プロジェクトレポート

予想を超える歓迎

文:ピーター・ファスト(BFP 国際会長・CEO)

見知らぬ土地への移住には不安や心配が付きまといます。
文化も言語も違う異国の地となれば、なおさらです。
今回は、皆さんの支援が移民の人生に
大きな影響を及ぼしている実例をご紹介します。

昨年7月、フランスから帰還したユダヤ人を空港で歓迎するBFPチーム ©Keren HaYesod

イスラエルの有力国会議員であるタチアナ・マザルスキーさんが、よく口にする物語があります。それは、ある鍋とフライパンのセットにまつわる話です。

1992年、当時17歳だったタチアナさんは旧ソ連を一人で後にしました。同行する家族や向こうで待つ家族もいない中、祖先の地イスラエルへの帰還を選んだのです。

到着した時、そこで待っていたのがBFP(ブリッジス・フォー・ピース)でした。私たちのチームは、世界中のクリスチャンからの贈り物として、鍋やフライパンなどの台所用品を手渡し、新しい故郷への帰還を歓迎しました。それは、この地での自立に向けた第一歩を支える大切な支援です。

あれから33年――。今でもその鍋やフライパンはタチアナ議員の台所で大切に使われています。30年もたてば市場にはもっと良い調理器具が出回っていることでしょう。しかも国会議員ともなれば、買い替えることも難しくありません。

しかし、タチアナ議員にとってそれらの鍋やフライパンは、17歳の少女が未知の世界に足を踏み入れた時に、一人ではなかったことの証しなのです。帰還という重大かつ引き返せない選択をした彼女を、世界中のクリスチャンが見守り、無言の行いでこう伝えました。「私たちはあなたと共にいます」と。

預言書に記されたこと

タチアナ議員が17歳で踏み出したその道は、神が何千年も前から予告してきたことでした。聖書の預言者たちは何十回となく、ユダヤ民族が古(いにしえ)の故郷へ再び集められるという約束に言及しています。

神はイザヤを通し、次のように宣言されました。「恐れるな。わたしがあなたとともにいるからだ。わたしは東からあなたの子孫を来させ、西からあなたを集める」(イザ43:5)。エレミヤを通して約束されたことは、こうです。イスラエルが記憶されるのは、もはや出エジプトによってではない。それよりも大規模な帰還、すなわち地上のあらゆる国々から集められるという第二の帰還によって記憶される日が来る、と(エレ16:14〜15)。またエゼキエルを通して、神ははっきりとこう述べられました。「わたしはあなたがたを諸国の間から導き出し、すべての国々から集め、あなたがたの地に連れて行く」(エゼ36:24

私たちは、これらの約束が実現するのを目撃している世代です。預言者たちを通して語られた古来の約束は、今実際に起きています。私たちがその実現に一役買うよう召されているとは驚くばかりです。

しかし、神の御心に従うことは決して容易な道ではなく、楽な選択でもありません。むしろその逆が真実であることもしばしばです。

帰還することの本当の代償

帰還の呼び掛けに応じた人々にとって、その代償ははかり知れません。快適な生活や慣れ親しんだ環境を後にする人もいれば、自らの意思に反し移住をした人もいます。フランスやイギリス、旧ソ連を始めとする各地で反ユダヤ主義が高まり、ユダヤ人の生活は耐え難いものになりつつあります。彼らは傷を負い、途方に暮れ、恐怖におびえながら到着します。中には、イスラエルへの航空券代はおろか、空港までの交通費さえ払えない人々もいるのです。貯金も仕事もなく、ヘブライ語も分からず、今後の見通しが立たないまま、彼らはイスラエルに降り立ちます。

どのような経緯で来たにせよ、神がそれを実現するとおっしゃいました。たとえ彼ら自身が自覚していなくても、彼らの帰還は神が預言者たちに与えたみことばの実現なのです。

過去を後にして新たな一歩を踏み出すことには不確かさが伴います。だからこそ、私たちの贈り物ははかり知れない意味を持つのです。温かい毛布一式、子どもたちのための学用品、母国語で書かれたタナハ(創世記〜マラキ書)1冊、そして鍋やフライパンのセット。

Photo by Chloe Kaltoum/bridgesforpeace.com

大事なのは物品だけではありません。BFPチームが温かい笑顔で真心を込めて歓迎の品を手渡す時、人々はよく涙を流します。そして心を開き、さまざまな物語を口にするのです。ユダヤ人というだけでクリスチャンの同級生から学校でいじめられた話。教師や校長が肩をすくめながら、心配する親に「別の学校を探してください」と言い放った話。彼らにとってクリスチャンは、自分たちに無関心か、最悪の場合は敵意をむき出しにしてくる存在でした。

そんな彼らをイスラエルで温かく迎えるのも、クリスチャンです。彼らを愛し、聖書の視点から帰還の意義を理解し、見守り、心から祝福する人々。それは、どれほどの影響を与えることでしょう。生活必需品というささやかな贈り物でさえ、長年にわたる彼らの痛みや疑念を払拭し、人生を一変させる力を持ちます。

この物語における皆さんの役割

ぜひ皆さんもこの物語の一員になりませんか。新移民と共に立ち、温かい毛布や調理器具セット、学用品が詰まった通学用リュック、鍋やフライパンを差し出し、こう伝えましょう。「あなたは歓迎されています。ここはあなたの家です」と。

帰還者支援へのご支援は、単なる支援以上のものであり、目に見える形となって現れた神の愛です。それは、タチアナ議員が言う通り、生涯続く贈り物なのです。

わずかな所持品で帰還するユダヤ人へのご支援は、「帰還者支援」にお願いいたします。ご入金方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。

※銀行またはゆうちょダイレクトからの送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。

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