ハイメール通信No.887 シリア情勢とイスラエル
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ハイメール通信No.887 2024.12.10
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シリア情勢とイスラエル
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アサド政権の崩壊で、13年続いたシリア内戦の行方を世界中が注視する中、イスラエルは、隣国の変化に対応すべく警戒を強めています。
シリア内戦は、2011年3月、民主化を求める「アラブの春」を契機に始まりました。主にアサド政権と反政府諸勢力との戦いで、アサド政権は一時期、シリアの大部分の支配権を失いました。しかし、ロシアとイラン、ヒズボラの支援を受けて領土を奪還。反政府勢力の残党をシリア北西部の一角に封じ込めて以降、大きな戦闘は無くなり、2020年以降、内戦は事実上「凍結」となりました。この内戦で死者50万人以上、国内外に難民数百万人が発生しました。
しかし反政府勢力は着実に力を付けて、先月27日、突如、政権への反転攻勢を開始。北部の大都市アレッポを皮切りに南下しながら町々を制圧し、わずか10日余りで首都ダマスカスに到達。大統領はロシアに亡命し、半世紀続いたアサド家の独裁・恐怖政治は、あっけなく幕を閉じました。
シリア国民は歓喜していますが、権力の空白が生じ危険な状態です。反政府勢力がシリア西部を制圧する傍らで、彼らに呼応して別の地域で各勢力が独自に動き出しました。シリア北東部を支配するクルド人勢力は、イラクとの国境にある重要な検問所を制圧。南部では、住民の多数派であるドルーズ族が決起し政府軍を追い出しました。彼らと反政府勢力の関係の行方は不透明です。また、反政府勢力は、かつてアルカイダ系組織だったHTS(シャーム解放機構)を主体とする、さまざまな主義主張の組織の連合体です。HTSは、今はアルカイダと分離して過激色を薄めており、国際機関やマイノリティーを保護すると主張、これまでのところキリスト教徒コミュニティーに対する襲撃などは起きていません。しかし反政府諸派が結束し続けるのか、過激派が活動を再開する恐れはないか、不明です。各民族や宗教宗派が話し合いで住み分けを定着させられるのか、支配地域を巡る内戦が再燃しないか、見通せません。
また反政府勢力は進軍先で数々の刑務所を解放しました。多くの政治犯や民主活動家、一般市民が解放された一方、犯罪者や過激主義者も野放しになり、社会不安も予想されます。欧米に亡命していた民主活動家らは国家再建のために尽力したいと、大勢が帰国の計画を進めています。
イスラエルは、隣国の情勢に神経を尖らせています。イスラエルとシリアの間には2本の休戦ラインに挟まれた緩衝地帯があり、国連軍が監視しています。しかし武装組織がその国連軍を襲撃し、イスラエル国防軍が援軍に駆け付ける事態が起きました。シリア側で緩衝地帯への侵入者を防ぐはずのシリア軍が既に存在しないことから、イスラエル側は自国の国境を守るため、急きょ緩衝地帯に国防軍を展開させて警戒態勢を強化。また、政権軍やイランが残した大量の武器が危険な組織の手に渡らないよう、各地の軍事拠点や武器庫などを破壊しています。
シリアが再び混乱に陥ることがなく、人々が平和に暮らせるように祈りましょう。クリスチャン社会が続けて守られ、福音の証人として光を放てるように。イスラエル政府が情勢を見極めて常に的確な判断を素早く下せるように。そして、シリア国境で新たな危険に対処するイスラエル国防軍のためにお祈りください。
「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった」(ヨハ1:5)
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