ホーム祈るハイメール通信 登録・停止バックナンバー > ハイメール通信No. 97 神殿崩壊記念日の祈り

ハイメール通信

ハイメール通信No. 97 神殿崩壊記念日の祈り

南レバノンの村カナ。イスラエルの空爆後、子供16人を含む28人以上のレバノン市民が遺体でみつかりました。(人権保護団体)カナの惨事について調査がすすめられています。イスラエルは遺憾と謝罪を表明し、48時間の空爆停止を行いました。

48時間後、イスラエルはヒズボラ攻撃を再開、まもなくアッコ、ナハリヤ、ハイファ、ティベリヤなどに加えて、国境から70km離れたベトシャンにもミサイルが着弾。8月3日夜、激しいロケット弾の連発があり、アッコで5人、マアロットで3人が死亡しました。

8月3日はティシャ・ベ・アヴ(神殿崩壊記念日)です。第二神殿の崩壊、ユダヤ人の約束の地からの追放など悲劇が重なった日で、イスラエルでは多くの人が断食をします。今年、ハイファのカルメル山では、多くのメシアニック・ジューたちが集まり、イスラエルのためにとりなしの集会を行います。

聞きなさい。イスラエル。主は私たちの神。主はただひとりである。(申命記6:4)



■ 南レバノンの村カナの惨事

イスラエルとヒズボラの戦闘が始まってから19日目の7月30日に南レバノンの村カナ(ガリラヤのカナではありません)で、イスラエル軍の空爆後に民間人多数の死亡が確認されました。犠牲者数は新聞社によって違いますが子供19人を含む28人のレバノン市民です。(人権保護団体発表)事件当初は50人以上と発表されましたが、22人は救出され生き延びたと報告されています。

イスラエルは遺憾と謝罪を表明し、直ちに48時間の空爆停止を行いました。世界中がイスラエルを激しく非難し、即時停戦撤退を訴えました。日本のイスラエル大使館前でも、即時停戦を訴えるデモが行われました。

この件に関するイスラエル軍の経過説明は下記の通りです。

イスラエル軍は、南レバノンの村カナが攻撃拠点になっていることを確認していました。少なくとも150発がカナから発射されたとみられています。イスラエルはここでの空爆を始めました。

カチューシャ・ロケットは移動式で、人が持ち運びすることが可能です。ヒズボラは、人混みの中や、一般家屋からロケット弾を使います。以下はイスラエル軍が撮影したビデオです。カチューシャをかついだ人物が建物へむかって走っています。建物の陰からロケット弾を発射しています。また一般家屋の窓からの攻撃もあります。イスラエル軍は、カナの一般住宅に多数の武器がある建物に集められていることを確認していました。それが今回問題となっている建物です。(イスラエル国防軍HP、イスラエル外務省HPに証拠のビデオがアップされています)

その建物を攻撃するため、イスラエル軍は、住民に対し、数日前から避難するようビラを使って勧告していました。イスラエルは、この建物に人がいないことを確認していた、もし人がいるのがわかっていたら攻撃はしなかったと発表しています。

7月30日、空軍機は深夜1時ごろ、2発のミサイルをこの建物にむかって発射しました。1発目は直撃、2発目は不発でした。この建物が倒壊したのは朝8時でした。なぜ7時間も経って倒壊したのかは不明です。空爆とは別の因子が合った可能性も残されています。

残された遺体にほとんど出血がみられないなど不明な点が徐々に明らかになってきています。また、犠牲となったのはこのビルの住民ではなく、ヒズボラによって連れてこられた行き場のない避難民であったとの報告もあります。レバノン有力紙はこの惨劇の責任はヒズボラにあると書いています。(BFP Radio News /ロン・ロス記者)

<過去にもあったカナの惨劇>

カナから多数の犠牲者が出るのは今回が2回目です。1996年、イスラエルはヒズボラ幹部を狙って空からピンポイント攻撃を行っていました。「怒りのぶどう作戦」です。この時もカナの住民から100人以上の犠牲が出ました。カナがヒズボラの拠点として利用され続けてきたことがわかります。ヒズボラは、民間人、特に子供や女性などの弱者を盾にしてイスラエルを攻撃することを手段としているのです。

非難を受けたのはイスラエルでした。国際社会からの激しい非難を受けて、イスラエルは2000年、レバノンから完全撤退することになりました。この後、ヒズボラは軍備を拡大し、今回イスラエルを攻撃するに至りました。

オルメルト首相演説(7月31日 要約抜粋)

戦闘が続いています。停戦はありません。国防軍はこの瞬間にも陸海空からヒズボラの武器設備の破壊を続けています。戦闘が始まった20日前に比べてヒズボラはかなりのダメージを受けたはずです。

私たちは反撃しています。戦いは誘拐された兵士、前線に出ている兵士たちが無事帰る時に終わります。私は前線に出て戦っている兵士のことを毎日考えています。

ゴラニ部隊で身を投じて戦友を救ったロイ・クレイン副司令官のことを思うと胸が痛みます。彼は敵が手榴弾を投げてきた時、体でそれを防ぎ、部下たちを守りました。彼は最後に「聞きなさい。イスラエル。主は私たちの神。主はただひとりである。」と言い、連絡将校に自分の死を報告しました。

今、彼の2人の小さなこどもたちは父を失いました。(この戦闘については前回ハイメールでお知らせしました。クレイン副司令官の死後、部下たちは勇敢に戦いを遂行しました。)

…オルメルト首相は他にも多数の兵士たちについて述べています。…

国連における状況が初めて好転しています。決議案1559において、ヒズボラの武装解除が可決されています。国際社会は多国籍軍を送り、ヒズボラを武装解除させ、イスラエルとレバノン、イスラエルとシリアの国境を守る方策を検討中です。これは一度しかない最後のチャンスです。流れを変えるチャンスです。

政治的軍事的に解決しなければならない課題は山積みですが、私たちはあきらめません。作戦はまだ途中です。ミサイルやロケット弾はやんでいません。恐怖と不安、痛み、涙と流血がまだしばらくは続くと覚悟しなければなりません。しかし、私たちは平和と平穏な日々をめざして、あきらめることをしません。

レバノン市民の皆さん

あなた方は再び恐ろしい殺人者たちに導かれ、破壊と惨事にむかっています。あなた方はヒズボラという組織の人質になっているようなものです。彼らはレバノン市民の益になるように戦っているのではありません。イスラエルとレバノンには戦う理由はなにひとつないのです。

あなた方も私たちも望むことは一つ、ただ静かな暮らしだけです。ヒズボラは他の国々、特にシリアとイランのために戦っているのです。

イスラエルとイスラエル軍がもたらした大きな破壊について怒っておられる事と思います。この戦いはあなた方には何の関係もないことです。

敵はイスラエルではなく、ヒズボラであることをわかっておられると思います。彼らは外国の益とするために、あなた方を犠牲にすることを何とも思っていないのです。

よく見て下さい。海外のアラブ諸国はヒズボラから距離を置き、国際社会と協調路線をとっています。国際社会はヒズボラをテロ組織と断定し、今回、イスラエルの自衛権を認めているのです。

レバノン市民の皆さん。あなた方が家を離れて避難を余儀なくされ、はからずも多くの市民が犠牲になっていることを心から遺憾に思います。しかし私たちは謝罪はしません。

私たちはあなた方とただ平和に共存したいと願っているのです。私たちは存在する権利があります。そのために戦っているのです。私たちはあきらめません。

<祈り>

  1. 戦闘を続けるイスラエル軍が市民の犠牲なく、ヒズボラの戦略を砕くことができるように。
  2. 各国指導者が、戦争集結にむけて導かれるように。
  3. レバノン市民の犠牲者を覚えて。
    難民を覚えて。
    心が憎しみで支配されないように。

■ 戦闘再開:ベトシャンにもミサイル

48時間の空爆停止期間が終わると、ただちにイスラエル軍は空爆を開始しました。ヒズボラのロケット弾はハイファ、アッコ、ツファット、ティベリヤ、ネタニヤ、アフラなどに200発以上着弾し、1人が死亡しました。また、レバノンから70km離れたベトシャンにイラン制のミサイルが着弾し、負傷者が出ています。

8月3日夜、激しいロケット弾の攻撃があり、アッコで5人、マアロットで3人の市民が死亡しました。シェルターにいる人は、時々自宅でシャワーをあびたり、料理してはシェルターに帰ってきています。犠牲者はたまたま自宅に行っていて犠牲になりました。

現在イスラエル軍は空軍による空爆の他、南レバノンに1万人の地上軍を投入して戦闘が行われています。少なくとも3カ所で激しい戦闘の白煙が上がっていることが報告されています。ヒズボラ兵5人を捕虜にしました。戦闘再開から死亡したイスラエル兵は8名。

ベイルートではバールベック病院(実際は病院ではなく、ヒズボラの拠点)を制圧し、ヒズボラのコンピューター等を抑えました。空軍将校は次のように語っています。「ヒズボラはパズルのピースのようにいろいろな形がある。そのひとつひとつをたたかなければならない。」

オルメルト首相は、EUの提示する即時停戦には応じられないが、国際平和維持軍が緩衝地帯に確実に配置されれば、停戦の用意があることを表明しています。

ヒズボラのナスララ党首は、イスラエルが空爆を停止すればロケット攻撃は停止すると提示しました。もし、イスラエルがベイルートを攻撃したら、テルアビブを攻撃すると発言しました。

ティシャ・ベ・アヴ(神殿崩壊記念日)の祈り

8月3日はティシャ・ベ・アヴです。「アブの月の9日」という意味で、「神殿崩壊記念日」とも言われています。ちょうどこの同じ日に次の悲劇がユダヤ民族を襲いました。

  1. 586BC バビロンによる第一神殿の崩壊
  2. 70AD ローマ帝国による第二神殿の崩壊とユダヤ民族流浪の始まり
  3. 1290年 イギリスからユダヤ人追放
  4. 1492年 スペインからユダヤ人追放

イスラエルでは、この日、断食し、エレミヤ書を読み、主の前に出ます。この日は唯一主に不満を訴えることのできる日とされています。「主よ。あなたはどこにおられるのですか。なぜこんなことが私たちにふりかかるのですか!?」今日、北部のイスラエルのユダヤ人たちは、シェルターに集まり、主にこの訴えをしています。国会議員でラビのマルシオール氏は次のように語っています。

「この戦いはレバノンでもなく、ヒズボラとの戦いでもなく、ゴラン高原の問題でもありません。これは私たちの存在そのものの戦いです。歴史上、私たちのまわりには、いつも私たちを消し去ろうとする者がありました。私たちには日々決断が迫られています。決断を間違うこともあります。しかし、私たちには決断する義務があるのです。

今私たちに軍隊が与えられていることに感謝します。この戦いは私たちの存在そのもののための戦いです。あきらめれば、私たちの将来はないのです。」

神殿崩壊日には、ハイファのカルメル山では、ケヒラット・カルメル(デイビッド・デイビス師)が中心となり、メシアニック・ジューの兄弟姉妹が集まって断食し、主にとりなしをささげることになっています。

主の声は、水の上にあり、栄光の神は、雷鳴を響かせる。主は、大水の上にいます。
主の声は、力強く、主の声は、威厳がある。主の声は、杉の木を引き裂く。まことに、主はレバノンの杉の木を打ち砕く。・・・・・
主は、ご自身の民に力をお与えになる。主は、平安をもって、ご自身の民を祝福される。(詩篇29:3-5,11)

<祈り>

  1. すべてのロケット弾、ミサイルからイスラエル市民が守られるように。
    特にテルアビブを覚えて。
  2. 前線に出ているすべての兵士たちの健康が守られ、元気に帰ってくるように。(メシアニック・ジューの師弟を特に覚えてとりなしてください)
  3. 主に祈る人々が真に主に立ち返りますように。
    カルメル山でのとりなしが主に届き、祈りがきかれますように。

■ ビリー・グラハム師がBFPフードバンクに献金

アメリカの著名な伝道者ビリー・グラハム師がBFPのフードバンクに25000ドル(約300万円)を北部避難民のために献金されました。イスラエル国内のクリスチャン団体も、避難民のための様々な支援活動を行っています。

BFPフードバンク 北部での活動(ロン・ロス記者)

BFPでは北部のシェルター40カ所に食物を届けています。すでに料理できて、すぐに食べられるものです。こどもたちにはクッキーの他、学用品などシェルターの中で楽しめるものを配布しています。BFP本部からラジオ放送をしているロン・ロスさんがゴラン高原、キリアット・シモナ(ロケット弾が最も多く着弾している都市のひとつ)の配達に行きました。

…北部へ向かうハイウェイです。戦車をつんだ軍用車がたくさん走っています。ゴラン高原のシェルターに配達する食料を引き渡すため、ここローシュ・ピナで待っています。(イスラエル国防軍兵士が受け取りに来る)ことばにならない英語で感謝を述べています。…

…今キリアット・シモナに着きました。(背後にロケット弾着弾の音頻発)シェルターにいる人にインタビュー「ここの住民です。ここに残っている人はみんな貧しい人たちで、食料などがの配給が必要です。ここで待つしかありません。」

今北部住民のために多くの資金が必要となっています。クリスチャンがイスラエルの祝福になるチャンスです。ご協力お願い致します。

<祈り>

  1. シェルターにいる人の心と体が支えられるように。
    人間の愚かさを知ってイエス・キリストを信じることができるように。
  2. BFP現地で活躍するボランティアが守られるように。
    彼らが福音の使者として用いられるよう。
  3. ビリー・グラハム師に続いて、イスラエルを祝福する教会が多くおこされるように。
  4. レバノン側の難民、そこで働いているクリスチャンたちの守りと備えのために。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど

ページトップへ戻る

特定非営利活動法人
B.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース)

Tel 03-5969-9656(平日10時~17時)
Fax 03-5969-9657

B.F.P. Global
イスラエル
アメリカ合衆国
カナダ
イギリス&ヨーロッパ
南アフリカ共和国
日本
韓国
ニュージーランド
オーストラリア

Copyright 1996- © Bridges For Peace Japan. All Rights Reserved.