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ハイメール通信号外 緊急号外!北部でも戦闘始まる

12日、北部レバノンからテロ組織ヒズボラがイスラエル領内に侵入。パトロールをしていたイスラエル兵3人を殺害、2人を拉致しました。直後に始まった戦闘でさらに兵士4人が死亡しました。イスラエル空軍は犯人らの移動制限のため、ベイルートの空港や、レバノン北部の橋などを空爆。レバノン民間人の犠牲は22人に上っています。

翌13日、ヒズボラが発射したカチューシャ・ロケットが25km離れたイスラエル領内ナハリヤの家屋に着弾。1人が死亡、28人が負傷しました。ツファットでも11人が負傷。ロケット弾は50発に及び、現在、北部住民は防空壕に避難しています。

ヒズボラは、イスラエルがベイルートを攻撃すればハイファを攻撃すると言っていましたが14日、ハイファにロケット弾が3発着弾しました。政府は全国の予備役兵にも出動準備を指示しました。主が哀れんで下さり、イスラエルとレバノンの一般住民らを守って下さるよう、緊急にとりなしが必要です!

神よ。沈黙を続けないでください。
黙っていないでください。
神よ。じっとしていないでください。
今、あなたの敵どもが立ち騒ぎ、
あなたを憎む者どもが頭をもたげています。
彼らは、あなたの民に対して
悪賢いはかりごとを巡らし、
あなたのかくまわれる者たちに
悪だくみをしています。
彼らは言っています。
「さあ、彼らの国を消し去って、
イスラエルの名が
もはや覚えられないようにしよう。」(詩篇83:1-4)



■ 北部ヒズボラの攻撃:イスラエル兵8人死亡、2人拉致

12日朝9時頃、レバノンとの国境からヒズボラ(レバノン南部で展開するテロ組織で、シリアの支援を受けている)武装勢力が、イスラエル領内に侵入。防護壁を調査パトロールしていたイスラエルの車両2台を襲撃しました。

3人のイスラエル兵(19才~26才)が死亡、2人が拉致されました。ただちに戦車を巻き込んだ戦闘となり、イスラエル兵4人が死亡、レバノン人2人も死亡しました。さらに4人の遺体を収容に出た兵士1人が死亡、イスラエル側の犠牲者は計8人(下記)となりました。

エイヤル・ベニン(20)、シャニ・ターグマン(24)ワシン・サラ・ナツァル(26)ニムロデ・コーヘン(19) アレクシー・クシニルスキー(21)ヤニーブ・バルーオン(20)ショルミィ・イルミヤフ(29)ガディ・ムサヤブ(20)。

ヒズボラのナスララ党首は、拉致したイスラエル兵ゴールドワッサーさん(31)、レゲブさん(26)と、先にガザで拉致されていたシャリートさんの3人を“安全な場所”に拘束していると発表。3人と引き替えに、イスラエルに収監されているパレスチナ人を釈放するよう要求しています。

イスラエルのオルメルト首相は、「テロ組織」とはいっさい交渉しないと要求を一蹴しました。また「これはテロ行為ではなく、既存の国に対する戦争行為である」として、責任はレバノン政府にあるとの声明を発表しました。

戦闘開始後、イスラエル空軍が緊急発進し、レバノンのベイルート空港を空爆、市内の主要な橋4つを破壊しました。テロリストの移動を防ぐためです。海軍、陸軍も併せて拉致された兵士の救出に向かいました。

この戦闘で、レバノンの民間人22人の死亡が報告されています。

イスラエル政府は、さらなる戦闘に備えて予備役兵(イスラエルでは男性は45才になるまで毎年一定期間、軍に召集される)に、出動準備の指示を出しました。イスラエルは、ヒズボラの本拠地ベイルートの住民に非難するよう呼びかけました。


■ 北部住民、防空壕へ避難:ハイファも危ない(14日、ハイファにロケット弾が2発着弾)

レバノン国境での戦闘が始まった翌日、ヒズボラの放ったカチューシャ・ロケットが、イスラエル北部の町、ナハリヤの中心部の家屋を直撃。女性2人が死亡、90人が負傷しました。今回、射程が25kmに伸びて初めてナハリヤにまで着弾したため、住民はショックを受けています。

ロケット弾はツファットにも着弾し、11人が負傷。すでに50発ものロケット弾が北部の町々に着弾しています。現在、ナハリヤ始め、レバノン国境付近の住民は防空壕に避難しています。

調べでは、ヒズボラはイスラエルを射程に数千発のロケット弾を準備している可能性があります。その中には、ハイファやハデラにまで届くものもあります。北部都市への攻撃を止めさせるため、イスラエルはヒズボラの本拠地があるベイルートを攻撃することを示唆。住民に避難するよう呼びかけました。

ヒズボラは、ベイルートを攻撃すればハイファを攻撃すると言っていましたが、14日、ロケット弾が2発ハイファに着弾しました。道路の真ん中に着弾し、付近にいた1人がショックで治療を受けています。


■ 問題が中東地域全体へ拡大(7月13日 ニューヨーク・タイムス分析記事参照・要約)

ガザに引き続き、レバノンへ戦闘が拡大した。もはやイスラエル対パレスチナだけの限局した問題だけではすまなくなってきている。一連の背景には、ヒズボラや、イスラム聖戦、イスラム同胞団などのイスラム過激派団体、およびシリアにも影響力のあるイランの動きが見えてきている。

一連の戦闘は、ガザでシャリートさんが拉致されたことが発端となっている。拉致は、アッバス議長とオルメルト首相が握手を交わし、新しい両者の関係を歩み始めた3日後の出来事であった。

また、パレスチナ自治政府のアッバス議長と、ハマスのハニエ首相がイスラエル存続を認めて歩み寄り、挙国一致を図ろうとしていた矢先におこったことであった。絶妙のタイミングで拉致が決行されたことで、アッバス議長とハニエ首相がまるで無視されたような印象を受ける。

逆にマシャアル氏と武装勢力の実力が引き立っている。計画したのは、マシャアル氏なのか、その背後にいるイランなのか、イスラエル人、パレスチナ人双方の間で憶測が広がっている。

先月末、ガザでハマスに拉致されたイスラエル兵ギラッド・シャリートさんに関する犯行声明、並びに記者会見は、パレスチナ自治政府ではなく、ハマス武装部門指導者マシャアル氏がダマスカス(シリア)で行った。(マシャアル氏はテロ活動の経歴から、パレスチナ地域に入ることが赦されていない。)

これを受けてイスラエルのオルメルト首相は、テロリストのマシャアル氏とは、いかなる交渉もありえないと断言していた。

レバノンからの戦闘が始まったのは、その直後。兵士誘拐という手口はヒズボラ(シリアに支援されている)の常套手段である。今回、イスラエル兵が計3人捕虜となった。ヒズボラのナスララ党首は、3人と引き替えに、イスラエルに収監されている政治犯数千人の解放を要求した。

以前、イスラエル政府は、ヒズボラに対して、同様の捕虜交換に応じたことがある。しかし、今回、オルメルト首相は、このような要求にはいっさい応じないという姿勢を堅持して崩していない。

イスラエル周辺国のアラブ人諜報部員によると、マシャアル氏をサポートしているのは、ヒズボラだが、その資金を提供しているのはイランであるという。イスラエルの諜報機関も、一連のことは、イランがマシャアル氏やヒズボラを通して発しているメッセージであると分析している。メッセージとはつまり、「イランを攻撃しようとするなら、こちらにはイスラエルを苦しめる道具を持っている。」という牽制である。

イスラエルは今難しい選択を迫られている。ハマスがヒズボラらと協力して勢力をつけることを徹底的に防止する道。一方で、あまりハマスを弱めてしまうと、ハニエ首相とアッバス議長を失脚させることになると懸念する意見がある。パレスチナ自治政府がなくなってしまえば、今まで以上の混乱と勢力争い、世界的なテロが増えて、ハマス主導政府と対峙するよりもさらに困難な状況になると予想されるのである。

イスラエルとアメリカは、アッバス議長と、ハニエ首相が柔軟路線に進む事をまだ期待しているようである。しかし両国は、イランには、そのような期待はしていない。

<祈り>

  1. 現在拉致されているイスラエル兵3人の無事救出のために。
  2. 今最前線に出ている兵士たちが誘拐から守られるように。
  3. 防空壕にいる北部住民の安全と避難生活のために。
    レバノン、ガザの一般市民も憶えて。
  4. 中東を巻き込む大きな戦いにならないように。
  5. オルメルト首相ら指導者の決断が主に導かれるように。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど

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