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ハイメール通信No.883 アムステルダム襲撃事件 高まる反ユダヤ主義を覚えて

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ハイメール通信No.883 2024.11.12
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アムステルダム襲撃事件 高まる反ユダヤ主義を覚えて
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11月9日は、1938年にドイツで「水晶の夜」と呼ばれるポグロム(組織的な反ユダヤ主義暴動)が発生した日でした。この日、ドイツ各地のユダヤ人コミュニティーが襲撃され、路上に散乱したガラス片が水晶のように反射していたことから、この名で呼ばれています。後に「ホロコーストの始まり」として記憶される日となりました。
そのメモリアルデーの2日前の先週7日(木)、オランダのアムステルダムでイスラエルのサッカーチームの応援に来ていたイスラエル人サポーターが同時多発的に襲撃される事件が起きました。20〜30人が負傷し5人が病院に搬送され、一時は行方不明者も出ました。イスラエル政府は、イスラエル人保護のために帰国便を緊急手配。同時に、アムステルダムに滞在中のイスラエル人に対し、屋内にとどまるように、またイスラエル人だと分かるような外見を避けるように指示しました。その後全員の安否が確認され、旅行者約2千人が滞在を早目に切り上げて帰国しました。
かつてのポグロムをほうふつさせるような、この襲撃事件。オランダの首相は直ちに、「断じて容認できない反ユダヤ主義的攻撃だ」と非難。国王も「我々は、反ユダヤ主義的行為から目を背けてはならない。脅しは悪化の一途をたどって恐ろしい結果を招くことを、歴史は教えている。ユダヤ人はオランダのどこにいても安全でなければならない」と述べる事態となりました。

これはサッカーファン同士の衝突ではありません。イスラエル人を襲ったのは、100人以上の、親パレスチナ派アラブ系住民でした。あらかじめSNSを通じて「ユダヤ人狩り」と称する襲撃計画が練られていたと、英字紙テレグラフが詳細を報じています。パレスチナ支持のデモを行い、訪れたイスラエル人サポーターらに侮蔑的な言葉を浴びせて挑発。イスラエル人側もこれに応じ、試合前から口論や小競り合いが発生していました。そして試合終了後、帰路に就くイスラエル人を狙って、まさに「ユダヤ人狩り」の様相を呈する暴行が行われました。

欧州各国の政府は第二次世界大戦後、ホロコーストの反省から反ユダヤ主義を厳しく取り締まり、ユダヤ系住民を保護しています。にもかかわらずこの襲撃事件が起きるに至った背景には、この一年、ガザ地区での戦闘を受けて高まっている、欧州のイスラム系住民の反ユダヤ主義、イスラエル憎悪があります。欧州のイスラム系人口は2016年時点で約2600万人に達し、その後も移民や出産で増え続けています。彼らが、手近な攻撃対象として周囲のユダヤ人に対して嫌がらせや暴力事件を起こすことが増え、実に欧州全体で96%のユダヤ人が何らかの実例を経験しています。世界シオニスト機構によれば、昨年10月7日のハマス襲撃事件以来、世界中で反ユダヤ主義的事件が4倍に跳ね上がりました。反ユダヤ主義との戦いも激しさを増しています。

この襲撃事件を受けて負傷した人や、精神的に傷ついた人たちのためにお祈りください。世界中のユダヤ人社会が守られるように。反ユダヤ主義という呪いと憎しみの鎖から、多くの人々が解放されるように。また、イスラエル憎悪をあおるような報道が続く中で、反ユダヤ主義に知恵をもって対処する心と術を主が私たちにも与えてくださいますように。

「主よ 悪しき者の手から私を守り 暴虐を行う者からお守りください。彼らは私の足をつまずかせようと企んでいます」(詩140:4)

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