ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 107 メリー・クリスマス!
2006年、クリスマスが今年もやってきました。救い主イエスがこの地上に来られた祝福の日です。クリスマスを祝うすべての教会に祝福がありますように!
イスラエルでは23日にハヌカが終われば、町は通常の日々に戻ります。クリスマスを祝う空気はありません。まるでイエスさまが来られた時と同じです。
北部では、ヒズボラが武力を回復したというニュースと共に、シリアが派兵しているとの情報があり戦争の足音が聞こえ始めました。
パレスチナでは自治政府とハマスの対立が深まり解決の糸口もありません。イエスさまを拒否し、平和を失っているイスラエルの人々の目が開かれますように。エルサレムに真の平和が来ますように祈りましょう。
きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。(ルカ2:11)
イスラエルにクリスマスはありません。16日から始まったハヌカが23日に終わります。(ハイメールNo106参照)クリスマスの24,25日は全く通常の日々になります。クリスマスが何か、またいつなのかも知らない人もいます。
イスラエルは、80%をユダヤ人が占めるユダヤ教の国です。残りの15%がイスラム教徒のアラブ人で、クリスチャンは全体の2%にあたる14万5千人ほどにすぎません。また、イスラエル人でクリスチャンに分類されている人は基本的にアラブ人です。ギリシャ正教やロシア正教などに所属し、ナザレやガリラヤのカナなど、北部に多く住んでいます。
クリスマスは25日というのが通常の概念ですが、ロシア正教では今でもユリウス暦(ジュリアス・シーザーが46BCに制定した)を使用するため、クリスマスは1月7日になります。
1990年代からロシア系のユダヤ人が約100万人移住してきましたが、彼らの多くは、クリスマスを単なる国の習慣として祝ってきた人々です。ユダヤ人であっても、12月31日から1月のクリスマスの日まで、クリスマス・ツリーを飾って祝う人々もいます。
イエスを信じるユダヤ人(メシアニック・ジュー)は、クリスマスにイエスが生まれたとは信じていません。イエスが生まれたのは仮庵の祭り(9~10月)と考える人が多いようです。従ってクリスマスは他のイスラエル人と同様に、通常の仕事に出かけ、集会なども行いません。
不思議なことに、24日の夜、イスラエルのテレビ番組ではクリスマスをテーマにしたものが多いということです。(内容は不明)エルサレムを研究するイスラエルのバル・イラン大学教授シュワルツ博士は「クリスマスには、クリスチャンたちが木に飾り付けをしますが、私たちユダヤ人には仮庵があって、そのときにスッカ(仮小屋)の飾り付けを楽しみます。クリスマスはここではあまり意味のないことなのです。」と語っています。いずれにしても、イスラエルの人々はテレビをあまり見ていません。
イスラエルには外国人労働者も多数います。アジアやアフリカから合法的に来た労働者たちで、8万人ほどいます。彼らの多くは、カトリック教会でのミサに参加したり、フィリピン人などでは同じ民族内で集まってクリスマスを祝っています。彼らにとっては、クリスマスは日本でいえばお正月に匹敵する家族の最大行事なのです。
イスラエルはかつてクリスマスを祝う外国人を監視していました。非合法的に滞在する外国人はたいていクリスチャンだったからです。その影響もあり、盛大にクリスマスを祝えない人々もいると考えられます。
ベツレヘムはイエス・キリストが誕生した場所です。生誕教会では毎年クリスマスには盛大なミサと祝賀が行われます。2000年にイスラエルとの紛争が激化する前は、クリスマスだけで9万人が訪れていました。
現在、ベツレヘムはイスラエルが建てた防護壁のむこうにある“遠い”町になりました。イスラエルではなく、パレスチナ自治政府の管理下にあり、ベツレヘムに行くには、パスポート・コントロールを超えていかなければなりません。
昨年、クリスマスを訪問した観光客は2500人でした。今年も、ベツレヘムの町にクリスマスの飾り付けはほとんどありません。生誕教会付近にあるおみやげ店は6件あるうち、開いているのは2件だけ。閉まっている他の店舗にはスプレーによる落書きが施され「イスラム聖戦」とかかれたものもあります。
アビ・カレンさんは2年前までは、パレスチナ人女性20人を雇用し、パレスチナの伝統的な刺繍の工場を経営していました。今では人を雇用するどころか家賃の700シェケル(1万5000円程度)も払えない状態です。ベツレヘムでは、クリスチャンたちが経済危機と身の危 険から、次々と出て行ってしまい、ベツレヘムはもはやクリスチャンの町ではなくなりつつあります。
ハマスは、ベツレヘムにクリスマス装飾をするため5万ドルを提供すると約束しましたが、今のところ支払いはありません。
ハマスがパレスチナ自治政府(以後PAと略す)の内閣入りを果たし、首相がハマスのハニエ氏になってからもうすぐ1年になります。ハマスはテロ組織であることから、国際社会はPAへの支援を中止。パレスチナ市民の生活は急激に悪化しました。
この事態を打開するため、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、ハニエ首相に挙国一致を呼びかけました。しかし、「表向きだけでもイスラエルの存在を認める」ことに同意できなかったハマスとPAの確執は広がるばかりとなり、内乱の様相となってきました。
11日、ハマスがファタハ(PLOパレスチナ解放機構の武装部門で、PA側に属する)治安組織幹部の通学車両を襲撃、3人の幹部息子(3~9歳)が死亡しました。翌日には、PAの外務相の車列に向かって迫撃砲を発砲、3人が死亡しました。
ハニエ首相は、海外から独自の支援をとりつけるため、カタールやイランなどを歴訪していました。イランは新たに250万ドル(約300億円)の支援をとりつけました。ハニエ首相は16日、多額の現金を持って、エジプトのラファ検問所からガザに入ろうとしました。ハマスの警備隊が検問所の警備隊(PA所属)に向かって発砲し、さらには、壁に穴を開けてハニエ首相を通過させようとしたため、EU(ヨーロッパ連合)の担当官は、急遽ラファの検問所を閉鎖しました。
結果的には、数時間後ハニエ首相は現金を持たずにガザにはいりました。現金はエジプトにいるハマス党員が預かり、後にもう一度ガザへ入る予定です。EUの担当官によると以前にも、ハマス党員が現金の入ったケースを持って検問所を通過しています。アッバス議長は、16日、ハマス内閣を解散、新しい首相と新政府を選ぶ前倒し選挙を行うことを発表しました。以後現在までの1週間で流血の紛争が激化、19歳の女性を含む16人が死亡しました。けが人は多数。ハマスとPAは停戦を試みましたが、戦闘は止まりませんでした。
アッバス議長は、前倒し選挙を決行する予定で日程の設定を急いでいます。アッバス議長は、また年内にはオルメルト首相との会談を要請しています。
21日、ガザからイスラエル領内へカッサムロケットが多数打ち込まれました。けが人はありませんでした。オルメルト首相は、現時点でのPAとの停戦合意を尊重し、今回は、報復攻撃はしないことを表明しました。ただしガザからの攻撃が続けば、報復するとアッバス議長にくぎをさしました。
ガザにはクリスチャンのアラブ人も多数います。クリスマスはガザ市が、町にクリスマスツリーをはじめとする装飾をしていました。イブには大きなカトリック教会のミサにイスラムの住民とクリスチャンが仲良く参加する姿も見られました。一般にパレスチナ地方のイスラムとクリスチャンは、よい関係を保ち、イスラエルという共通の敵を介して関係は深まっていると思われていました。
この5-6年の間に状況はすっかりかわりました。イスラムがますます原理主義かするとともに、クリスチャンたちに攻撃を始めたからです。ハマスが政権をとってからは、クリスチャン女性もベールをかぶるようになりました。
「ガザでは「クリスチャンなのか、パレスチナ人なのか」どちらが先なのかを問われます」と、ガザ・バプテスト教会牧師のマサド師は語ります。現在、ガザを含む西岸地区などPAの領域に5万人がいると推定されています。その人数は減る一方です。残されたクリスチャンたちがどのぐらいもちこたえられるか、懸念がもたれています。
イスラエル軍高官によると、レバノンのゲリラ(ヒズボラ)は、夏のレバノン戦争以前ほどの配備に回復を終えています。戦闘がヒズボラの存在理由であるから、彼らが戦いを挑んでくるのは時間の問題とイスラエルは見ています。イスラエル軍は歩兵隊を中心に市街戦に備えた訓練をしています。海軍もミサイル発射のシミュレーションをしました。
ハルーツ参謀総長は、現時点では、ヒズボラが攻撃するか、レバノンのシヌエラ政権がレバノンの国力と国連軍の強化をしてヒズボラを押さえるか、確率は五分と考えています。もし、レバノン政府が押さえられなければ、おそらく戦争がはじまる、と参謀総長は言っています。
ゴラン高原住民らによると、シリアは、イスラエルとの国境付近に村々を建てています。そこに対戦車砲をはじめ、ミサイルなどを配備していると報告されています。専門家は、シリアは夏のレバノン戦争で、ヒズボラがとった作戦と同様の準備をすすめていると分析しています。シリアは、戦後、ヒズボラにトラックに乗せた武器類を提供してきたことが明らかになっています。
イスラエルに対し、過激発言の続くイランのアフマディネジャド大統領ですが、12日、テヘランで「ホロコースト否定会議」を開きました。ホロコーストで600万人のユダюlが殺害されたというのは歴史上の事実ではないと考える人々が集まりました。衝撃的だったのは、正統派ユダヤ教徒の一派が参加していたことです。彼らは、ユダヤ人は人の力でイスラエルの国を建てるべきではないとして、ユダヤ人はもう一度離散すべきだと考えています。
この会議中、ドイツのメルケル首相は、ドイツ訪問中のイスラエルのオルメルト首相とともに、記者会見に臨み、当事国として、ホロコーストが事実であることを明確に表明しました。
イランでは、核兵器開発問題や、過激発言で、世界からイランを孤立させているアフマディネジャド大統領への不人気が表面化してきています。テヘランでは、演説中の大統領に対し、「独裁者に死を!」と発言したリ、大統領の写真をさかさまにして掲げるなどの大学生たちの抗議運動がありました。同大統領になってから、学問の自由が制限されはじめたことが原因と考えられています。大学では、一般の講師が退けられ、硬派イスラム聖職者が登用される傾向にあります。
テヘラン市の予備選挙では、アフマディネジャド大統領のライバル、保守穏健派で現職テヘラン市長のムハンマド・バクル・カリバフ氏が、15票を獲得し、大統領(2票)を圧勝しました。カリバフ氏は、市長職を継続する見通しです。これは大統領にとっては大きな屈辱となり、今後の動きにも影響が出ると考えられています。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど
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