TEXT:入路 久美子
北関東に位置する茨城県の水戸中央教会(日本キリスト教団)は、震災で教会建物と信徒の方の家に被害を受けました。東北にフォーカスが集まりましたが、茨城県の教会も、同じ被災者として苦しみを乗り越え、教会と地域が一つとなって立ち上がろうとしています。
水戸中央教会は、牧師館を含めた建物に甚大な損傷があり、危険建物と診断されました。現在、教会を半分取り壊し、新築再建の計画を進めています。茨城県の建物損壊は18万7千軒にのぼります(2011年12月12日現在)。教会の周り家屋も多数損壊しました。
さらに、続く余震によってダメージが大きくなり、修繕をしたくてもそのタイミングが計れない。大工さんや建材資材が茨城県には入ってこないという状況が長く続きました。今もなお、屋根の修理をするのに1年以上は待たなければならないという家が多くあります。屋根に応急処置としてブルーシートを貼っている家が多く、雨漏りや粉塵の侵入に悩まされています。
福島第一原発事故(教会から130㎞)を受けて、作物の風評被害も深刻です。さらに、防波壁により、辛くも津波の危機を免れた東海第二原子力発電所から30㎞圏内に位置しています。高さ6.1mの防波壁に到達した津波の高さは5.4mでした。もう少し波が高かったら、すべての電源が壊滅し、福島第一原発と同じ状況になっていたと言います。今後、東海第二原発が守られ、決して放射能事故が起こらないようにと祈っています
山本先生は、水戸中央教会から約13キロ離れた大洗町大貫町にある「大洗ベツレヘム教会」とかねてから親交がありました。福音宣教のために共に励ましあい、前進してきました。今回、大洗ベツレヘム教会は津波で1階が浸水しました。インドネシアの日系人が多く集う教会です。早速、浸水した場所の掃除などの手助けをし、3月20日には礼拝をすることができました。また、反対に、大洗から水戸中央教会の片付けにも、多くの信徒が駆けつけました。インドネシアからも励ましが送られています。困難に立ち向かおうとするとき、このような信仰の友、福音の同労者が与えられていることが幸いです、と山本先生。今後も、お互いに励ましあい補いあい、次なるステップへと歩んでいかれます。BFP からお届けした義援金は、これらの必要のために、尊く用いられています。
水戸中央教会では、教会を新築再建することになりました。多くの必要があります。ぜひ知恵と力が注がれますよう、お祈りください。再建のための費用を捻出するため、教会員がパンフラワーのブローチを作ってチャリティバザーを行うなど、教会が一丸となっています。
大洗ベツレヘム教会では、復興に向けて高台への移転計画があります。震災後、放射能の心配もあり、多くの信徒がインドネシア本国へ帰りました。特に小さな子どもがいるご家族は、やむを得ず帰国を余儀なくされました。しかし、今はほとんどが日本に戻って来ています。一日も早く、会堂建築に適切な場所が見つかるようにお祈りください。
被災地では支援・復興のためのさまざまな非日常の活動と並行して、牧会者としての働きもあります。主が牧師先生方に力を与えてくださり、先生方が語るみことばを通して人々が回復しています。これらの証しが用いられて、地域の励ましと祝福になるように。教会が地の塩・世の光となれるように、お祈りいただけましたら幸いです。
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