プロジェクトレポート

悔い改めと良い行い

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

日本と同様、イスラエルの医療費も非常に高額です。日々の糧もままならない中、痛む歯を治療することさえ難しい状況があります。今月はそんな苦しみを抱えるオスナットさんの例を紹介させていただきます。

高額な医療費に苦しんでいたオスナットさん

神の求める断食

9月14日、イスラエルは新年を迎えました。続く22日からは大贖罪日を迎え、イスラエルのほとんどの人が、断食をもって神と人の前に悔い改めをしました。大贖罪日には、神のみならず、他者との関係を回復します。そしてさらに、恵まれない人に惜しみなくささげ、支援をする日でもあります。

「悔い改め」と「貧しい人々を祝福すること」とは、関係があるのでしょうか。ユダヤ人は〝関係がある〞と考えています。

まず、主は断食について何と言っておられるでしょう。「わたしの好む断食は、これではないか。悪のきずなを解き、くびきのなわめをほどき、しいたげられた者たちを自由の身とし、すべてのくびきを砕くことではないか。飢えた者にはあなたのパンを分け与え、家のない貧しい人々を家に入れ、裸の人を見て、これに着せ、あなたの肉親の世話をすることではないか。そのとき、暁のようにあなたの光がさしいで、あなたの傷はすみやかにいやされる。あなたの義はあなたの前に進み、主の栄光が、あなたのしんがりとなられる。そのとき、あなたが呼ぶと、主は答え、あなたが叫ぶと、『わたしはここにいる』と仰せられる。もし、あなたの中から、くびきを除き、うしろ指をさすことや、つまらないおしゃべりを除き、飢えた者に心を配り、悩む者の願いを満足させるなら、あなたの光は、やみの中に輝き上り、あなたの暗やみは、真昼のようになる。」(イザヤ58:6-10)

では、貧しい人々については何と言っておられるでしょう。マタイ25章で、空腹な人、渇く人、獄にいる人、裸の人に心を注ぐことは、永遠の命にも影響すると言われました。また、ヤコブ書1章27節も、「父なる神の御前できよく汚れのない宗教は、孤児や、やもめたちが困っているときに世話をし、この世から自分をきよく守ることです」と言っています。

私たちブリッジス・フォー・ピース(BFP)を含め、世界中のクリスチャン・リーダーたちが、このみことばに基づいて、神の民であるクリスチャンに悔い改めを呼び掛けました。それに応答し、多くの方々が、イスラエルと心を一つにして断食し、悔い改め、祈り、神の御顔を求めました(詩篇105篇4節)。

貧しい人に手を差し伸べる

BFPは「貧しい人々に手を差し伸べる」ことを真摯(しんし)に受け止め、ホロコースト生存者や病人、新移民、やもめや孤児など、孤独で貧困に苦しんでいる2万6千人以上の人たちに、毎月神さまの愛と優しさを表しています。

悩み、苦しみの中にいる人たちを、一人ひとりの必要に沿って支援することもBFPの働きの一つです。オスナットさんは、まさにそんな一人です。BFPでは、最近彼女の電気代の支払い、食材の提供、医療用ベルトの購入をお手伝いしました。オスナットさんからの感謝の手紙をご紹介します。

「私はオスナットと申します。50歳の障害を抱えた女性で、エルサレムに住んでいます。乳がんにかかり、ALS(筋萎縮性側索硬化症)も発症しています。2年前に乳がんの手術を受けましたが、いまだ食欲も体重も戻りません。痛み止めの薬を大量に服用していますが、とても苦しいです。独り身で、残念ながら助けてくれる家族もいません。長年大変な痛みに苦しんでおり、病院からの多額の請求に生活が困窮しています。

オスナットさんがまっすぐ
座れるように、BFPがベル
トの購入を支援しました。

ついには電気代を払うこともできなくなり、真っ暗な中で絶望だけが私を覆っていました。ですから、私にBFPを紹介してくれた人々の優しさに本当に感謝しています。4千シェケルの未払いの電気代をBFPが肩代わりしてくれました。そればかりか、きちんと椅子に腰掛けるためのベルト(1万シェケル)が買えずにいたのですが、BFPはベルトの値段を6千シェケルにまで値段交渉した上、その半額を支払ってくれたのです。これで真っ直ぐ椅子に座って日常生活を送ることができ、本当に嬉しいです。このように皆様が私を助けてくださって、私の人生に多くの喜びをもたらしてくれました。どうもありがとうございます。皆様に神さまからたくさんの祝福がありますように。オスナット」

オスナットさんを助けるうちに、整形外科ベルトの専門家であるアルシュ・ヤコブ先生と出会いました。ヤコブ先生は、オスナットさんのように障害を抱えた人がまっすぐに座れるようケアをしています。ある時、先生がBFPを訪ねてくれました。私たちが世界中のクリスチャンからの支援についてお話しすると、先生は皆様の愛に圧倒されていました。イスラエルで貧困に苦しむ人たちを助け、慰めるために働くクリスチャンがいることを、彼はこれまで聞いたことがありませんでした。彼は計り知れないインパクトを受け、自分が見たこと聞いたことを人に伝えたいと、パンフレットを持ち帰りました。

きよい宗教

これはBFPの働きのほんの一部に過ぎません。オスナットさんは、毎月クリスチャン・スタッフが愛をもって支援している2万6千人のうちの一人です。医療保険が適用されるのは医療の基本的必要に過ぎず、多くの歯科医療、車いすやベルト、医療器材など、かなりの割合の医療費はその適用外です。オスナットさんには食費も光熱費も支払うお金がありませんでした。彼女の月収は家賃と薬代で消えてしまいます。彼女を支援することによって、やもめや孤児など身寄りのない人たちを助けなさいと聖書が語る召しにBFPは応じています。悔い改める時、主を求める時、断食する時、聖書のみことばを忘れないで、みことばを実践して生きていきたいと思います。きよい宗教とは、他者の必要に寄り添うことです。真の断食とは必要としている人にパンを分け与えることだと聖書は語っています。マタイによる福音書25章40節でイエスさまは「これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです」とおっしゃいました。

イエスさまの愛をイスラエルの人たちに示す働きに、続けて共に立っていただければと思います。皆様のご支援で、オスナットさんのように一人で苦しんでいる人たちに手を差し伸べることができている恵みに、深く感謝を申し上げます。

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

Tel 03-5969-9656(平日10時~17時)
Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.