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ハイメール通信No. 105 本当の危機

イスラエルは現在、北はヒズボラ、南はハマスと両側からのテロ攻撃に直面しています。ハマスがパレスチナ自治政府に反発していることに加えて、ヒズボラがその母体ともいえるレバノン政府に対して対立を深め始めました。

この現状はイランと深い関係があるとイスラエルは見ています。イランの核兵器発開発を今止めなければイスラエルだけでなく、世界に大きな危機をもたらすとイスラエルは警告しています。主に見える目を与えてくださいと祈りましょう。本当の危機とは何か、本当に祈らなければならないことは何か、主はご存知です。

あなたは自分は富んでいる、豊かになった、乏しいものは何もないと言って、実は自分がみじめで、哀れで、貧しくて、盲目で、裸の者であることを知らない。
わたしはあなたに忠告する。豊かな者となるために、火で精錬された金をわたしから買いなさい。(黙示録3:17-18)



■ ガザの状況緊迫

昨年8月にイスラエル軍がガザから撤退してから今年の11月15日までにスデロットを中心に、イスラエル南部の都市に打ち込まれたロケット弾は、1201発。現在までに、イスラエル人7人、外国人労働者1人、パレスチナ人2人が死亡しました。負傷者は100人以上に上ります。

イスラエル国防軍は、ベイトハヌーンをはじめガザ北部の町で、ロケット弾等の武器の破壊押収のため侵攻作戦を続けています。武装組織側は、対戦車砲で反撃しており、イスラエル兵に重傷者が出ています。

イスラエル治安組織のユバル・ディスキン氏によると、11月14日の時点で下記武器がガザに運び込まれたと分析されています。武器に加えて5~7000万ドル(70~90億円)がガザ地区に密輸されたとみられています。

  • 軍用爆弾33トン
  • 長距離カッサム・ロケット38基
  • 移動式(肩掛け式)対空誘導型ミサイル12基
  • 対戦車砲台95基
  • 対戦車ロケット弾410個
  • 対戦車精密誘導型ミサイル20機
  • 射撃用ライフル2万丁のピストル3000丁
  • 600万個の小爆弾

<民間人を盾に>

武装組織は、民間人を盾にすることを常套手段としています。11月3日、武装組織数人が、ベイト・ハヌンのアル・ナスル・モスクに隠れていることが判明。イスラエル軍がモスクを取り囲んで投降を呼びかけたところ、中にいた武装組織が銃撃してきました。

銃撃が終わると同時に200人のイスラム教徒の女性たちが出てきました。テロリストたちは顔と体をベールでおおった女性たちにまぎれてモスクから逃げていました。

また18日、ベイト・ラフィアで、イスラエル軍が、カッサム・ロケットの発射地に利用されているバラウドさん宅をつきとめました。民間人の犠牲を出さないよう、攻撃の前に警告をだしたところ、バラウドさんは急いで近所の人々を女性や子供にいたるまで呼び集め、建物の周りに立たせました。

イスラエル軍は作戦をキャンセルせざるを得なくなりました。パレスチナ人たちは、イスラエル軍が、市民を殺しえないことを知っているのです。

<57歳の女性自爆>

ガザで、孫をもつ57歳の女性が自爆テロを決行しました。女性は未然に発見され、イスラエル軍兵士が止めようとしたところ自爆しました。数人の兵士に負傷者が出ています。自爆テロリストでは最高齢でした。

<祈り>

  1. 今日もガザに行っている兵士たちが守られるように。
  2. イスラエル軍が民間人を巻き込まず、武器、テロリストだけを摘発できるように。
  3. イスラエルの神である主が奇跡を起こし、その御名がガザであがめられるように。

■ レバノンでクリスチャン議員暗殺

11月21日、レバノンで反シリア派のクリスチャン議員ピエール・ジュマイエル氏がベイルート郊外で暗殺されました。ジュマイエル氏の暗殺により、親シリア派でイスラム教シーア派のヒズボラとレバノン政府の間の緊張が一気に高まりました。

ジュマイエル氏(34)は、前レバノン大統領のアミン・ジュマイエル氏の息子です。代々の政治家一家に生まれ、将来を担う若手クリスチャン議員として、レバノン市民に大きく期待されていた人物でした。これで過去5年間にレバノンで暗殺された反シリア派クリスチャン議員は、5人になります。

ヒズボラは、レバノン政府に対して勢力を拡大しており、シヌエラ首相に対して、親米政権であると非難し、自らの意見を通すよう脅迫していることが明らかになっています。23日、ベイルートで行われたジュマイエル氏の葬儀には、ジュマイエル氏の父で元大統領のアミン氏をはじめ、数十万もの反シリア派の住民が参列し、シリアとヒズボラに対する抵抗運動を行いました。その直後、激怒したシーア派住民が同じベイルートでヒズボラ支持のデモを行っています。

<アメリカの失望>

2005年2月、反シリア派だった前首相のハリリ氏が爆弾テロで殺害されました。暗殺にはシリアが関与していたことが明らかになりました。4月、レバノン市民100万人が立ち上がって反シリアデモを行い(杉の木革命)、29年間事実上レバノンの支配者であったシリアを撤退させました。その直後に行われた選挙では反シリア系議員が過半数となりました。

アメリカは、レバノンこそ中東の民主国家のモデルになると期待していました。今回のジュマイエル氏の暗殺は、レバノンの人々の希望だけでなく、アメリカの希望をも打ち砕いてしまいました。これでアメリカとシリア、その同盟国であるイランとの関係がさらに冷えたものとなりました。

<ヒズボラ勢力拡大>

ヒズボラの副長官ナイム・カッシム氏によるとヒズボラはイランから戦後処理回復のため3億ドル(約360億円)の支援を受けました。イスラエル軍は近い将来、戦争再開の可能性が高いと見て準備をすすめています。

分析<イスラエルが直面する新しい危機(エルサレム・ポストより)>

イスラエルは今までにない敵に直面しています。現在ヒズボラとハマスが掲げている教理はアラビア語で「ムカワマ」(継続した抵抗運動)です。下記のような特徴があり戦いを困難にしています。

1.勝利を目標としていない。
抵抗運動は世代世代に受け継がれていくものであり、今すぐの勝利をめざすものではないということです。ヒズボラの指導者ナスララはエルサレムを解放するのは私ではないと言い、ハマスの故指導者ヤシンは戦いが終わるのは25~30年先になるといいました。今の戦いでイスラエルに勝利することを目標としていないということです。
2.死が負けたことにつながらない。かえってそれが勝利のしるしとなる。
戦いにおける死は褒章であり、勝利のしるし。したがって平和が目標にはなりえません。
3.停戦はありうる。
戦いが継続する以上、イスラムの側に戦力を補充するための停戦は認められています。ヒズボラはレバノン戦争の停戦を認め、ハマスも一時停戦を受け入れました。ヒズボラは停戦中の現在、武器を補充していることが明らかになっています。
4.戦いは宗教的であり、国家紛争ではない。
ヒズボラもハマスも国家のために戦っていません。戦士たちはアラーの神のための聖戦だと思っています。
5.戦いの進捗は、領地が増えることとは無関係
戦いが宗教的であり、国家紛争でないとすれば、領地が増えることには興味がありません。むしろイスラムを信じる人々が増えていくことが彼らの目標です。
6.国家よりも組織が重要である。
ヒズボラもハマスも国家を超えたグローバルな組織。組織ではあるが、社会福祉なども兼ね備え、国家と同様の機能を持っている。国家は重要でないと考えている。

<アル・ジャジーラの英語放送>

カタールに本社を置き、アラブ諸国から発信するテレビ局アル・ジャジーラ。オサマ・ビン・ラディンやフセイン元イラク国王のメッセージ映像を世に流して世界の話題を集めました。

アラビア語だけだったアル・ジャジーラが英語放送をはじめました。反イスラエル的な放送が流され、イスラエルのイメージをさらに悪くするとしてイスラエルでは懸念されています。

<祈り>

  1. レバノンで広がるイスラム勢力の拡大を防いでください。
  2. レバノン国内のクリスチャンを守り強めてくださるように。
  3. レバノン政府今後に主の支配があるように。
  4. イスラエルの指導者たちに主の知恵をいつも与えてください。

■ イスラエルの警告

11月13日、アメリカのロサンゼルスで世界のユダヤ人共同体(United Jewish Comunities)の会議が開かれました。オルメルト首相はじめネタニヤフ元首相などイスラエルの閣僚らが、スピーチを行いました。共通した論点は「世界は今の危機を理解していない」ということです。

イスラエルは今、北はヒズボラ、南はハマスというテロ組織からの直接攻撃にさらされていますが、その背後にはイランの大きな働きがあると彼らは警告します。イランのねらいはイスラエルだけでなく、世界全体であると指摘します。

ネタニヤフ元首相は、「今は1930年代。イランはホロコーストの再来です。イスラエルは一番先に攻撃されるが、その次には世界に危機が及ぶことになる。今対処しなければ、歴史が今の時代の私たちを裁くでしょう。世界はイスラエルがいるからテロがあると考えています。それは間違いです。世界があるからイスラエルが標的になるのです。」と強い警告を述べました。

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さらにネタニヤフ氏は「わたしたちユダヤ人はホロコーストで学びました。世界はユダヤ人を助けない。私たちは自分で自衛しなければなりません。」と付け加えました。

<オルメルト首相とブッシュ大統領会談>

13日、オルメルト首相がワシントンでブッシュ大統領と会談を持ちました。オルメルト首相は会談に先立ち次のように語りました。「イスラエルはアメリカにイランから守ってもらおうとは思っていません。イスラエルはホロコーストで十分学びました。(だれもたよりにはできないということ)

今回の訪問はアメリカがイランに対し外交交渉の方策があるのかどうかを確認することです。イスラエルは、アメリカが行う政治的外交交渉による解決を全面的に支持します。」

イスラエルは、イランの核兵器保持までどのぐらいあると見ているのか、また核兵器開発阻止のために軍事行動をとるつもりなのかとの質問に対し、「イランの核兵器所持の時期は、皆さんが考えているより早いでしょう。イスラエルは軍事行動にでる必要がないことを願っています。」と答えました。

<祈り>

  1. イランの核開発が阻止されるように。
  2. イランや北朝鮮の核開発阻止に世界の指導者たちが適切な措置をとれるように。
  3. オルメルト首相が、唯一の助け主、主に聞くことができるように。
  4. イスラエルで日本で世界でリバイバルがおこり、人々が艱難の前に救われるように。

■ インド系ユダヤ人(ブネイ・メナシェ)の帰還

インド系ユダヤ人(ブネイ・メナシェ)50人(20家族)が22日、エル・アル機に乗ってイスラエルに帰還し、先にイスラエルに来ていた家族たちと再会を果たしました。続いて150人が到着する予定です。彼らはマナセ一族の末裔と考えられています。

ユダヤ機関(Jewish Agency)と国際クリスチャン・ユダヤ人フェローシップが移住費用の150万ドルすべてを調達しました。ブネイ・メナシェたちは、これからイスラエル北部カルミエルの移民センターでイスラエル生活の準備をすすめます。

インド系ユダヤ人は1996年と2003年にも移住しており、現在イスラエルには1000人のブネイ・メナシェが在住しています。さらに7000人ほどが、インドとバングラディッシュ国境付近の僻地に残されています。

今回移住することになっている計216人は2005年にチーフ・ラビからユダヤ人であるとの認定を受けました。イスラエル政府は当初、彼らの移住を拒んでいましたが、このプロジェクトの責任者であるマイケル・フラウド氏が最高裁判所に訴えるとの動きに出たため、移住が認められました。フラウド氏は、「イスラエルにとって最高の奇跡」と語っています。

<祈り>

  1. 主のご計画の前進を覚え、主を賛美します。
  2. 移住した人々の必要が満たされ、イスラエルで祝福されるように。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど

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