TEXT:入路 久美子
福島県郡山市の郡山グレースガーデンチャペルでは、大震災前から「グレースコミュニティーサービス(以下GCS)」を立ち上げ、地域に仕えてきました。GCSは現在、災害支援プランの拠点となり、人々に寄り添う活動を続けています。
「3月11日のあの瞬間から約1週間、私たちも被災者でした。」と三箇先生。郡山市内の教会周辺ではライフラインが比較的早めに復旧し、教会メンバーの安否も確認できました。これから始まるであろう長い復興への道のりを祈り考えるとき、三箇牧師は決心されたそうです。「支援される教会から、支援する教会へと移行する」ことを。そのときから道が開かれました。
支援の内容は大きく3つの段階に分かれています。
ある日突然すべての物を無くしてしまった被災者にとって、クリスチャンからの贈り物が、物心両面の支えとなり大きな励ましとなっています。9月上旬には、目標の100家族の生活再スタートをサポートすることができました。現在は暖房器具を準備中です。神さまは、先を見据えて人々のニーズを教えてくださっており、三箇先生ご夫妻は神さまの声に従って支援プランを立てています。BFPがお届けした義援金は、このプランの一部にお役立ていただけることになりました。
一言では言い表せないほどの困難な状況にある福島県。そんな中で福島県出身でない三箇先生ご夫妻が教会にとどまったことは、教会員のみならず地域にとって大きなインパクトとなりました。水や食料の問題だけでなく、洗濯物は外に干せるのか?窓は開けていいのか?マスクをしなくていいのか?子どもを外でどれくらい遊ばせるのか・・・?など数え切れない問題に直面しています。
将来子どもに何かあったら・・・自分は悪い母親なのではないかと自責の念で苦しんでいるお母さんたちがいます。そのような人々に「私たちは福島県の出身じゃないけれども残っています。子どももいます。クリスチャンです。ここに残った人々を、神さまが守ってくださると信じています。」とお伝えすると、「悩むより、私もそっちがいい。」と言うそうです。子どもたちにあれはダメ、これもダメと言い続け、空気がギスギスしたり、将来、自分が福島県の人間であるということに対して負い目を持つような社会をつくることは、ある意味、放射能そのものよりも恐ろしいことであると三箇先生は考えています。「神さまがご計画を持って残された人々を守ってくださることを信じて、子どもたちを大らかに育てていきたい。」そのように人々を励まし続けておられます。
ある82歳のおじいさんとサポートのための面談をしたときに、その方がおっしゃったそうです。「津波ですべて流され、知り合いもなく縁もゆかりもない郡山市の避難所にいる。でもここ(教会)ができた。また遊びに来てもいいか!?」と。「世の中的には最悪の状態の福島県かもしれないけど、今は宣教をするのに最高のときです。ここに残っている人々の心はとても飢え渇いているからです。今までにない伝道の手応えを感じています。」と三箇先生。神さまが与えてくださった支援プランがさらに前進するように共にお祈りください。
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