ホーム > 祈る > ハイメール通信 登録・停止 > バックナンバー > ハイメール通信No. 106 平和への模索再び
戦闘が続いていたガザでは、アッバス議長の申し入れにより11月26日から停戦に入りました。しかし停戦成立後もロケット攻撃は続いています。
今のところ北部レバノンとの国境の平穏は守られています。しかし、レバノン国内では反シリア派と親シリア派(親ヒズボラ)が対立し、緊張が高まっています。
イランの大統領がアラブ諸国への結束を呼びかけています。イラン、シリア、北朝鮮に加えて、南米ベネズエラが、これらの国々との関係を深めており、反イスラエル体制がさらに広がりを見せています。
暗闇のような世界ですが、イスラエルでは今年も12月16~23日までハヌカの祭りが祝われます。毎日点灯されるろうそくを見て、人々が主にある希望を思い出すことができるように。私たちもやがてこられる光の主を待ち望みましょう。
イエスはまた彼らに語って言われた。「わたしは、世の光です。わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、いのちの光を持つのです。」(ヨハネ8:12)
イスラエル南部都市への断続的に続くロケット攻撃を阻止するため、イスラエル軍はガザへ侵攻し、武器およびテロリストの摘発を続けていました。戦闘と貧困により、ガザ市民の生活は悲惨を極めています。アッバス議長は事態を打開するため、ハマスをはじめとするすべてのパレスチナ組織が参加する連立政権発足にむけて奔走していました。
しかし、ハマスのハニエ首相は、この時期にあえてダマスカス(シリア)のハマス武装部門指導者マシャアル氏を訪問し、「イスラエルの存在を認めない」ということを改めて強調しました。これはパレスチナ自治政府の方針に反することとなり、アッバス議長の挙国一致に向けた取り組みが再び頓挫したことになります。
ハニエ首相は今回の外遊でカタールなどアラブ諸国から資金援助の約束を独自にとりつけています。足並みのそろわない資金援助がハマスを強化し、パレスチナ自治政府に従わない原因のひとつになっていると指摘されています。
挙国一致が頓挫した後も、アッバス議長はなんとか停戦合意にこぎつけ、11月25日、イスラエルのオルメルト首相に電話し、停戦を申し出ました。オルメルト首相は、「もともとガザにもどるつもりはない。パレスチナ側がイスラエルを攻撃さえしなければすみやかに撤退する」として翌26日、イスラエル軍をガザから撤退させました。しかし、その当日にもスデロットに向けて5発ものロケット弾が発射されました。どの武装組織かはわかっていません。
イスラエル軍は停戦合意に基づき、西岸地区でも作戦遂行を自粛していましたが、12月4日、ベツレヘムでPFLP(パレスチナ解放人民戦線)指導者の一人、マフムード・ファヌン(59)を逮捕しました。ファヌンは1986年にテロ活動でいったん逮捕されヨルダンに移送。1996年に西岸地区に帰還していました。2001年からイスラエル軍の指名手配を受けていました。PFLPは、イスラエルへの報復を訴えています。
ハマスは、シャリートさんと交換に大物テロリストの釈放を要求しています。ヒズボラに拉致された2人に関しての交渉は頓挫したままになっています。
オルメルト首相が、2人は死亡している可能性があると発言したため家族が反発。首相は発言を撤回しました。
日本政府は、パレスチナ市民の生活を改善し、中東の平和へ貢献するため、372万ドル(約4億円)を支援することを決めました。資金は国連を通じて 1.シェルター 2.大学教育スカラーシップ 3.障害者施設の3分野で用いられます。その他の教育、医療にも使われます。
パレスチナ人の65%が貧困、失業率29%、全体の50%の人々がその日暮らしで食物を調達しています。国連は、パレスチナ人救済のため必要と思われる4億5000万ドルという記録的な資金援助を世界諸国に要請しています。
11月、反シリア派の核であったピエール・ジェマイエル氏が暗殺されてから、内政が不安定になっていました。
11月31日、親シリア派のヒズボラ党首・ハッサン・ナスララがTV出演し、「あらゆる宗教、あらゆる考えの人々も親米的な現シヌエラ政権打倒のために立ち上がれ!」と反政府デモの呼びかけを行ないました。
翌12月1日、80万人の人々がベイルートでデモに参加。シヌエラ首相が辞任するまでの座り込みを行ないました。3日、デモ隊と反シリア派の武力闘争があり、21歳シーア派イスラム教徒(親シリア)の青年が死亡。緊張が高まりました。
6日、レバノン政府はデモには屈しないことを表明。レバノン軍は、内乱になることを懸念しています。レバノンをイスラム原理主義国にしようとする戦略が進んでいるといえます。
イランがアラブ諸国に対し、中東の治安を守るイランに協力するよう呼びかけを行なっています。
アラブ諸国の本音は、“アメリカの存在は好ましいものではないが、いてもらわなければ困る存在”でもあります。もしアメリカがイラクから撤退すれば、イランとシーア派武装組織がイラクを支配する可能性があります。(現在のレバノンのようになるということ)
アラブ諸国にとって、イランが推し進めているイスラム原理主義拡大主義は大変は危険です。現在、アメリカーイスラエルーアラブ協力体制の中でイランをけん制しようとする動きと、イランに導かれた反アメリカー反イスラエル体制との2つの動きが起こってきているといえます。
核兵器開発疑惑など最近のイランの目立った台頭は、イラクの戦後処理でアメリカが手間取っていることも原因のひとつとです。現時点ではイランの呼びかけについていく国はまだ少ないと考えられますが、クエートなど小さな国の中には、アメリカ軍への協力を差し控えるところも出てきています。西欧やイスラエルに対して毅然とした態度をとり続けているイランの説得は、じわじわと草の根のように、ひろがりをみせています。
アメリカのお膝元、南米のベネズエラでは3日、反米発言が続くチャベズ大統領が再選されました。ベネズエラは世界第5位の石油産油国。チャベズ大統領は石油からの利益を貧困者救済に使い、高い支持率を保っています。
チャベズ大統領は反米的な発言でも有名ですが、イランから年間1億ドル(アル・ジャジーラ情報)の支援をうけており、イランの強力な同盟国です。アメリカにとっては要注意国となっています。
イスラエルでは16-23日、『ハヌカ祭(光の祭り)』が祝われます。ハヌキヤと呼ばれる9本枝のろうそく台に毎日1本ずつ光がともされていきます。祭りは8日間です。紀元前164年、当時エルサレムの神殿はセレウコス朝シリアに支配され蹂躙されていました。それをイスラエル人のマカビー一家が奇跡的に解放しました。
マカビー一家は、神殿を聖別する「宮きよめ」を行ないました。それを記念した祭りがハヌカです。
神殿のろうそくには特別なオリーブ油が使われていました。マカビー一家が神殿を聖別したとき、神殿用の油は1日分しかありませんでした。しかしなんと奇跡的に1日分の油が8日間燃え続けたのでした。
ハヌカには油を記念して、ジャムの入った揚げパンのスフカニヨットが町の店頭に並びます。
*8日間については、次のような説明があります。マカビーがエルサレムを解放する前には、秋の祭りの仮庵(8日間)が来ても、正式に祝うことができませんでした。そこで、神殿を取り戻したときに、さっそく仮庵をまねて8日間の祭りとしたということです。
イスラエルでは毎年ハヌカにあわせて、メシアニック・ジューの青年たちがユースカンファレンスを開きます。今年は12月17-19日の3日間。詩篇91が中心聖句となります。13-18才の青年たちが120名ほど集まります。これからを担う青年たちが主に深く結びつき、聖霊に満たされるように祈りましょう。
ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど
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