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ハイメール通信No. 104 ガザの悲劇とゲイ・パレード

9日、イスラエル空軍の誤爆によりガザでパレスチナ市民19人が死亡。イスラエルは即座に謝罪しましたが、ハマス、ファタハともに復讐を宣言。東エルサレムや神殿の丘でも、パレスチナ人が、反イスラエル・デモを繰り広げました。

現在、イスラエルは最高警戒態勢に入っています。この危機を受けて、10日、予定されていたゲイ・パレード゛が急遽中止、ヘブライ大学の競技場での限局した集会になりました。

イスラエル企業への投資が急増し、シェケル(イスラエル通貨)がドルに対して強く安定を見せています。世界のクリスチャンのイスラエルへの関心と献金が高まっています。いよいよ終わりが近いことを覚え、確信を持って今月も祈り続けましょう。

わたしが事を行なうのは、あなたがたのためではない。――神である主の御告げ。―― イスラエルの家よ。あなたがたは知らなければならない。恥じよ。あなたがたの行ないによってはずかしめを受けよ。(エゼキエル36:32)



■ ガザでイスラエル軍誤爆:パレスチナ市民19人死亡?

イスラエル南部の町スデロットでは、パレスチナ人によるカッサム・ロケットの断続的な攻撃が続いていました。攻撃元はガザ地区南部の町ベイト・ハヌーン。イスラエル軍は11月初旬より「秋の雲作戦」と称する短期侵攻作戦を開始しました。

この作戦で54人の武装勢力が死亡。カッサム・ロケット発射台をはじめ、ライフルや爆弾、手榴弾、誘導型ロケット弾など多数を押収しました。この作戦中、イスラエル軍兵士一人が死亡しています。「秋の雲作戦」は7日に終了し、イスラエル軍は撤退しました。

一般には報じられていませんが、イスラエルは「秋の雲作戦」と平行して、一般市民に対する食料などの人道支援物資を積んだトラック多数、救急車と医療物資、家屋修理専門家などをガザに送り込んでいました。

イスラエル軍が撤退した翌日、ベイト・ハヌーンからアシュケロン(市民12万人)に向かってカッサム・ロケットが打ち込まれました。射程10Kmにあたり、今までで最もイスラエル領内深くに到達したことになります。これを受けてイスラエル空軍がベイト・ハヌーンへ空爆を開始。ロケット発射地に向けて行った爆撃が500mもずれて、一般のアパートに当たってしまいました。死亡したのは女性子どもを多数含む19人、負傷者は40人以上です。

<被害状況>

死亡した19人のうち、17人がマスード・アブダラ・アル・オタマナさん(55)の家族親戚でした。全員就寝中で、マスードさんは一回目の空爆で死亡したと見られています。

一回目の爆撃でパニックになったところへさらに爆撃が続きました。マスードさんと共に、妻と14歳の娘、2人の義理の娘たち、2人の甥が死亡しました。マスードさんの9歳の息子が生き残りましたが、爆撃で片足を失いました。

マスードさんの弟サアドさん(50)も生き残りました。しかし妊娠中の妻と、3人の息子、2人の孫、2人の義理の娘を失いました。犠牲者はベイト・ハヌーンの病院に収容されていますが、想像を超えた悲劇に人々は打ちひしがれています。

多くの子どもたちが負傷しました。あるものは軽症ですが、手足を失った子どももいます。9歳になるイマンさんは片足を失いました。同時に母親が死亡しました。爆撃があったとき、イマンさんは母親と、3人の姉妹、祖母とともに部屋で寝ていました。イマンさんは母が死亡し、祖母も重体であることを知っています。

家族は家も失いました。これからどうするのかわかっていません。死者の埋葬もめどがたっていません。先のイスラエル軍の侵攻作戦で多数の死者が出たため、町では死者を埋葬する場所が不足しています(ハアレツ・イスラエル新聞より)。

<イスラエル政府の対応>

イスラエル軍は直ちにすべての空爆を保留とし、誤爆の調査を開始しました。今のところ、爆撃誘導装置の不調が有力です。この誘導装置は過去30年、一度もミスを起こしたことがないものでした。オルメルト首相とペレツ国防相は、直ちにイスラエルの意図するところではなかったと遺憾を表明すると同時に、深く謝罪しました。

イスラエル政府は、直ちにパレスチナ自治政府に被害者に対する人道支援と医療支援を申し出ました。オルメルト首相は、ハマスではなくアッバス議長を支援すること、アッバス議長と和平交渉の準備があることを表明しています。

<パレスチナ側の対応>

ベイト・ハヌーン誤爆の翌日、死亡した19人が新しく作られた墓地に埋葬されました。葬儀には2万人が参加しています。ハマス武装部門のマシャアル氏は「イスラエルと交渉はできない。必ず報復する。」と名言しました。

東エルサレムの神殿の丘では若いパレスチナ人200人が集結して、デモを行いました。旧市街を含む東エルサレムの通りには、暴動警備隊が出動し警戒にあたっています。

不和が報じられていたアッバス議長とハニエ首相ですが、ベイト・ハヌーンの事件以降、数度にわたって会談を重ねています。アッバス議長は、パレスチナ地方から追放されているハマス武装部門指導者マシャアル氏とも電話会談を持ちました。アッバス議長は、単独議員のバルグーティ氏とも連絡をとりあっています。

アッバス議長は12月中には連立政権を成立させ、西側の支援をとりつけたい考えです。アッバス議長はイスラエルとの和平交渉を呼びかけています。

<祈り>

  1. 爆撃から生き残ったものの、孤児となり障害者となったマスードさんの9歳の息子、母を失い障害者となったイマンさん(9才)の心身の痛みを主が助けてくださるように。
  2. 孤児になった子どもたち、サアドさんはじめ生き残った人々の今後のために。
  3. この週末、主がイスラエルを哀れみ、テロから守ってくださるように。
  4. 今後このような誤りがおこらないように。

■ ゲイ・パレード中止、競技場での集会のみに変更

ベイト・ハヌーン爆撃から数え切れない深刻なテロ予告がイスラエル警察に届いたことから、ゲイ・パレード企画者はエルサレム市内を横切るパレードを中止し、ヘブライ大学ギブアット・ラム・キャンパスの競技場で集会のみを行うことに同意しました。

先週、メア・シャリームの通りで放火するなど、暴力的な反・ゲイ・パレード行動に出ていた正統派ラビたちもこの妥協案に同意しました。

集会のみとはいえ、厳戒態勢の中での群集となるため、10日朝(日本時間では10日夕刻)警察は3000人を配備して警備にあたりました。幸い大きな衝突やテロはありませんでした。

エルサレムのゲイ・パレードは今回で5度目。今回は国際的な集会ではなく、国内だけのゲイ団体の集会でした。バチカンは教会のすぐそばを通るローマでのゲイ・パレードをかつて黙認しました。しかしイスラムのメッカは、ゲイ・パレードを拒否し続けています。

エルサレムは複雑な立場にありました。正統派ユダヤ教徒の家庭では、子供たちにゲイをどのように説明したらよいのか困惑がひろがっていました。

<祈り>

  1. 主がパレードを中止してくださったことに感謝。
  2. 集まった人々に主への恐れが広がりますように。

■ 祝福されるイスラエル企業

アメリカのデータ処理会社がイスラエルの企業「Startup Topio」を1億6000万ドルで購入しました。今年に入ってからこのような外国企業によるイスラエル企業への投資が相次いでいます。イスラエル銀行によると、1月から10月までに計17億ドルが投資されており、2005年に比べると2倍のペースとなっています。

この現象がイスラエル通貨のシェケルを強く、また安定させており、海外へ送金する人々にとって有利な金利となっています。また、これらの投資は社員の収入にも反映され、家や車を購入するなど消費を促しています。海外の投資家が、イスラエル企業が成長株であると信頼を持ちはじめたことを示しています。

外国人もあなたの城壁を建て直し、その王たちもあなたに仕える。実に、わたしは怒って、あなたを打ったが、恵みをもって、あなたをあわれんだ。あなたの門はいつも開かれ、昼も夜も閉じられない。国々の財宝があなたのところに運ばれ、その王たちが導かれて来るためである。あなたに仕えない国民や王国は滅び、これらの国々は荒廃する。(イザヤ60:10-12)

<祈り>

  1. イスラエル企業の祝福に感謝。さらに祝福が続くように。
  2. 雇用が増加し失業者が減っていくように。

■ ベツレヘム聖書大学

西岸地区の町でイスラエルの防護壁によって囲まれた町ベツレヘム。ここに福音派の献身者を育てる聖書大学があります。今年は35人が入学。ベツレヘムの町へのローカル福音放送のほか人道支援などで福音を伝える働きをしています。

卒業生は、ガザや西岸地区の各地へ派遣されていきます。イスラエルとの戦闘で多くの人が犠牲となっています。若者たちの多くはイスラエルへの憎しみにのみ生きています。生徒たちが運ぶ希望の福音がいかに大切かを思わされます。

<祈り>

  1. 聖書大学の生徒たちが、主によって力強い伝道者となっていくように。
  2. 必要が満たされるように。
    家族の救いのために。
  3. すでに活躍している卒業生たちの働きの祝福のために。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど

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