい」と願う人々です。

圧倒的な軍事力によってガザ市民を次々と殺害する鬼畜のように思われているイスラエルですが、イスラエルは人々を殺すことを望んでいるわけではありません。復讐ふくしゅうの言葉として理解されている「目には目を。歯には歯を」というみことばも、「傷つけた相手の目に対して、自分の目を差し出す」という償いの言葉として彼らは理解しています。私たちが人を殺したいと願ってはいないように、彼らもまた理由なく人を殺すことを願ってはいません。イスラエルの願いは、ハマスがイスラエルにミサイルを撃ち込んだり、自爆テロによってイスラエルの人々を殺したりするのを止めたいということだけです。もし私たちが、日本が同じような立場に置かれたらどうでしょうか。価値観が異なる相手と本当の意味での対話をすることができないまま脅威だけが大きくなっていくとしたら、日本はいったいどうすればよいでしょうか。

神の視点に立って

神は、「エルサレムの平和のために祈れ」と私たちに命令されました。今後、反キリストが訪れるまで、エルサレムに平和はやってきません。むしろ争いは拡大するばかりです。また、反キリストのもたらす平和も3年半しか続きません。では神は、平和が実現しないと分かっていながら、私たちに祈れとおっしゃったのでしょうか。

そうではなく、私たちが願って止まない平和は必ずやってきます。私たちの罪を償うために一度地上に来てくださったイエス・キリストが、今度は地上に平和をもたらすために来てくださるからです。そのときこそ真の平和が実現します。その日の実現と、イスラエルの民族的あがないは表裏一体です。(ゼカリヤ書)

私たちは聖書から神のそのご計画を知り、この民族のあがないのために祈り、支援してきました。彼らの行いが正しいか間違っているかに起因しての支援ではありません。あくまでも聖書の土台に立ち、神のご計画の前進という視点での支援です。時代が進むにつれて、もしこの土台に立っていなければ、今後イスラエルを支援し続けることはできなくなるでしょう。同時に、真の意味で私たちの愛と支援の真価が問われるのもこれからではないでしょうか。

神の使命に立って

ガザ地区に食料配布するBFPのドライバーたち

2006年末、主はBFP(ブリッジス・フォー・ピース)に、一つの啓示を与えてくださいました。それは、「戦争やテロなどの危機に備え、北部に食べ物を備蓄しなさい」というものでした。ビジョンを頂いてからの動きは驚くほど早く、世界の支部が一丸となってこのビジョンの実現に取り組んだ結果、祈り始めて間もなく北部のカーミエルという最高の場所に望んでいた以上の倉庫が与えられました。今やこの倉庫にはたくさんの食料や毛布などの生活必需品が蓄えられています。

神は今回のガザ地区での出来事をずっと以前からご存知で、そのためにこの準備をなさったのだと痛感しています。きな臭い状況が続いていたとはいえ、これほど早く北部のフードバンクが役立つときがやってくるとは思ってもみませんでした。これを皮切りに、今後ますます北部フードバンクの必要性が高まってくることが予測されます。現に、北からのミサイルがイスラエルに打ち込まれました。私たちはどのような危機的状況になっても、ここにとどまり続けます。そして愛の支援を贈り続けます。神がイスラエルのあがないのために、私たちを召してくださったからです。

今回のガザ空爆でご支援者の皆様方の中にも、さまざまな疑問やとまどいがあることと思います。私たちは日本という遠い国からイスラエルを見て評論します。しかし、もし自分がイスラエル人だったら、イスラエルに住んでいたら……と立ち止まってこの問題を考えてみていただけないでしょうか。彼らの視点で見るとき、この出来事が彼らにとってどれほどのジレンマであるかを理解していただくことができると思います。「殺してはならない」という掟と、イスラエルの存続危機という狭間で彼らは苦しんでいます。

また、この戦いにはもう一つの側面があります。それは、「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。」(エペソ6・12)という霊の分野です。だからこそ皆様の祈りが必要なのです。祈りなくして真の平和は訪れません。そして万が一、イスラエルが「悪」であるならなおのこと、彼らのために祈りが必要です。

この厳しい状況の中で、皆様が共に立ち続けてくださることを信じています。また、皆様に重ねて心よりお願いいたします。どうか祈ってください。イスラエルのために、またパレスチナのために。皆様の祈りは岩をも動かす力があるからです。

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