ハイメール通信

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ハイメール通信No.837　2024.1.26
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ユダヤ系・アラブ系市民の共有する未来への希望
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昨年１０月７日のハマスの奇襲攻撃以降、イスラエル国内のユダヤ系市民とアラブ系市民の間で、対立や暴力のエスカレートが起こるのではないかという懸念がありました。しかし、テロから3カ月以上がたった今、両者の関係は比較的穏やかであるばかりか、歴史的とも言える共存への願望も起こっています。

10月7日直後の世論調査では、アラブ系市民の約7割が、「自分はイスラエル国家の一員だと感じている」と回答しました（過去20年間で最高）。別の調査では、アラブ系市民の3分の1以上が「イスラエル人であることが、自分のアイデンティティーの最も重要な部分である」と回答しており、これも過去最高となりました。一方、ユダヤ系市民の56%が、ユダヤ人国家法を改正して「非ユダヤ系市民にも完全な平等の原則」を盛り込むことを望んでおり、アラブ系市民とより平等な社会をつくりたいと願う声が高まっていることが分かりました。

この統計結果は驚きかもしれませんが、要因の一つは悲しみの共有です。ハマスのテロ攻撃による犠牲者の50〜100人はアラブ系市民であり、ガザへの拉致者もいます。ハマスは、ユダヤ人とアラブ人の区別なく攻撃したのです。また、この日、テロからユダヤ人を救出するため、自らの命を犠牲にしたアラブ系市民たちの英雄的行為があったことも、国中に伝えられました。

もう一つの要因は、この戦時下、ユダヤ人とアラブ人が市民レベルで強い協力関係を築いたことです。テロ被害者を支援するため、国内の市民団体の多くは、ユダヤ人とアラブ人の共存に力を入れてきました。「ユダヤ人・アラブ人救援センター」はその草分け的存在で、ユダヤ人とアラブ人が一緒にボランティアをしながら、互いに命を大切にする人間性への理解を深めています。センターの創設者は次のように語っています。「この働きは、誰が命を大切にするパートナーであり、誰が混乱と恐怖の手先なのか、再定義する一助となっています。この戦争はユダヤ人とアラブ人の戦いではなく、恐怖をもたらす者と命を求める者との間の戦いです」

同じアブラハムの子孫であるユダヤ人とアラブ人が、歴史と民族の違いを超えて助け合い、慰め励まし合っています。両者の結束がさらに強まるように。また、共に命を尊び前に進もうとする彼らの姿が、反イスラエル寄りになりつつある近隣のアラブ諸国の人々の心も動かし、イスラエルの真の姿の理解につながるように、お祈りください。

「義の実を結ばせる種は、平和をつくる人々によって平和のうちに蒔かれるのです」（ヤコブ3:18）

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