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プロジェクトレポート

ウクライナのユダヤ人を助けてください!

TEXT.レベッカ・J・ブリマー(BFP国際会長)

ウクライナ首都キエフの反政府デモ Photo by wikipedia

皆様は、エレミヤ書16章16節に登場する、「漁夫」(フィッシャー)です。今、皆様の祈りとご支援により、命の救出が続いています。

「助けてください!」と、ウクライナで「救出作戦」に携わっているヴィクトールからメールが届きました。ウクライナの情勢が不安定になり反ユダヤ主義が再燃するにつれ、このようなメールがたくさん送られてくるようになりました。実際、身の危険を感じてイスラエルへ逃げる必要性を感じている何百人ものユダヤ人からリクエストが殺到しています。

ほんの2カ月前には、ウクライナの状況がこんなに早くこれほど危険になるとは思いもしませんでした。この危機は政府が一連の抑圧的な法案を可決させたことに不満を感じた学生たちが始めたもので、最初は比較的小規模な抗議活動でした。その法案の一つは、外国からの資金提供を受けている慈善団体や人権団体を「外国からのスパイ」とみなすというものです。この原則で言えば、BFPが支援する「救出作戦」の働き人たちも、スパイということになります。

抗議者は治安部隊によって容赦なく追い払われ、多くの学生がひどい怪我を負いました。その結果、何十万人ものウクライナ国民が政府に反旗を翻しました。現在までに(2月下旬現在)100人近くの死者と多数の負傷者が出る事態となり、衝突は今も続いています。

非難されるユダヤ人

驚くべきことに、この政府の対応によって非難されているのがユダヤ人なのです。ユダヤ人やその共同体に対する暴力行為は恐るべき速さで広がっています。

ウクライナや旧ソ連圏の多くの地域では常に反ユダヤ主義が存在していました。〝ロシア、ウクライナ、バルト諸国及びユーラシアにおけるユダヤ人を支援する国際会議〟という団体の理事マーク・レヴィン氏は、こう強調します。「残念ながら反ユダヤ主義は引いては寄せる潮の満ち引きのように、今もウクライナに存在している。」

実際、ウクライナにおける反ユダヤ主義は根深いものがあり、17世紀に50万人のユダヤ人大量殺害が記録されています。東欧諸国における集団的ユダヤ人迫害行為(殺害・略奪・暴行・差別等)を一般に「ポグロム」と呼びますが、そのポグロムが最初に起きたのもウクライナであると言われています。

第二次世界大戦中は反ユダヤの流れがさらに激化。1941年、ウクライナ西部の都市リヴィヴで、市民がユダヤ人を路上で殴打、暴行、女性は公衆の面前で裸にされ侮辱されるというリヴィヴ・ポグロムが発生。このとき2〜8千人のユダヤ人が殺害されました。また南部オデッサでは、同年3日間で10万人のユダヤ人が無慈悲に殺害されました。同様の事件は後を絶ちません。残念なことに、ウクライナでのこうしたポグロムはしばしばロシア正教会によって支持されていました。

1941年、リヴィヴに設置されたユダヤ人ゲットー
ウクライナ西部の都市、リヴィウの
壁に書かれた落書き。「ユダヤ人
はリヴィウから出ていけ!」

BFPの元局長、ジム・ゲリッシュはよく反ユダヤ主義を〝微熱〟のようだと例えました。放っておくと高熱を発症させる微熱のように、人々や国々に燃え広がるというのです。しかしユダヤ人にとって現在のウクライナの状況は、もはや微熱どころではありません。

あるシャバット(安息日)の日、30歳のダヴ・ベール・グリックマンは安息日の食事からの帰り道に暴行されました。ダヴの悲鳴で暴漢が逃げ出すまで、彼らは執しつ拗ように刺しました。血が流れるままダヴはシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)までよろめき歩き、ミクベ(ユダヤ教の儀式的浴槽)に倒れ込みました。ダヴは大動脈を負傷し大失血をしました。この事件の一週間前にも同様の手口でユダヤ人教師が暴行に遭っています。

クリスチャンによる反ユダヤ主義再び

今、さらにショックなことに、ウクライナの数カ所でロシア正教会からとされるビラが配布されました。このビラは人々に「武器を取り、ユダヤ人を罰するよう」呼び掛けています。以下がその抜粋です。

「兄弟姉妹よ!家族の健康を願うなら、この命令を守りなさい。福音書を買い1日1章読みなさい。『主の祈り』を1日10回読みなさい。ファストフードを避けなさい。ユダヤ人がバリウムやアルミニウムなど毒物をまき散らしている。ユダヤ人は特殊なワクチンを作り出し、あなた方の家族に健康被害をもたらしている。インターネットで、どうやってユダヤ人が我々の子どもたちを殺しているか見るがいい。我々の血を集めて布に染み込ませ、その切れ端を入れたパンをプリムの祭りで我々に食べさせるのだ。我々はユダヤ人のために祈ることを禁じる。詩篇だけを読みなさい。武器を取りなさい。これは合法である。お金がなければ、皆で出し合って機関銃を買いなさい。来たるべき王は、我々コサックに敵を殺す命令をされる。そしてお前たちユダヤ人に告ぐ。ここから出ていけ、イスラエルへ帰れ。ユダヤ人を打ち、ロシア人を救え!」

お祈りください!

エレミヤ書16章には北の国々からユダヤ人が帰還することが書かれています。
「見よ。わたしは多くの漁夫をやって、──【主】の御告げ──彼らをすなどらせる。その後、わたしは多くの狩人をやって、すべての山、すべての丘、岩の割れ目から彼らをかり出させる。」(エレミヤ16:16)

ウクライナ警察隊とデモ隊の衝突 Photo by Wikipedia

エレミヤは、「まずフィッシャー(漁師)が来て、そのあとハンター(猟師)が来る」(エレミヤ16:16)と言っています。我々BFPチームと皆様は、ユダヤ人をイスラエルへ戻すフィッシャーであると確信しています。漁師は魚を生け捕りにします。しかしハンターは獲物を殺して狩ります。現地で帰還を支援する働き人たちは、自分たちフィッシャーの「時」には限りがあり、やがてハンターの「時」が来ると以前から感じていました。後どれくらいの時間が残されているのでしょうか。ウクライナの暴動がわずか2カ月でこれほどひどくなってしまったことを考えるなら、その扉が突然閉ざされてもおかしくはありません。

今こそ敵対する「反ユダヤ」の霊に対し、クリスチャンが立ち上がる時です。また、併せて旧ソ連圏でユダヤ人帰還のために働くクリスチャン・フィッシャーたちのためにどうぞお祈りください。ウクライナにいる我々のチームには二重の危険があります。身の危険が急激に迫っていることと同時に、慈善団体に対する新しい法律により、ウクライナ国家の敵とみなされる危険性があります。ハンターの時が来て身の危険が増大する前にユダヤ人がイスラエルへ戻ることができるよう、熱くお祈りください。

みことば

神である主はこう仰せられる。「見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、わたしの旗を国々の民に向かって揚げる。彼らは、あなたの息子たちをふところに抱いて来、あなたの娘たちは肩に負われて来る。(イザヤ49:22)

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