プロジェクトレポート

希望の糸をつむぐ

文:ピーター・ファスト(BFP CEO)

ユダヤ人は今、地上戦に加え、世界から向けられた憎悪とも闘っています。
彼らにとって、イスラエルと共に立つクリスチャンの存在は希望の光です。

今年2月、ヤルデン・ビバスさんが解放された時の映像。
妻のシリさん、息子のアリエル君とクフィル君は無残にもハマスによって殺害されました
Photo by McCoy Brown/bridgesforpeace.com

愛とシャロームを届ける

23年10月7日のハマスによる大虐殺以降、イスラエルは存亡をかけた戦いに巻き込まれています。西側諸国の多くがユダヤ人国家に不可能な基準を押し付ける一方、イスラエルがハマスを打倒する必要性については沈黙したままです。そのような中、ユダヤ人社会の側に堅く立ち、世界で唯一のユダヤ人国家を支え続けているのが、世界中にいる何百万人ものクリスチャンたちです。

今、新たな対立が激化しています。「ユダヤ人に死を!」と叫ぶ何百万人もの人々が世界中の各都市に集まり、憎悪を口にしているのです。シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)やユダヤ人コミュニティーセンターの壁には、スプレーで描かれた鉤十字(ナチスのシンボル)が姿を現しました。このような反ユダヤ主義的憎悪に対し防波堤となっているのが、クリスチャンなのです。

この不合理な憎しみ、その背後にある策略を、どうすれば打ち破ることができるのでしょうか。イスラエルはどうすれば敵を退け、生き残ることができるのでしょうか。答えはただ一つ、イスラエルの神にあります! 私たちは、神がこの世のすべての悪を根絶する日を待ち望んでいます。また、神がご自分の瞳(ゼカ2:8)を決して見捨てられないことも知っています。悪が繰り広げられる中、神が私たちに求めておられることは、正義の道を歩み、暗闇に神の光を届けることです(Ⅰペテ2:9)。光が輝くところでは闇は必ず逃げ去ります。

悪と歪曲を前にして私たちクリスチャンが取るべき反応は、愛とシャローム(完全さ)を示す行動です。シオンを慰め(イザ40:1)、エルサレムのために祈ることです(詩122:6〜7)。BFP(ブリッジス・フォー・ピース)は、心とたましいと精神を尽くしてこれらに取り組んでいます。これが私たちの活動です! 孤独、誤解、憎悪、軽蔑を受け、傷ついたこの国で、私たちは神の愛を実践します。イスラエルとユダヤ人に対する不合理な憎しみは、結局のところユダヤ人を選び(申7:6)、御座に座しておられるイスラエルの唯一の神に向けられているのです。この戦いの震源地を知ることは、クリスチャンにとって極めて重要です。

BFPがお届けする食料は、ユダヤ人に愛と慰めも届けています
Photo by BFP本部

BFPボランティアたちは日々、イスラエルに住むユダヤ人に愛と思いやりを届けています。ホロコースト生存者を慰め、防空シェルターを寄贈して町を祝福し、何万人もの人々に食料を供給し、家を修復しています。キッズプログラムでは、貧困家庭の子どもたちの人生に触れています。イスラエルの救急救命組織「マゲン・ダヴィド・アドム」の救急隊員も慰めています。私たちの活動はすべて、キリストの愛を反映し、イスラエル全土に「あなたは一人ではありません!」とメッセージを発信するものなのです。

ホロコースト生存者の心痛

最近、BFPの学びに参加した人々と共にヤド・バシェム(国立ホロコースト記念館)を訪れました。そこで出会ったのは93歳の生存者ルース・バーリンガーさん。ナチスドイツがポーランドを占領していた当時、ワルシャワ・ゲットーの恐怖を生き延びた尊い女性です。ルースさんは数え切れないほどの恐怖体験について語りました。

ナチス親衛隊はユダヤ人の子どもを殺害することに興じ、ある一人の幹部がルースさんにピストルを向けました。ところが、引き金を引く代わりに幹部は「さっさと家に帰れ」と言い残し、立ち去ったそうです。まさに九死に一生を得た出来事でした。ルースさんが10歳の時の出来事です。

ワルシャワ・ゲットーでは、飢餓と病気で死んでいく何千人もの人々を目にしました。ついに30万人以上のユダヤ人がトレブリンカ絶滅収容所に送られ、虐殺される日が訪れます。しかし、ルースさんは両親と共に奇跡的に逃げ延び、戦争が終わるまで身を隠すことができました。

胸が張り裂けそうなルースさんの記憶の数々を聞きながら、その場にいた誰もが涙しました。当時は神への信仰を失っていたこともルースさんは率直に認めました。これは多くの生存者に共通する反応です。しかし、深いトラウマの傷を負いながらも、ルースさんは希望に満ちた人生を選び取りました。

ところが、23年10月7日の出来事と世界的なユダヤ人憎悪が、ルースさんの心を再び打ち砕きます。この憎悪は「ホロコースト直前の数日間に経験したものと似ている」とルースさんは言います。一方で、その場にいたクリスチャンたちが涙をもって耳を傾ける姿に、ルースさんは愛を感じ取っていました。

講演が終わると、私は彼女のか弱い手を握ってこう伝えました。「あなたは愛されています。イスラエルの神は生きておられ、世界中のクリスチャンはユダヤ人と共に立っています!」。そして、私たちがイスラエル人に食料を提供していること、生存者を祝福し、救急車も寄贈していることを伝えました。「この愛は私たちの信仰から生まれたものです」

この愛こそが、私たちが真実のために立ち上がり、イスラエル国家を慰める原動力となっています。「世界は、あなたの物語と生き残った奇跡を知るでしょう」とルースさんに告げた瞬間、ルースさんの目に希望が輝き、その口から祝福の言葉があふれ出ました。

この危急の時にイスラエルの人々と共に立ち上がりましょう! 光を輝かせ、闇を押し返しましょう! イスラエルの人々がキリストの愛と支えを知ることができるように、具体的な行動によって愛を示しましょう!

ルースさんは幸いにもワルシャワ・ゲットーの飢餓を生き延びることができました。その一方、生きることがかなわなかった人々が大勢いることも事実です。今日も食料不安に直面しているイスラエル人が多数います。ルースさんの過去を変えることはできません。しかし、誰かの未来をつくることはできます。食卓に食事を並べ、見守りと愛を伝え、彼らが孤独ではないことを思い出していただきましょう。

「食料支援」に参加し、イスラエルの人々を祝福する輪に加わりませんか。皆さんのご支援は、食事を提供するだけにとどまらず、キリストの愛を具体的に表すものとなります。

食料不安に直面しているイスラエル人へのご支援は、「食料支援」へお願いいたします。ご入金方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。

※銀行またはゆうちょダイレクトからの送金の際は、必ずご連絡をお願いいたします。

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