プロジェクトレポート

怒りの猛威

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

連日のテロによる驚異 ©Ashernet

ガザとの軍事衝突が落ち着いた矢先、ここ数カ月、イスラエルに住む誰もが脅威にさらされる国内でのテロが頻発しています。今月は、テロのために愛する家族を失った人々への励ましのご支援をお願いいたします。

連続テロの脅威

バス停で起きたテロ ©Ashernet

この数カ月、イスラエルではパレスチナ人やイスラム教徒たちの怒りに満ちた暴力が止みません。ナイフによる残忍な殺傷、暴動、暴走車両による殺人や銃の乱射などが連日起きています。4人の幼い子どもたちの目の前でその父母が射殺され、妻はやもめに、子供たちは孤児になっています。多くの人が病院に搬送され、中には重篤な状態の人もいます。第二次インティファーダ以降、私自身、路上やバスでこれほどまでのテロは見たことがありません。テロリストたちの多くは斧や、なたなどの刃物で武装した十代の若者たちです。13歳と15歳のパレスチナの少年が2人のユダヤ人少年をナイフで刺す事件も起こっています。また一般のパレスチナ人女性たちまでもが、ナイフを持って近付いてきます。彼女たちはイスラエル人に普通に話し掛ける風を装い、突然バッグからナイフを出して襲い掛かります。

2006年のレバノンとの戦争や、昨年までのガザ紛争など、戦時下ではミサイル攻撃に悩まされましたが、警報が早期に鳴るので少なくともシェルターへ逃げる猶予がありました。

今週、あるイスラエル人の母親が「刃物でのテロには警報がないの。どうやって子どもたちを守ればいいの。シェルターに閉じ込めておくわけにもいかないし・・・」と嘆いていました。周りにいたイスラエル人たちも同様に不安の表情を浮かべていました。

スーパーの入口などのセキュリティチェックも厳しくなっている

BFP(ブリッジス・フォー・ピース)のメンバーは78番バスで起きたテロのニュースを聞きショックを受けました。ナイフと銃で襲撃され2人が死亡。8人が重軽傷を負って病院に搬送されたテロの現場となったこの78番バスを、多くのメンバーが通勤に利用しているからです。次のテロ攻撃を恐れて利用者が半分以下に減ったため、町は異様に静まり返っていました。イスラエル政府は緊急会議を招集し、この新たな脅威への対策を検討しています。多くの兵士が治安要員増強のため動員され、エルサレム旧市街入口に金属探知機を設置し、治安部隊と警官が厳戒態勢をとっています。

北部からの脅威

それと同時にシリアとレバノンに接する北部、エジプトと接する南部、またガザと接する西部など各国境沿いの状況も激化してきています。

カーミエル・フードバンクに貯蔵されている食料

イスラエル北部国境に近い町、カーミエル市長によると、次には北部からの攻撃が予想され、熾烈(しれつ)なものになるだろうとのことでした。ですからBFP北部のカーミエル・フードバンクに貯蔵されている食料が、有事に利用可能かどうかを気にされていました。もちろん、「BFPは愛と支援を示すためにイスラエルにいるのですから、困難な時はなおさらです」と市長にお話しをして安心していただきました。

このような時のために

BFPでは、ユダヤ人が痛みと混乱の中にある今こそ、共に固く立つ時であると確信しています。「『慰めよ。慰めよ。わたしの民を』とあなたがたの神は仰せられる。」(イザヤ40:1)

テロ後すぐに遺体の収集や片付けに
駆け付ける緊急部隊 ©Ashernet

BFPチームは誰も国外に逃げ出しません。もちろんBFPではメンバーたちを守るため、誰も公共交通手段を使わずに済むよう考慮するなど、特段の注意を払っています。今のような困難な時に愛を示すように、BFPという団体はイスラエルに存在しています。BFPと共に100人余りの人たちが、使命の一致をもってイスラエルにいます。それはイスラエル、ユダヤ人へ「あなたは一人ではない」という確固たるメッセージを伝えるためです。

BFPチームでは今週、警備に当たる緊急要員の方たちに食料提供を準備し、またユダヤ教の7日間の服喪の期間、弔問客を自宅で受け入れ喪に服するテロ被害者家族へのお見舞いを準備しています。今後BFPでは、やもめ、孤児、負傷者の必要を満たす働きをしていきます。

皆様のご支援を

皆様方から「テロ被害者支援」へご協力いただければ、愛と慰めをもってイスラエルの人々に手を差し伸べることができます。

また有事に備え、カーミエルのフードバンクに食料を大量貯蔵できるよう「食料支援」にご支援いただければと存じます。このような時に皆様のお祈りはまさに命綱です。悪と憎しみが押し寄せるこの時に、BFPとそのスタッフ、そしてイスラエルの人々と共に立っていてくださることに、深く感謝を申し上げます。

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