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プロジェクトレポート

反ユダヤ主義が帰還に拍車を掛けています

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

イスラエルとハマスの紛争を通して、これまで以上に反ユダヤの声が高まっています。BFPは、イスラエルへ帰還したいと願うユダヤ人を後押し、帰還した直後の新移民を支援しています。

ベルギーから無言の帰宅となったリヴァ夫妻のひつぎ ©Isranet

世界中さまざまな場所で日々新たな反ユダヤ主義が起き、ユダヤ人社会を脅かしています。日本も例外ではありません。多くの人々が怒りのデモに参加し、イスラエルボイコット運動もさらに激化しています。

ユダヤ人が多く住む欧米では、事態はさらに深刻です。ごく最近アルツ・シェヴァというイスラエル放送局のホームページで、グァテマラの小さな町の市長がそこに住むユダヤ人に登録を要求したという記事が掲載されていました。「町のホームページにヒトラーの写真を掲載し、『焼却炉に入れてやる』と書き込みがありました。数日前にはホームページを見た少年グループが私たちに向かって投石を始め、その翌日のホームページは反ユダヤ主義の中傷とひどい写真でいっぱいでした。リンチが始まるといううわさを聞いたのでその夜逃げ出そうとしましたが、24時間もしないうちに少年たちがユダヤ人女性たちに向かって『キリスト殺し!』と叫びながら投石を始めたのです。そのうちの一人は手製の爆弾を投げてきました。」(アルツ・シェヴァより)

世界規模でユダヤ人が嫌がらせを受けています。ひどい暴力を受け、負傷しながら逃げ出す人たちがいます。さらに、5月下旬にベルギーのユダヤ博物館前でイスラエル人夫婦が射殺されたように死者も出ています。またキリスト殺しと糾弾され負傷するユダヤ人も後を絶ちません。命にかかわる危機が、彼らに忍び寄っています。

逃げる準備

その結果、多くのフランス系ユダヤ人がイスラエルにアパートを購入しています。今現在、部屋はまだ空室のままですが、状況が悪化した場合すぐに脱出できるよう備えているのです。フランスは非常に危険だと判断し、既にイスラエルに帰還した人たちも多くいます。今のところ、こうしたフランス系ユダヤ人たちは自力で帰還できるだけの経済力がありますが、そうでない人たちもいます。そのために、ユダヤ人の帰還、特に危機の時の帰還を支援できるようにと立ち上げられたのが『救出作戦』です。世界中、中でも日本からの大きな支援を受けて、2014年4月末日現在、4万5708名を救出することができました。

今年に入ってから、内紛のために逃げ場のない状況から抜け出そうと、ウクライナにいるユダヤ人たちの月間帰還者数が急増しています。暴動が始まってから、何百人ものウクライナ系ユダヤ人のイスラエル帰還を支援してきましたが、今現在も引き続き何千人単位の人たちが迅速に帰還できるよう準備を整えています。全面戦争への脅威のみならず、歴史的に続いてきたウクライナでのユダヤ人迫害が再燃している状況です。今後、ウクライナのように、迫害や混沌から逃れようとするユダヤ人がさらに増えることが予想されます。ブリッジス・フォー・ピース(BFP)の救出作戦メンバーは現在ウクライナなど旧ソ連地域や南米から約2万7千人のユダヤ人救出に努めています。

新移民に贈られる、最初のウェルカムギフト

帰還後の生活

イスラエルへ帰還したからと言って、安泰な生活が送れるというわけではありません。イスラエルに到着した新移民は引き続きクリスチャンの支援を必要とします。住居を探し、ヘブライ語を学び、職業再訓練を受けなければなりませんが、ほとんどの場合、ヘブライ語が上達するまでは低賃金の仕事しか見つかりません。このため、BFPに寄せられる食料予算の50%は、帰還したばかりで新生活に慣れるまで苦労が絶えない新移民に割り当てられています。BFPのプログラムで救出されたユダヤ人には、まず毛布、台所用品、学用品や聖書などの入った新移民ウェルカム・ギフトを贈ります。私たちクリスチャンからの歓迎をできる限りのことをして表します。その後、何百人もの人たちが里親プログラムを利用し、1年間支援を受けます。

先日、里親プログラムの支援を受ける若い正統派ユダヤ教徒の女性は、明らかに疲れ、ストレスを抱えている様子でした。幼い子どもたちを抱え、やるべきことが山積み。追い詰められているようでした。その母親の傍らには乳母車の中で赤ちゃんが寝息をたてています。帰還だけでも大変なのに、親類縁者を故郷に残し、イスラエルに友人も知人もいない彼女の抱えるストレスは計り知れません。しかし彼女の私たちへの言葉は感慨深いものでした。

「BFPは、このようにして聖書預言の成就に携わっているのですね。帰還は本当に大変なことが多いです。言葉も通じない、十分なお金も無い、支援してくれる団体もいない。無い無い尽くしの中で生活していくことができずに、不本意ながらもイスラエルを去らざるを得ない人たちもいます。でもBFPは、私たちのような家族がイスラエルで生活していくお手伝いをしてくれています。皆様方のお陰で、私たちには食料や必要経費の支援を受けることができるだけでなく、頼れる人々がいて、何より神さまを愛する世界中の支援者の方々が祈ってくださっていることがありがたいです。皆様方がいなければ、私は決してこの状況を乗り越えることができなかったでしょう。」

皆様がプロジェクトへの支援をしてくださり、世界のユダヤ人の命が救われています。イスラエルを誰よりも心に掛けているのは他ならぬ神さまご自身だと思います。主のその思いを自分のこととして受け、イスラエルへの愛を示してくださる皆様への、主の熱い思いをぜひ知っていただきたいと思います。何千人ものユダヤ人が幸先の良い新生活を送り、イスラエルにしっかり根を下ろすことができますよう、続けて祈りのご支援をよろしくお願いします。こうした私たちの行動を通して、聖書の預言が実現している恵みを心から感謝いたします。

あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです」とマタイ25章40節にあるように、イエスさまの地上の家族を祝福していただけませんか?

BFPの救出作戦、および、各支援プログラムをご支援いただき、聖書預言の成就のためイスラエルへ帰還するユダヤ人に神様の愛を示していただけるようお祈りしています。

フードバンク、ボランティアチームのためにも覚えてお祈りください

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