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ハイメール通信No. 100 新年を迎える ~ハイメール通信No.100~

停戦から4週間経ちました。南レバノンでは、多国籍軍とイスラエル軍の交代が進んでいます。しかし、拉致兵士返還のめどはたっておらず、家族らは、来週から始まる秋の例祭シーズンまでに息子を返還するようイスラエル政府、ヒズボラ双方に訴えました。

西側の支援を絶たれ、経済破綻をきたしたパレスチナ自治政府では、ハマス内閣を解散、新連立政が発足することになりました。アッバス議長はイスラエルとの和平交渉に意欲をみせています。また、9.11を迎え、アル・カイダが「次のターゲットは中東とイスラエル」と発言。イスラエルにとって指導者の力量がさらに求められる時代となりました。

現在、国内では、ヒズボラとの戦闘で成果をあげられなかったオルメルト政権、ハルーツ参謀総長への厳しい不信と批判、カツァブ大統領、ラモン法務相のセクハラ、詐欺疑惑などが大きく取り上げられています。

イスラエルは来週23日、24日とローシュ・シャナー(新年の祭り)を迎えます。聖書では「ラッパの日」として主に命じられた例祭。この後に続くヨム・キプール(贖罪の日)までの10日間は、悔い改めの期間となります。イスラエルの人々の心が、主に最も近づく時です。彼らが主に立ち返るようにとりなしましょう。

三日目の朝になると、山の上に雷といなずまと密雲があり、角笛の音が非常に高く鳴り響いたので、宿営の中の民はみな震え上がった。(出エジプト19:16)



■ 戦後処理その後

国連のアナン事務総長によると、イスラエル、ヒズボラともに、順調に停戦協定を履行しています。イスラエル軍の3分の2はすでに撤退し、残りは、レバノン軍15000、国連軍5000人に達した時点で、撤退する約束となっています。

事務総長は数週間以内には、交代は完了するとみています。

レバノンとの国境に国連軍が展開することに反対していたシリアですが、ドイツ軍のアシスタントのもとで、レバノンとの国境にシリア軍を派遣することで合意しました。

拉致兵士返還については、大きな進展はありません。シャリートさんの父親が記者会見し、イスラエル政府に、パレスチナ人収監者との交換交渉に応じるよう求めました

同時に、拉致を実行した者へ、親として子を想う気持ちを訴え、最善の取り扱いとともに、即時返還を訴えました。

<世界のユダヤ人組織がイスラエル復興支援>

停戦から4週間、人々の暮らしに大きな復興はまだみられていません。負傷者の多くはまだ入院中。ロケット弾の被害を受けた家屋やホテルで、修理のすすんでいるものは10%にしかすぎません。農家への被害は膨大です。

新年度予算において(イスラエルは今月新年を迎える)イスラエル政府はハイファなど北部復興に10億シェケル(約40億円)を予定しています。

Jewish Agency(ジューイッシュ・エージェンシー ユダヤ機関)、ユダヤ基金、北アメリカユダヤ人共同体など世界のユダヤ人組織からの支援は15億シェケル(約60億円)がみこまれています。資金は復興だけでなく、新しい分野開発にも使われます。

<イスラエル国防軍の人事交代>

イスラエルでは、厳しい戦争責任の追求が行われています。特に、国連が停戦の決議案を可決してから後、停戦が実効するまでの数日間にも戦闘が継続され、兵士33人が死亡したことについて検証が進められています。前参謀総長のヤアロン氏は、戦闘を続ける必要はなかったと指摘。オルメルト首相、ハルーツ参謀総長は引責して辞職すべきだと訴えています。

ヤアロン氏は、指導者たちが、今回の戦いを「戦争」というレベルで認識していなかったのではないかと指摘しています。また予備役兵召集のタイミングをはずしたこと、ハルーツ参謀総長が戦場ではなく、オフィスから司令を出していたことなどの不備も指摘しています。

13日、北部戦線の責任者であったアダム少佐が、正式に辞任を申請、受理されました。アダム少佐は、戦争最中に指揮権を失っていました。少佐が慎重すぎる戦闘案を提出したため、ハルーツ参謀総長と口論になっていたと報告されています。

<西岸地区撤退案中止>

オルメルト首相は、ヒズボラとの戦闘後、以前から準備を進めていた「西岸地区撤退案」は非現実的であることを認め、撤退準備の停止を決めました。ガザ撤退、2000年のレバノン撤退が、テロ組織の強大化につながったことが明らかになったためです。

<アムネスティ(世界人権団体):ヒズボラのイスラエル攻撃は国際法違反>

前回の報告書では、レバノン市民に被害をだしたイスラエルに非難が集中していました。今回の報告書では、ヒズボラがイスラエル兵を拉致していること、イスラエル市民を無差別にロケット弾で攻撃したことは、国際法に違反していたと報告しました。

<祈り>

  1. 拉致兵士の早期返還のために。
  2. 北部ビジネス、観光業の祝福のために。
  3. 戦争被害者の回復のために。
  4. 批判されながらも首相職を遂行しているオルメルト首相に主からの洞察力と戦略が与えられるように。

■ ハマス内閣解散、新連立政権へ

パレスチナ自治政府は、現ハマス政権を解散し、新しく連立政権を立ち上げることを発表しました。ハマス政権樹立以来、国際社会からの支援を絶たれ、経済破綻となったことへの対処とみられています。

新政権には、ハマスのハニヤ首相は首相として残留。ほかPFLPなどからも参入があります。アメリカとEUは、新政権になっても次の3点を認めることが、支援再開の条件としています。

  1. イスラエルの存在を認めること
  2. 武装闘争の停止
  3. 今までに自治政府とイスラエルが結んできた同意を受け入れること。

アッバス議長は、早期にイスラエルとの和平交渉も示唆していますが、ガザでの状況が緊迫しているため、イスラエルは、現状では交渉に応じられないと表明しています。

<ガザでイスラエル兵殺害>

ガザとイスラエル国境にあるトンネル摘発を続けるイスラエル軍と武装組織との戦闘が続いています。12日、イスラエル兵1人(予備役)が死亡しました。死亡した兵士は、数人の兵士とともに、武装組織を追跡し、拠点とみられる家屋に突入したところ、射撃されました。

<祈り>

  1. ガザの戦闘に加わっているイスラエル兵の安全のために。
  2. パレスチナ人たちの最善をなすことのできる新政権になるように。
  3. 武装組織の弱体化、解体のために。

■ アル・カイダ「次はイスラエル」

アメリカの同時多発テロの9月11日にあわせて、アルカイダが、アルジャジーラテレビを介してビデオ表明を出しました。ビデオに現れているのは、オサマ・ビン・ラディンの副長であるアル・ザワヒリ。 

ザワヒリは、現在のアフガニスタンにおける武装闘争について評価し、来年の夏までには、アメリカ軍をはじめ、多国籍軍はアフガニスタンから押し出されるであろうと言いました。

また、パレスチナ人収監者の解放は結局、イスラエル兵を拉致するまでは、何の進展もなかったとしてヒズボラを支持するコメントをしました。また、イスラエルのヒズボラ攻撃を黙認したエジプト、ヨルダン、サウジアラビアを批判しました。 

アル・ザワヒリは、「シオニストー十字軍」(イスラエルと西欧列国)との戦いに立ち上がるよう、イスラム教徒たちに呼びかけました。

10日、イギリスのブレア首相がイスラエルを訪問。ブレア首相は、アメリカとの同盟関係の中で、イスラム教過激派のテロとの戦いを推し進めてきた人物です。現在、国民からの痛烈な批判を受けて、退陣することになっています。

ブレア首相は、ハアレツ紙のインタビューに次のように答えています。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/760956.html

イスラエルは、平和を切望しながら、いつも戦争に巻き込まれてきた。だから(テロ組織の武装解除を義務づける)国連決議1701の履行は大変重要な問題だ。しかし、過激派の問題は今や、イスラエルだけでなく、国際社会全体の問題になってきている。

過激派に強い影響力をもつイランの大統領が他の国の存在を否定する発言をすることは重大なことである。一国の指導者の公式な発言である以上、全くの脅しだけだととらえることはできない。もし、今、世界が何も対処しないなら、歴史が我々を裁くだろう。

<祈り>

  1. イスラエル、世界中の都市がテロの破壊の手から守られるように。
  2. テロ対策、イランとの交渉にあたる世界の指導者たちに知恵が与えられるように。
  3. 日本の新しい首相が、国際的視野をもって日本の安全、国益をまもる知恵と決断力が与えられるように。

■ 新年を迎えて

イスラエルでは、9月23,24日とローシュ・シャナー(新年祭)を迎えます。レビ記には「らっぱの日」として命じられている秋の例祭はじまりです。10日後(今年は10月2日)にヨムキプール(贖罪の日)、仮庵の祭りと続きます。ローシュ・シャナーとヨム・キプールまでの10日間は、悔い改めの期間とされています。

罪のあがないがなされるのが贖罪の日ですから、それまでに、知っている罪はすべて悔い改めておく必要があります。らっぱの響きは、最後の悔い改めへの警告です。この期間、イスラエル人たちは、様々な悔い改めをし、和解を模索します。

イスラエルでは現在、カツァブ大統領のセクハラ、詐欺疑惑が大きくとりあげられています。大統領は容疑を否認していますが、オフィスや自宅などの捜索が行われています。13日、新最高判事宣誓式がありましたが、混乱を避けるため、大統領を16時間休職させ、欠席する処置がとられました。イスラエルでは、大統領の不祥事に先立ち、ラモン法務相のセクハラが明らかとなり、法務大臣の交代があったばかりです。

今回、イスラエル史上初めての女性最高裁判事となるのはドリット・ビニッシュ氏。前判事のアロン・バラク氏は、イスラエルで最高の判事として尊敬を集めてきた人物ですが、ビニッシュ氏は、長年バラク氏に師事してきた人物です。

<祈り>

  1. 未信者であるイスラエル政府指導者がまず、主に立ち返るように。
  2. イスラエルの人々が、単なる例祭としてではなく、真の悔い改めに導かれるように。
  3. 例祭は家族が集まるお正月です。戦争で愛する人を失った人の悲しみが少しでも慰められるように。
  4. メシアニック・ジューの伝道活動が拡大し、用いられるように。
  5. 新しい最高裁判事が主の霊に満たされて、イスラエルの法の管理者として主に導かれるように。

ハイメール通信が100回目を迎えました。イスラエルと共に歩んだ4年間でした。支えて下さった皆様に心から感謝します。今後もより有益で正確な情報をお届けできますよう、祈りつつ配信させていただきます。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど

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