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ハイメール通信No. 94 戦争?和平?

ガザからのロケット攻撃に対するイスラエルの空爆が続いています。イスラエルの誤爆により一般のパレスチナ人が多数犠牲となりました。ガザでの戦闘と同時進行で、オルメルト首相とアッバス議長が初めて直接会談をもちました。戦争なのか和平なのか、複雑なパレスチナ問題がなお混迷していくようです。

王の心は主の手の中にあって、水の流れのようだ。
みこころのままに向きを変えられる。(箴言21:1)



■ イスラエル空軍、ガザで誤爆

スデロットではカッサムロケットによる攻撃が続いています。イスラエルのカツァブ大統領と、ペレツ国防相がスデロットに視察に来ていたときにも攻撃がありました。スデロットの住民は、ロケット攻撃即刻中止と、イスラエル政府に対して対策を強化するよう住民あげてのデモを行いました。

イスラエル空軍は22日、ファタハ系武装戦士らを狙ったミサイルで空爆を行って失敗し、3人の子供が犠牲となりました。その夜の空爆でも、テロリストらを乗せたトラックを攻撃しようとして誤爆が生じ、一般の家屋へミサイルを撃ち込んでしまいました。

今回はサウジアラビアから来ていた医師と妊娠中の妻(7ヶ月)が犠牲となりました。胎児だけでも助ける緊急処置がなされましたが、助かりませんでした。負傷者は13人です。オルメルト首相はじめ、ハルツ総参謀長も「イスラエルにとっては大変不本意で、悲劇的なミスだった。」と深い遺憾と謝罪を表明しています。ハルツ総参謀長は誤爆の調査を進めていますが、人的ミスという見方が有力です。これで空爆による死者は15人となりました。

パレスチナ側は高度な電子機器が間違うはずはないとして、イスラエルが故意に民間人を狙っていると非難しています。今回ターゲットになったファタハ系アルアクサ殉教団ではイスラエルへのテロ活動再開を表明しています。

西岸地区においても武装組織とイスラエル軍の衝突が続いており、22日には、自爆テロ用のベルトを移送していたパレスチナ人武装兵士2人が殺害されました。

<祈り>

  1. イスラエル軍の攻撃で負傷した人々の回復と心の癒しのために。
  2. 犠牲者の家族たちの悲しみと憎しみが少しでもやわらぐように。
  3. イスラエル空軍がこれ以上の誤爆から守られるように。
  4. 殺し合いの連鎖を止めて下さい。

■ オルメルト首相とアッバス議長初会談

22日、オルメルト首相とアッバス議長がヨルダンのアブダラ国王の仲介で、初会談を行いました。会談はヨルダンのペトラで朝食をかねて行われました。会談の中で、オルメルト首相は、ガザでの誤爆について深い謝罪を表明しました。しかし、同時に、ハマス主導内閣がイスラエルの存在を認めない限り、継続した交渉はありえないことも強調しました。

アッバス議長は、国際社会からの経済封鎖から脱出するため、ハマスのハニヤ首相にイスラエルの存在を認めるよう求めています。ハマスは議長に同意しなかったため、7月26日に国民投票が行われることになっています。パレスチナ側ではアラブ諸国からの支援からようやく公務員らに3ヶ月ぶりの給与支給が行われました。

<祈り>

  1. オルメルト首相を主が導いて下さるように。
  2. アッバス議長、ハニヤ首相が、真に平和なパレスチナを作り上げることができるように。

■ 西岸地区撤退計画

オルメルト首相は2010年にパレスチナ側との国境を策定するため、24の入植地から撤退する計画を立てています。実現すると5~10万人のイスラエル人が撤退することになります。オルメルト首相はパレスチナ側も継続した土地(イスラエル人入植地によって分断されない)に国をもつと語っています。

これに対し、ラビ100人が反対の意向を表明しました。また、パレスチナ側のダーラン氏(議会選挙でハマスに混じって選出された数少ないファタハ系有力議員)は、オルメルト首相の「一方的分離案は何の解決も引き出さない。紛争、暴力、憎しみはそのまま残る。」と語っています。ヨルダン国王も、第二のガザ(貧困と混乱)を生み出すだけと警告しています。

<祈り>

  1. イスラエルの土地に関して主のみこころだけがなるように。
  2. イスラエル人同士の争いに発展しないように。

■ イスラエル赤十字社に加盟

赤十字社は、スイスのアンリー・デュナンの呼びかけで、1863年に発足した救援活動を行う組織です。ジュネーブ条約により、ヨーロッパの16の国々の加盟で始まりました。後にイスラム教国が加盟した際、十字軍を連想させる赤十字に反発があったため、赤十字に加えて、赤新月のマークが取り入れられました。

現在、国際赤十字(150カ国)赤新月(31カ国)社連盟と言われています。イスラエルが最初に加盟を申し入れたのは1930年。まだ国を建国する前のことです。イスラエルは、赤十字や赤新月マークの使用を拒否したため、国際赤十字赤新月社への加盟が許されませんでした。イスラエルの救急隊マーゲン・ダビッド・アドンは赤いダビデの星マークを、採用しています。

その後1949年に再度加盟申請を行いましたが、賛成72、反対191で、申請は却下されました。今回、実に60年ぶりに賛成237、反対54で加盟が決定しました。同時にパレスチナ赤新月社の加入も決まっています。

赤十字社はダビデの星やその他様々な宗教をもつ国々に配慮して赤菱をシンボルマークに採用しました。今後は、イスラエルもこの旗の元で、戦火における救援活動を安全に行うことができるようになりました。

<祈り>

  1. イスラエルが国際社会に仲間入りできたことに感謝。
  2. 今後イスラエルの優れた外傷治療技術がさらに世界で用いられるように。

ニュース情報源:GPO(イスラエル・プレスセンター)、イスラエル外務省HP、ハアレツ、エルサレムポスト、イスラエルインサイダー、CNN、BBC、イスラエル国防軍HP、アル・ジャジーラなど

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