ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 125 合意にむけて
アメリカの提案による中東国際会議は11月に開催予定となりました。オルメルト首相とアッバス議長は、会議までに一定の合意を導き出しておくため、定期的な直接会談を行っています。
これまでの情報によると、イスラエルは西岸地区の90%近い土地をパレスチナ側へ引き渡す可能性があります。ヘブロンでは、すでに一部のユダヤ人家族の強制撤退が行われました。
世界列強がパレスチナ国家設立を支援する中、日本政府も同様の動きを見せています。今週、日本の麻生太郎外相がイスラエルを訪問、リブニ外相らと会談しました。
日本政府はパレスチナ自治政府(PA)の経済活性化を支援するため、エリコでイスラエル、ヨルダン、PAの外相と外相会議を開きます。ヨルダン渓谷に農産業公園を建設する計画です。
世界に見放されているガザ。武器密輸のトンネルがみつかっています。現在、表向きは静かですが、ガザ内部ではイスラエル攻撃の準備が着実になされている模様です。今週もイスラエルの平和のためにとりなしましょう。
わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。
イスラエルよ。おののくな。
見よ。わたしが、あなたを遠くから、
あなたの子孫を捕囚の地から、救うからだ。
ヤコブは帰って来て、平穏に安らかに生き、
おびえさせるものはだれもいない。(エレミヤ46:27)
ブッシュ大統領が提案した中東国際会議。イスラエルとパレスチナの二国家共存実現を目標とする国際会議です。11月にワシントンDCで行われる予定で準備が進められています。
国際会議までに一定の合意の形を整えるため、オルメルト首相とアッバス議長は定期的に会談を持っています。国境線、エルサレム問題、難民(パレスチナ)の帰還、土地の交換、西岸地区とガザ地区の回廊、イスラエルとパレスチナ国家のあるべき関係の姿などが話し合われています。
将来のパレスチナ国家の領土は西岸地区が中心になります。イディオト・アハロノト(イスラエル紙)によると、オルメルト首相は西岸地区の90%近い土地をパレスチナ側に返還することを検討中です。
しかし、西岸地区のユダヤ人入植地の一部はすでに大きな「市」になっており、撤去するのは事実上不可能です。その部分の土地についてはイスラエル領とし、かわりにネゲブ地方の一部を引き渡すことも考えられています。西岸地区とガザ地区の間には回廊をつくります。
エルサレムの帰属問題について、オルメルト首相は、東エルサレムの一部はパレスチナ側へ委譲することを検討しています。神殿の丘については、共同支配を考えているようです。また、“パレスチナ難民”はパレスチナ側に帰還するものであり、イスラエル側には“帰還”しないことで交渉が進められます。
8月7日、ヘブロンのショッピングセンター内のアパートに違法に住んでいたユダヤ人2家族と、活動家たち数百人(10代の青年が多い)がイスラエル軍兵士らによって強制退去させられました。
このショッピングセンターは、1994年にユダヤ人テロリストがパレスチナ人を虐殺した事件がおこったため、その後閉鎖されていました。しかし、センターはユダヤ人が所有していた物件であり、賃借りしていたユダヤ人の店子には住む権利があると主張して、2年前に戻ってきた人々がいたのです。
強制退去には3000人の兵士や警察官などが投じられました。活動家らの抵抗が暴力的となり、警察官11人、活動家ら26人が負傷しました。任務を拒否した兵士12人は、収監されることになっています。
オルメルト首相は、アッバス議長との会談を進めるにあたり、パレスチナ自治政府がハマスを含む連立政権に戻らないことを条件としています。ところが、アッバス議長がハマスに「挙国一致」を促すメッセージを送っていたことが明らかになりました。
アッバス議長は、「西岸地区とガザ地区が分離することはパレスチナ人が望むことではない。ガザの市民をサポートすることも私たちの責任だ。」と言っています。アッバス議長は、イスラエルを認めようとしないハマスとの連立はないと明言しています。
オルメルト首相はもし、ハマスとのいかなるつながりが見えても交渉は中断すると警告しました。
* ハマスの支配するガザ地区では、女性がチャドルを着用するなどイスラム化が進んでいます。表面上は平穏に見えますが、7日、イスラエル軍はガザで武器密輸やテロリストの移動に使われていたとみられる地下トンネルを発見しました。
ハマスは13000人の精鋭部隊を育てており、イスラエルを攻撃する準備を整えているとの情報があります。
西側諸国がアッバス議長とパレスチナ国家の設立を支援していますが、日本も一役買うことになりました。
現在麻生外務大臣がイスラエルを訪問し、オルメルト首相、リブニ外相、バラク国防相の他、シモン・ペレス大統領とも面会しています。明日、エリコにおいて、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治政府、日本の外相会議が行われます。
日本はパレスチナ自治政府の経済の発展と安定を支援するため、ヨルダン渓谷に農産業地帯を建設することを提示しています。「平和と繁栄の回廊」と名付けられています。ここでの収穫はヨルダンの集配センターに送られ、そこから必要な地域や外国へ輸出されます。日本は、このほかにもアッバス政権に2億ドルの支援を予定しています。
この2年、イスラエルと日本は、互いの間に要人の行き来があり、関係が深まっていると言えます。
前回、ホロコーストを生存者への生活保証金が1月に20ドル以下であったことをお伝えしました。その後も、生存者へのずさんな生活保障が明らかになり、見直すようにとのデモが行われています。
今年72才になるジェニー・ローゼンスタインさん。ドイツに住んでいたとき、ナチスに拷問されレイプされ、両親、妹、叔父叔母など家族全員をホロコーストで殺されました。
ローゼンスタインさんは1950年にイスラエルへ来ることができました。トラウマによる深刻な心の病と闘いながらテルアビブで自分の美容院を開き、働いてイスラエル政府に35年間税金を払いました。
高齢となり、年金生活に入りました。今はドイツ政府からの補償金とイスラエルの年金あわせて月3900シェケル(約11万円)をもらっています。年金としては悪くないのですが、家賃と税金を満額支払い、高い医療費を払うとわずかしか残らず、肉類を買う余裕がありません。野菜だけで生き延びています。
一方、ローゼンスタインさんの近所に住んでいる人は同じホロコースト生存者でも、政府から支給されたアパートに住み、税金は免除、医療費も大幅に減額されています。イスラエルのずさんな社会保障が浮き彫りとなりました。
*イスラエルにはホロコースト生き残りとされる人が25万人おられます。
スティーブンス・栄子師が全国を巡回中です。19日まで北海道、20-30日までが関西です。健康が守られ、訪問させて頂く教会の祝福になれますようお祈りください。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、アルーツ7、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、外務省HP、アル・ジャジーラなど
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