プロジェクトレポート

戦時下のウクライナ

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

ウクライナに残るユダヤ人の窮状をお伝えします。「狩人の時(エレミヤ16:14-16)」が始まり、残された時間は多くありません。BFPの救出作戦が、文字どおりユダヤ人の命を救っています。

ウクライナ、ルガンスクから逃げるユダヤ人たち

祈りの要請

ウクライナ紛争に関するニュースがほとんど報道されなくなりましたが、現地の状況は一向に良くなっていません。東ウクライナでは戦闘により都市機能が麻痺し、基本的生活物資すら手に入らなくなっています。救出作戦のスタッフたちは信じられないほど過酷な状況の中、ユダヤ人の救出作戦に取り組んでいます。戦禍で荒廃した地域から人々を救出する道路は、武装した反体制派、特殊部隊等が行く手を阻み、通常であれば5-6時間で行ける距離に36時間以上かかります。

最近では、ユダヤ人家族を移送中のドライバーに、銃口が突き付けられる事件がありました。とっさに機転を利かせたドライバーがお金を渡し、何とか釈放されましたが、手に汗握る瞬間でした。今では行く手を阻むのが当局職員であろうとテロリストであろうと、賄賂を支払わねば通過できなくなっています。テロリストに少しでも加担したくないという義なる思いと、それを拒否すればユダヤ人の命が危険にさらされるという究極の選択を迫られ、救出作戦に携わるスタッフの精神はひどく消耗しています。

「こんな紛争になってしまった根本は、ユダヤ人だ!」という主張が、まことしやかにささやかれ、ユダヤ人に対する怒りの感情が高まっています。戦禍で荒廃したドネツクとルガンスクで働く救出作戦のスタッフから短い報告と祈りの要請が届いています。

ドネツクより「この地域における出入管理は非常に複雑で、ドネツクを出ることはほぼ不可能です。ドネツクを抜ける幹線道路はバリケードで塞がれ、完全に閉鎖されています。私たちは戦闘地域への往来に壊滅状態にある危険な道路を通るのですが、車両が故障することもよくあります。私たちが今なお命守られて、ユダヤ人を戦地から本国へ帰還できるよう働かせてくださっている神さまに栄光がありますように。どうぞ主が道を開いてくださるようお祈りください。このチームに知恵、適切な指示、健康、強さが与えられますように。主の強さと守りが救出チームとその車両にありますようお祈りください。」

ルガンスクより「ウクライナ側の国境が閉鎖されているため、ルガンスクからハリコフへ渡るにもロシアを経由して24〜36時間かけなければ行けません。4カ所もの検問所を通過し、その待ち時間も非常に長くかかります。私たちチームは家族単位で救出していますから、年齢層は幼子から高齢者までさまざまです。主が道を開いてくださるようお祈りください。先日、8家族をルガンスクからドネプロペトロフスク近くのマヤクへ救出しましたが、そのうち3家族は爆撃により家が破壊されました。ルガンスクでは年金も給料も支払われず、薬もなければ医師もほとんどいない状況です。」

残るユダヤ人

今や親ロシア分離派の目が、ウクライナ南西に位置する港町・オデッサに向けられています。ここには4万人のユダヤ人が暮らしていますが、帰還は日増しに難しくなっています。ある場所では道路が何か所も分断され通行が妨げられ、車は時速45〜50キロでしか進めません。これは移送時間が今までの倍かかるということです。

この春から20回以上もテロ攻撃に遭い、救出作戦の働きの足かせとなっています。あるボランティアは自宅の玄関口で5発撃たれ、今も重体で入院中です。スタッフの一人はこのように述べます。「数日前に豪雨がありました。その時、何かが衝突するような音が聞こえました。初めは雷かと思ったのですが、翌朝コンピュータを見ていると家の近くで爆発があったとの記事を見つけました。何者かが爆発物の入った袋を窓枠に置いたのです。窓もドアも粉々に砕けていました。隣の家の窓ガラスも砕けていました。多くの犯罪がはびこり、夜間に外を歩くことも危険になってきています。」

今こそオデッサにいる4万人のユダヤ人を助け、イスラエルに帰還させる時です。

ハンターの時代

BFP(ブリッジス・フォー・ピース)の救出作戦のパートナー、『エズラ基金』の責任者、メル・ホーゾル氏は数週間前私に「エレミヤ書16章14節から16節に書かれているように、フィッシャー(魚夫)の時代は終わり、今やハンター(狩人)の時代に入ったのだと確信した」と語ってくれました。

戦争で荒廃したウクライナ

今こそユダヤ人がウクライナからイスラエルへ帰還するのを助ける時です。皆様のご支援により、今まで多くのユダヤ人を救出することができました。今年のウクライナからの帰還者数は前年度比で89%も増加しています。そのうち95%の救出をBFPが支援しました。移動、実際に飛行機に乗るまでの間に身を寄せる安全な場所の確保、食料、ユダヤ人であることを証明する書類、ビザの支払い、パスポートの取得等々各人、各家族に合った財政的支援が必要となります。

皆様からのご支援で、ユダヤ人の命を助けることができます。時間がありません。明日では手遅れになってしまう人もいるかもしれないのです。イザヤ書49章22節で預言者イザヤは今の時代をこのように預言しました。「神である主はこう仰せられる。『見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、わたしの旗を国々の民に向かって揚げる。彼らは、あなたの息子たちをふところに抱いて来、あなたの娘たちは肩に負われて来る。』

この預言は私たちのことを指しており、まさに世界中のクリスチャンがユダヤ人をイスラエルへと連れ戻しているのです。プロセスを急ぎ、手遅れになる前にできるだけ多くのユダヤ人を帰還させなければなりません。皆様のお祈りとご支援に、心から感謝申し上げます。

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